特集

2010.03.01 Special Issue No.27

地球を守る、命のつながり ~生物多様性と食~3

生物多様性を守っていくには?

私たちの暮らし、特に食とは切っても切り離せない生物多様性。では、守っていくにはどうしたらいいのでしょうか。


2010年に名古屋で生物多様性条約締約国会議を開催

世界全体で生物多様性を守っていくためには、どうしたらいいのでしょうか。すでに国際社会では、さまざまな取り組みが行われています。その要となるのが、1992年、地球環境サミットで採択された生物多様性条約。この条約は地球上の多様な生物をその生息環境とともに保全することなどを目的としています。

この目的を達成するため、条約の締約国が持つ共通の目標の一つに「2010年までに生物多様性の損失速度を顕著に減少させる」というものがあります。その期限を迎える2010年、10月に名古屋で第10回締約国会議(COP10)が開催されるため、注目が集まっています。日本は節目となる会議のホスト国を務めます。

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第8回生物多様性条約締約国会議(ブラジル)での全体会合の様子 (写真提供:名古屋市立大学大学院経済学研究科准教授 香坂玲氏 EICネット掲載記事より許可を得て転載)

生物多様性条約とは

特定の地域、特定の種の保全の取り組みを約束するワシントン条約などだけでは生物多様性の保全を図ることができないとの認識から、新たな包括的な枠組みとして提案されたものです。1992年の国連環境開発会議(地球サミット)ではじまりました。2009年10月末現在、192の国と地域がこの条約を締結(※)しています。日本も1993年5月に締結しています。

※ 国際会議などで各国代表が条約に署名後、自国内で合意がとられること

私たちにできること

生物多様性を守るために、私たち一人ひとりができることはどんなことでしょうか。まず、あまり一般に広まっていない生物多様性そのものに関心を持つこと。そして、その大切さを身の回りの人に伝えることです。

COP10に向けて環境省がはじめているさまざまな取り組みに参加することもできます。たとえば、「いきものみっけ」という、身の回りの生き物について観察し、その様子を、ホームページに掲載するという仕組みがあります。日本国内の多様な生き物に関心を持ち、みんなで知るためのユニークな試みです。

毎日の食事からできることもあります。日本は世界第三位のコーヒー輸入国。そして、コーヒーの多くが熱帯雨林など生物多様性が集中する地域で栽培されています。コーヒーは日陰で育つ作物で、他の植物と一緒に育てることができます。つまり、森林を切り開いてコーヒー農場を拡大するのではなく、もともとある森林と共存しながら栽培すれば、生物多様性の保全につながります。最近では、そうした取り組みのもと生産されたコーヒーであることを証明するレインフォレスト・アライアンスの認証ラベルのついた商品も増えてきました。こうした商品を意識的に選ぶことでも、生物多様性を守ることができます。そのほかにも、その土地に根差した伝統的な食材を選ぶようにすることも大切です。

普段の食卓や生活を通じて、生物多様性と人間との接点について意識し、考えるようにすることで、どのように他の生き物と共存していったらいいのか、一人ひとりの答えが見えてくるのかもしれません。


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レインフォレスト・アライアンス
認証ラベル

参考:平成20年版 環境/循環型白書(環境省)、国連食糧農業機関データベース(FAOSTAT)、いのちのつながり よくわかる生物多様性(香坂玲/中日新聞社)、生物多様性センターホームページ、生物多様性条約第10回締約国会議支援実行委員会ホームページ