アドボカシー活動レポート

2009.02.23 Advocacy Issue No.1

NGOが見たTICADとG8サミット

2008年は、5月に横浜で第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)、7月にG8北海道洞爺湖サミットが開催され、世界中の注目を集めました。2ヵ月弱の間に、世界が抱える課題の解決にむけた鍵を握るリーダーたちが日本に集結。一方、多くのNGOも、両会議への働きかけを行おうと、ネットワークを結成し活動しました。


貧困、環境問題は私たちの責任でもある

2008年日本で行われたTICADやG8サミットで世界のリーダーたちが約束したことは、世界中の人々に影響を及ぼします。そこには、この会議が行われていることを知ることのないまま、貧困に苦しむ14億もの人々も含まれます。地球温暖化による気候変動が深刻化し、アフリカでは砂漠化が進行し農地や水源が奪われ、南アジアでは以前にも増して洪水などの被害が拡大しています。

そんな中、7月に行われた北海道洞爺湖サミットは「環境サミット」とも呼ばれ温室効果ガス削減にむけて先進国がどのような施策を示し、責任を果たすのかが注目されました。また、TICAD Ⅳでも、すでに気候変動の悪影響を受けているアフリカの人たちへの支援策が打ち出されることが求められました。 貧困に苦しむ人々の生活をさらに悪化させている地球温暖化も、元をたどれば大量のCO2を排出している先進国に大きな原因があります。他人事と感じやすい貧困や環境問題も、先進国に暮らす私たちが取り組まなければいけない共通の課題。日本政府にとっても、このような課題に積極的に取り組むことは、重要な責務といえます。


40年に1度の責任とチャンス

5年に一度日本政府が国際機関と共催するTICADと、8年に一度日本が議長国となるG8サミットが日本で同時に開催されるのは、40年に一度のこと。両会議の議長を同時期に務めた日本政府には、強いリーダーシップを発揮し、地球規模の課題を解決するための効果的な処方箋を明示することが求められました。同時に、日本政府の行動を後押しするためには市民の声が必要と、NGOを含めた日本の市民団体に世界の人々の目が向けられました。貧困や飢えに苦しむ人たちの声を、日本政府に向けて代弁することが求められたためです。

しかし、日本に住む多くの人は、環境や貧困問題などへの関心が高くありません。ましてや、自分たちの行動で世界を変えられるという実感は薄いのが現状です。それならば、2008年を機に、行動の第一歩を踏み出してもらいたいと、多くの市民団体は考えました。2008年は、日本の市民にとって、社会を変えるきっかけを自ら創ることができる。そんな一人一人の力を実践する、40年に1度のチャンスでもありました。

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G8サミット直前、札幌でピース・ウォークを実施。国内外から3000人が参加


日本『アドボカシー元年』

近年のサミット開催時には、「アドボカシー活動」と呼ばれる社会を変えるためのキャンペーンや政策提言が行われ、日本の市民社会もこれらの活動に参加してきました。2000年の九州・沖縄サミットに向けて、「ジュビリー2000」キャンペーンが行われ、世界中で1700万人が重債務貧困国(※1)の債務帳消しを求めて署名。日本でも、50万人の署名を集めました。結果、サミット本番で債務帳消しが約束されました。また、2005年のサミットの際には、開発途上国への援助増額を求める世界的な運動がイギリスから発信され、日本では、多くの有名人も参加した「ほっとけない 世界のまずしさ」キャンペーンが発足。450万本のホワイトバンドを売り上げ、貧困撲滅を求める声が日本中に広がりました。

しかし、これらはいずれも海外で起こった動きに、日本が便乗したもの。今まで海外キャンペーンと連帯してきた日本NGOを中心に、2008年こそは、日本がアドボカシーの発信源とならなければいけない、「2008年を日本のアドボカシー元年に」という声が聞かれはじめました。その声に多くが賛同。日々個別の活動を行っているNGOが今までにない規模で集まり、得意分野を生かしあって共通の行動を起こす術を模索しはじめたのです。

※1 債務危機に直面している後発開発途上国。IMFと世界銀行によって、債務救済対象国として約40ヵ国が認定されている

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G8サミット開催中、TICAD Ⅳにも参加したアフリカNGOが記者会見を実施


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