ハンガー・フリー・ワールド憲章

世界は、飛躍的な科学技術の発展によって多くの進歩を遂げた一方で、貧困や戦争といった負の遺産を抱えたまま21世紀を迎えた。このような現状は「地球の持続可能な発展」の実現が今もって困難であることを示している。すなわちこの世界は、「地球の持続可能な発展」に対して飢えている世界(ハンガー・ワールド)である。この飢えを満たすためには、人間安全保障の達成におけるあらゆる側面からの取り組みが必要であり、特に貧困の撲滅ならびに食料安全保障の達成は、その包含する課題の幅広さからも不可欠である。

これは、人類にとって史上最大の挑戦であり、また挑戦するに値する課題である。そして、世界を飢えから解放するためには、政治、経済、社会の構造におけるかつてない変革が必要である。

この変革のための鍵は、一人ひとりが、物質面、精神面に関わらず存在する飢えから解放されることである。なぜなら、政治、経済、社会構造の根幹を構成するのは一人ひとりの人間であり、そのありようは、世界のありようを決定づけるからである。さらにこれら一人ひとりがどこに生まれ、どのように生きようとも相互理解と尊重に基づいた関係を築くことで、飢えからの解放のための相乗作用を起こすことが可能になる。

従って、今求められているのは、一人ひとりの意志と行動、そしてそれに基づく政治的、経済的ならびに社会的な構造それ自体が飢えからの解放を促進し、その相乗作用が最大化され得る環境を創造することである。

Ⅰ. ハンガー・フリー・ワールドは、特定の思想、宗教ならびに政治的意志から完全に独立した非政府組織として、飢えから解放された世界の実現をそのビジョンとし、飢えから解放された世界を創るための環境創りと行動をその使命とする。

Ⅱ. ハンガー・フリー・ワールドは、地球の持続可能な発展ならびに平和の実現に寄与するために、貧困の撲滅と食料安全保障の達成を行動の目的として掲げる。

Ⅲ. ハンガー・フリー・ワールドは、日本に本部を置く国際的非政府組織として、調和の精神をもって活動を展開し、新たな形のリーダーシップを具現化する。

Ⅳ. ハンガー・フリー・ワールドは、

1.性別や年齢等に関わらずすべての人に開かれた市民社会組織であり、かつ貧困と食料不安に直面した地域、国、世界をそれらから解放するために開発を行う組織である
2.飢えから解放された世界の創造に関わるすべての組織、人々とパートナーシップを持って行動する
3.飢えから解放された世界を創ることにコミットメントを持った人の連帯と強いパートナーシップに基づいて起こされるムーブメントである
4.次世代を担う存在としての「若者」の重要性と可能性を認識し、パートナーである青少年組織「ユース・エンディング・ハンガー」を通じ、若者が主体となって行動することを奨励する

Ⅴ. ハンガー・フリー・ワールドは、そのビジョンと使命、また行動の目的に従い、以下の事業を行う。

1.飢餓、貧困の中にある村や地域が「ハンガー・フリー・ゾーン」となるために必要な包括的開発事業
2.飢えから解放された世界の創作に向けて活動するすべての機関、政府、組織、人々とのあらゆるレベルにおける連携事業
3.飢えから解放された世界を創作するための決定的な鍵である、「人々の意志」を結集し、その相乗作用を最大化するために必要な啓発事業
4.ユース・エンディング・ハンガーのパートナーとしてともに働くための物質的精神的支援ならびに連携事業