アドボカシー活動レポート

2009.02.23 Advocacy Issue No.1

アフリカの人々のためのTICAD実現へ

限られていた、市民社会のTICADへの参加

TICADは、日本政府、国際機関が共催し、アフリカ開発について話し合う国際会議です。第一回が開催されたのは1993年。当時のアフリカは構造調整政策(※2)で衰退し、HIV/エイズの蔓延など新たな問題にも直面。しかし、国際的な関心は高くありませんでした。そんな中、TICADはアフリカの開発問題にスポットライトをあて、支援の拡大に大きく寄与。以来、5年に一度東京で開催され、毎回数十人のアフリカ各国首脳が集まることから注目を集めてきました。2008年、TICAD Ⅳは「元気なアフリカ」を合言葉に、①経済成長の加速化、②人間の安全保障(平和の定着、MDGs(※3)達成)、③気候変動をテーマとし、日本政府、国際機関の支援策が検討されました。

会議を取りまく状勢は、時代とともに変わってきました。その中でもTICAD Ⅳにおける、もっとも大きな変化は、市民社会の存在感が増したことです。きっかけとなったのは、過去3回の会議がアフリカの人々が求める支援に結びついていたのか、という疑問の声です。民主化が遅れている国が多いアフリカでは、政府代表だけが国民の声を代弁できるとは限りません。一方で、NGOは市民、中でも貧困層を代弁できる発言者として、開発を議論する場で欠かせない存在となりつつあります。しかし、これまでのTICADでは、市民団体の参加は限定的なものでしかありませんでした。


「アフリカの声を届ける」、NGOがサポート

そこで、「アフリカの声」をTICADに届け、TICADを市民により開かれたものにするよう訴えるため、アフリカ支援を行う日本のNGOが集まり、2007年3月にTICAD Ⅳ・NGOネットワーク(TNnet)を結成。100以上のアフリカNGOと定期的に情報を交換し、政策提言に力を入れました。

外務省との定期協議会やその他政策対話の場で、アフリカNGOが中心となり作成した提言文書「Voices2008~アフリカ・日本市民社会からのTICAD Ⅳにむけた提言」を基にどのような支援が求められるかを議論しました。日本NGOがアフリカの代わりをするのではなく、自らの開発に関して声を上げるのはアフリカNGOの役割。日本のNGOは、その声を届ける場を作り、日本政府がその声に耳を傾け、責任を果たすことを求めました。お互いの役割を持って連帯することで、効果的な提言活動が実現。MDGs達成にむけた支援がより重要視され、市民社会の重要性が本会議で採択された「横浜宣言」に盛り込まれるなどの結果を残しました。

また、会議への市民社会の参加はTICAD Ⅲと比べて質量両面で飛躍的に拡大。アフリカ・日本NGOが全てのアフリカ内で行われた準備会合、およびTICAD本会議へ参加。本会議会期中には、はじめて正式プログラムとして市民社会セッションが設けられ、市民の意見を議論し、発表することができました。今後、TICAD Ⅳの成果を現場で見届け、政府にさらなるアクションを促すために、市民社会にはよりいっそうの活躍が求められています。

※2 開発途上国がIMFや世界銀行から金融支援を受ける前提として要求される、金融の自由化、規制緩和などの政策勧告。

※3 世界のリーダーたちが2015年までの貧困削減を約束したミレニアム開発目標(Millennium Development Goals)の略。貧困と飢餓の半減など、8つの目標からなる。

jpadov2a

来日したアフリカNGOが、提言内容を話し合った


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