適正化施策最終報告

マラウィ準支部(2004年11月閉鎖)における現地人コーディネーター チャールズ・ガワニ(2004年10月解任、以下「元コーディネーター」)による資金の不正流用事件で、みなさまに大変なご迷惑とご心配をおかけしましたことを、改めて深くお詫び申し上げます。
ハンガー・フリー・ワールドは、事件以降、役職員全員が心を一つにして再発防止に取り組んでまいりました。事件の諸対応並びに再発防止に向けた適正化施策への取り組みについて、最終報告をお伝えいたします。(2006.2.1)

マラウィ準支部閉鎖について(2004年11月16日)
明らかになった問題点と適正化施策(2004年11月16日)
マラウィ準支部における資金の不正流用について(2004年10月22日)

1.元コーディネーターへの対応

不正流用金額を306万5414クワチャ(295万7321円相当、2005年4月7日現在換算)と確定しました。在日マラウィ大使館及びマラウィ外務省の協力を得て、元コーディネーターに流用金の弁済を求める手続きを進めています。マラウィ腐敗防止局による、流用の事実確認も継続して行われています。

2.役員有志による財政的補填

上記の弁済を求める上に、理事・監事の有志が150万円補填することを決定しました。2006年1月27日現在、110万800円を補填しており、残りの金額は2006年3月31日までに補填します。
※2006年3月31日をもって補填完了いたしました。 

3.適正化施策

3-1.人材採用基準の作成

準支部における事務局長(旧役職名称:コーディネーター)、会計担当職員、事業担当職員の採用基準を作成しました。
基準にのっとり、各種業務能力や適正などを判断し、ベナン準支部、ブルキナファソ準支部の事務局長と雇用契約を結びました。その他の職員も、基準にのっとり各事務局が採用を行いました。

3-2.会計システムの強化

本部における海外事業会計機能について、各国担当職員に加えて会計担当職員が精査にあたることで、精度を強化しました。
また、他のNGO会計担当者から指導を受けた上で、バングラデシュ支部、ハイチ支部、ウガンダ支部、ベナン準支部、ブルキナファソ準支部、インドネシア準支部に対し、内部会計監査を実施しました。また、会計管理体制をより機能的にするよう指導しました。なお、ハイチ支部の内部会計監査は、治安悪化のために現地での実施を不可能と判断し、ハイチ支部事務局長を招聘して本部事務所で実施しました。外部会計検査は、バングラデシュ支部、ウガンダ支部は事件前に実施しています。ハイチ支部は、支部閉鎖の決定に伴い実施しませんでした。
なお、準支部については、本部からの送金額が小額なため外部会計監査の費用をかけることが妥当でないと判断し、外部監査の対象から除外いたしました。

3-3.内部チェック機能の整備

a.会計処理にかかる職務権限を明確にし、複数の人員が会計業務に携わるよう「支部会計ガイドライン」、「準支部会計ガイドライン」を規定しました。その後、見直して両ガイドラインに代わる「会計規程」、「会計処理マニュアル」と、新たに「内部会計監査規程」、「内部会計監査マニュアル」を規定しました。
b.「国際支部規約」、「支部事務局長業務内容記述書」を改訂し、会計報告の提出頻度を四半期から毎月に変更すること、支部事務局長の職員雇用に関する権限の一部を本部に移譲することにより本部のチェック機能を高めました。
c.ウガンダ支部において、不正行為の防止、及び不正行為が発生した際に各種処罰を実施するために、外部協力者による「規律委員会」を設置しました。
本部において、危機の早期の発見と対処、改善策を立案するための「危機管理マニュアル」を規定しました。

3-4.本部の人材を長期派遣することの是非

本部における海外事業会計機能について、各国担当職員に加えて会計担当職員が精査にあたることで、精度を強化しました。
2005年3月度の理事会において、本部の人材を長期派遣することについて審議し、見送りました。現段階では、本部の人材に限りがあり、日本国内の業務に過大な支障が出るためです。長期派遣が可能になるまでは、本部職員の現地派遣の期間を従来よりも延長し、一回につき最短でも1ヵ月以上(治安の悪化による早期帰国を除く)とし、各種会計・業務指導を強化して行うことが決定しました。
まずは1ヵ月以上の滞在を早期に実現するよう、本部職員の日本国内の業務を整理しています。2005年度の現地派遣の日数は従来よりも延長されて、平均21日間でした。

3-5.戦略と組織の再設計

a.2つのNGO代表者から役職員に対し、組織運営、開発事業の実施に伴う危機管理のあり方、組織再設計についてアドバイスを受けました。
b.本部の財政、運営能力、人員数などに適正な事業規模にするため、5ヵ国における活動を停止することを決定しました。支部・準支部の開発事業の実績、運営能力、現地の貧困や治安の状況などを総合的に検討、判断し、各国の事務局長との合意に至りました。
2005年3月にガーナ準支部とセネガル(青少年組織YEH(以下YEH)のみで活動をしていた)、2005年6月にエチオピア(YEHのみで活動をしていた)、2006年1月末にハイチ支部を閉鎖しました。また、2007年3月末にはインドネシア準支部を閉鎖することを決定しました。
ハイチ支部、インドネシア準支部は、現地NGOとして組織が存続します。 実施していた開発事業は事業終了期間まで支援、または設立された現地NGOによリ継続できるよう努めます。しかし、これらの可能性がない場合は中止します。
ガーナ、セネガル、エチオピアは、閉鎖前にも長期にわたり活動が停滞していたため、組織を解散しました。 活動国は、日本、バングラデシュ、ウガンダ、ベナン、ブルキナファソとなります(ブルキナファソは、暫定的に継続。2006年10月に正式に方向性を決定します)。
c.事業規模の見直しと共に、基本方針・事業戦略を新たに策定しました。本部の役職員、ならびに支部、準支部事務局長の参加により、慎重に討議を重ねました。その結果、「開発事業」「啓発事業」「青少年育成事業」「政策提言事業」の4分野からなる新しい中長期計画(5年~10年後)を創作しました。2006年度の事業計画についても、実現可能性を検討しながら立案しています。

インドネシア準支部からの活動撤退について

3-6.コンプライアンス(法令・倫理遵守)活動の推進

a.本部、支部、準支部の役職員を対象とした「倫理規程」、内部通報制度を含む「不正行為防止規程」を規定しました。
b.開発事業実施に際して、支援事業対象者に対して、事業内容の情報開示・告知を行うことについて検討しました。事業予算を知った支援事業対象者が、HFWに依存心を持つことや、各種資源(労力、土地、資金など)を提供する意欲を失うなどの危険性が想定されます。そのため、情報開示・告知を実施するかの判断、また方法については、各支部、準支部と協議し、2006年3月末までにそれぞれの国や事業の状況に応じて決定します。

以上