特集

2010.09.01 Special Issue No.29

働く子どもたち ~児童労働のいま~

たくさん勉強して、たくさん遊んで……それは世界中の子どもたちにとってかけがえのない時間。でも、世界では2億1500万人もの子どもたちが、長時間・危険な労働に従事しています。

子どもの労働というと、日本では家事や家業のお手伝いを思い浮かべる人も多いかもしれません。国際的な取り決めで禁止されている「児童労働」は、これらとは明確に区別され、子どもが大人と同じか、より過酷な環境で長時間働くことや危険な労働に従事することをいいます。


子どもの時間を奪い、危険にさらす労働

国際労働機関(ILO)は、児童労働を「15歳未満の子どもが、大人のように働く労働」「18歳未満の子どもが行う最悪の形態の労働」の2つと定義しています。

分野を見てみると、農林水産業、製造業、サービス業、家事労働など多岐に渡ります。子どもたちはこれらの労働によって、健全に育つ時間が奪われてしまうことに加えて、心身の危険にさらされます。たとえば農業。大人に比べて知識が未熟なため、農薬など化学物質の危険性を知らないため身体を守るマスクなどを使わず、有害な物質を大量に吸い込んだり、皮膚についたものが口に入ったりしてしまうことがあります。また暑さや寒さが厳しいなかで大人と同じように長時間働くことで発達が遅れてしまいます。実際に、インドで綿花栽培を行う子どもたちに対して国際NGOが行った調査によると、運動能力や集中力、記憶力が他の子どもたちよりも明らかに劣っていたといいます。

ほかにも、最悪の形態の労働といわれる売春や兵士といった労働を強いられ、心に一生残る傷を負ってしまう子どもたちがいます。

児童労働とは?

1. 原則15歳未満の子どもが、大人のように働く労働

  • 働いてよいのは義務教育を終えてから(一般的に15歳。開発途上国では14歳でも可)
  • 軽易な労働は13歳(開発途上国では12歳でも可)
  • 健康・安全・道徳を損なうおそれのある労働は18歳(健康・安全・道徳が保護され、適切な職業訓練を受ける場合は16歳でも可)

2. 18歳未満の子どもが行う最悪の形態の労働

  • 人身取引、債務奴隷、強制的な子ども兵士、その他の強制労働
  • 買春・ポルノ、麻薬の製造・密売などの不正な活動における労働
  • 子どもの健康・安全・道徳を害し、心身の健全な成長を妨げる危険で有害な労働

  出典:国際労働機関(ILO) 駐日事務所ホームページ

数字でみる児童労働

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