組織評価 会員・企業・NGOからの批評

HFW会員・ボランティアグループ『ハンガー・フリー・板橋』代表
画家 美崎太洋さん

評価はいらないかも?

評価表を拝見しましたが理解は出来るものの、意見を述べるだけの力は今の私にはありません。正直、評価については(難しい判断ですが)、私はいらないと思います。見た感じでは何か世間一般の型に無理にはめ込もうとしているように見えます。新しい世の中作りや新しい価値観に燃えて行動するのなら、おのおのが自分の役割を好きなように好きなだけやり、責任や反省もおのおのでいいと思います。

私からのHFW評価

そこで、私的な体験を基に、HFWについて書いてみます。 以前、私はある機関に「環境保全」と使用目的を告げ、寄付をしていましたが、漠然とした感じで、どのように生かされているのかもわからずにいました。大きな組織では仕方がないとあきらめてもいました。しかし、もっと何か目に見えて喜べる貢献活動がしたいと強く思うようになり、1996年10月、世の中に何かしらの社会的貢献をする目的で『美崎太洋の会(現、ハンガー・フリー・板橋)』を立ち上げました。賛同者も少しずつ集まり、2年間は、また別の団体に寄付をしていました。しかし、これも充実感がなく、満足しませんでした。そんな頃、テレビで今のHFWを知ったのです。「これだー」と思い、さっそく入会しました。
そこで私たちは、味わった事の無い達成感と大きな喜びを体験しました。1999年、まず目に見えた貢献がしたいと言う希望を申し出たところ、金額に合った5つの事業を紹介して下さいました。その中でこれはいいな、と納得出来る農業自立プロジェクトに決め、ブルキナファソにポンプを贈らせていただいたのです。その後、経過報告もいただき、数ヵ月後には丁寧な結果報告が届きました。写真には村人が畑に放水して喜ぶ姿が写っていました。私たち一同、野菜栽培に役立っている様子を見て、大感激、喜びの声を上げました。その後も、投資額以上と思われる質の高い計画に、私たちは大変満足しています。

各国とより親密な関係が持続出来るシステム

このようにHFWでは投資額に合ったプロジェクトを選んだり、また希望も取り入れて計画もしてくれ、充実した活動を続ける事が出来ます。これはパートナーとして最良の関係であり、最高のシステムだと思っています。私たちはHFWの地道でしかも愛情をもって確実に進めるやりかたが好きで、自然体でついて行っています。
ハンガー・フリー・パートナー制度など、各国ともより親密な関係を持続出来るのでいいですね。これを縦の線としたなら、もう一つ横の線、国の単位を越えた教育、水、植林、農業……などのプロジェクト別サポーター制度はどうでしょう。各国の事情も違うので大変でしょうが国のパートナーとプロジェクトのサポーターが連携で支援を考える。支援者同士のコミュニケーションも計れ、知識も深まり、より良い支援が可能となるのではと思います。
私もまだまだNPOについてもHFWについても知識がありませんが、自分に出来ることを少しでも実行して行きたいと思っています。
※ハンガー・フリー・パートナー制度…月額5000円以上で国を選んで支援するHFWの会員制度


三井住友海上火災保険株式会社
総務部 社会・環境グループ 山ノ川 実夏さん

HFWの最も大きな問題点は、事業に対する職員数の慢性的な不足

はじめに、絶え間ない事業を継続しながら、4ヵ月間全員で組織の長所・短所を徹底的に洗い出して意見を率直にぶつけ合い、問題を理解し、解決策を話し合われたことに、敬意を表します。
組織評価を拝見したところ、HFWの最も大きな問題点は、事業に対する職員数の慢性的な不足であると感じました。にもかかわらず地域で高く評価される事業の遂行を可能にしているのは、職員、ボランティア、インターンのモチベーションの高さと、人間関係の良さによると思います。
ただ、人手不足のために実施したい事業や施策を諦めているケースもあるのではないかと推測されます。組織の最も大切な資産である人材が疲弊してしまわないよう、また事業の質を高めるためにも、福利厚生や就業規則等の体制整備や職場環境の改善策の実行が必要だと思います。

気になる予算管理と会計処理の規定や統一基準

また事業立案に当たっての予算管理が不十分な点、会計処理における規定や統一基準がない点が気になりました。今後さまざまな組織のアカウンタビリティがこれまで以上に求められていくなかで、寄付者が安心してお金を託せるよう、担当者のスキルアップ、専門知識の習得など、挙げられた改善策の実行が急務と考えます。
HFWのすばらしいところは、きめ細かな会員・寄付者サービスとボランティア、インターンのマネージメントだと思います。それにより、継続的な支援や参加が得られていると考えます。
そうしたサービスを受ける側に立っていたわけですが、今回評価を拝見して、むしろ少ないスタッフでよくやっていらっしゃるという驚きさえありました。温かい協力を永続的に得られるような工夫はし足りないということはありませんので、この部分にはさらに磨きをかけていかれるべきかと思います。

NGOのSocial Responsibilityも大切ですね

いま企業の経営に関して、CSR(Corporate Social Responsibility=社会的責任)というキーワードが注目されています。あらゆる事業活動を社会的に公正に行い、社内外へ説明責任を果たすことで、社会から評価され、持続的・永続的な発展が可能になります。
今回の組織評価と改善策を拝見して、NGOにも企業と同様、地域住民、寄付者、ボランティア、理事、職員、インターン、一般市民、企業という関係者に対して社会的責任と説明責任があること、そしてそれをきちんと果たすことが、組織の永続的発展に直結するということを改めて感じました。
いま世界では5秒に1人の幼児が飢えや貧困が原因で亡くなっているそうです。当たり前のように豊かな食生活を享受している日本の市民が、世界の現状を正しく認識しバランス感覚をもった真の「市民」になっていくために、「飢餓のない世界を創る」という明確な使命を持つHFWのすべきことは山積しているように思います。今回の組織評価を、今後の発展のための足がかりとして、新たな時代を拓かれることを心より応援いたします。


特定非営利活動法人 国際協力NGOセンター(JANIC)
常務理事・事務局長 山崎唯司さん

スタッフのやりがいにつながっているシステム

NGOは、そこで働くスタッフが持つ能力の集合体です。スタッフ一人一人が様々な場面で積極的に参画し、その能力を提供することが求められています。そのためにもスタッフ一人一人が100%の能力を発揮できる職場環境、人間関係を作る必要があります。
今回のHFWの組織評価を拝見して、組織としてたいへん努力されていると理解しました。またそれがHFWのスタッフ一人一人のやりがいにつながっているものと思います。まずこれがシステムに関する感想です。

評価を行うNGOが増えているなか、HFWに学ぶ点

最近は自分の組織の評価を行うNGOが増えていますが、評価に対する改善策に対しては「……と言ってもうちの団体じゃ無理だよね」というスタッフのため息も時々聞きます。2000年に他NGOの日本支部である立場を捨て、独立・再構築した組織、言い換えれば若い組織のHFWだからという意見もあるかもしれませんが、他のNGOも、特に事務局を運営する側は、HFWの先延ばしにしない経営姿勢に見習うべき点が多々あるのではないでしょうか。

理想と現実の格差を埋めるために資金拡大の努力を

組織的にも財政的にもまだまだ独り立ちしていない日本のNGOが、理想と現実の格差を埋めるべく、組織としてどのように対処していくのかは、大きな問題です。これはHFWにもそのまま当てはまります。NGOの資源は乏しく限界があります。単に意見を言うだけではない改善に向けたスタッフ一人一人の責任ある参画を得ることは、特に財政的な保証があって、はじめて実現することも事実です。改善策を実現するために、他のNGOと比べてもさまざまなアイデアで積極的に資金拡大に取り組んでいるHFWですが、よりいっそうの努力をお願いします。
採点制はとても解りやすいものですが、同じ60点であっても前回が40点の場合と80点の場合では、意味合いが大きく異なります。年度ごとに評価し、点数の意味を判断できるようにしてください。また何点を及第点とするのかという目標も一目でわかれば良いですね。

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