特集

これ以上森林を失わない、そして森林を再生する方法を考えよう
~木を植える、木を使う…… 木と共に暮らす~

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2秒ごとにサッカー場の広さの森林が消えているみんなの “ホッと一息” が、森を破壊していく。
これからは日蔭栽培コーヒーに注目!

コーヒーの木は、もともと赤道を中心とした熱帯の植物。熱帯雨林の中に生息していました。しかし、そのおいしさが世界に伝わり需要が高まるにつれて、機械で作業できるように森を切り開いた大規模農場で栽培されるようになりました。このような日光にさらされる“サンコーヒー(Sun Coffee)”と呼ばれる栽培によって、各地で広大な森が消え、大きな問題になっています。そこで近年、伝統的な “シェイド グロウン コーヒー(Shade Grown Coffee)”という、木陰で栽培されたコーヒーが注目を集めています。

木は、森林浴の効果をもたらすフィトンチッドという物質を発しています。このフィトンチッドには、さまざまな働きがあり、桐タンスでも知られるような病害虫の忌避の働きもあります。このような森の力で農薬はいらなくなり、直射日光が当たらないため水の消費も抑えられます。手作業の苦労はあるものの、農薬の害から生産者と土壌を守り、森の再生によって生き物も戻ってきます。

日本は、1人あたり1週間に10.03杯も飲むという、世界第3位のコーヒー消費国です(社団法人全日本コーヒー協会が中学生以上79歳までを調査、2002年)。まだサンコーヒーが主流ですが、フェアトレード(公正な貿易)や無農薬食品を扱うお店をはじめ、大手のコーヒーショップでも日陰栽培コーヒーを購入できるようになってきました。

シェイドグロウン メキシコ
226g1200円 100g 540円  スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社  国際環境NGOコンサベーション・インターナショナルと連携した商品。


紙製品の原料の9割が輸入木材! 大きい日本の責任

日本は、森林が国土面積の67%を占める世界有数の森林国。木造建造物では世界最古の法隆寺五重の塔、世界最大の東大寺大仏殿に見られるように、世界に誇る木の文化を持っています。それにも関わらず、日本の木材輸入は1960年頃から急増し、アメリカ、中国に次いで、世界第3位となっています。

2001年には113ヵ国から輸入され、木材の自給率はたった18.4%。今、日本で住宅の柱や梁に使われている木材の7割、本やノート、ティッシュペーパーなどの紙製品の原料の9割が輸入されたものなのです。 東南アジアをはじめ世界の森林伐採に大きく関わっている日本。私たちの責任は重大です。

木の産地を考えた、木のある暮らしを

私たちにできることは、生態系が豊かで、保水力などの機能も高い原生林をこれ以上減らさないようにすることや、手入れをしないと荒廃してしまう人工林を維持することなど。 具体的には、輸入木材を使用する際に、安さだけではなく、保護森・原生林を伐採した違法伐採にも注意すること。日本で違法伐採を見分けるのは難しいのが現状ですが、持続可能な森林経営をしている人工林の木材を認証する制度も普及してきています(国際的な認証制度「FSC」など)。例えば、違法伐採していない木材かを業者に確認することでも、このような動きを促進させることができます。

国産の間伐材を積極的に利用することも大切です。現在、日本の森林の約4割は人工林で、その約7割が間伐などの手入れが必要です。しかし、安価な輸入木材の増加の影響で、日本の林業は経営が困難になり、放置され、荒れた森がたくさんあります。日本の森を再生し、世界の森を守るためにも積極的に間伐材製品を利用してみましょう。家具や食器をはじめ、さまざまな製品があり、表示がついているものも増えています。木製品は自然に還りますし、何より木のぬくもりがある暮らしが楽しめます。

ほかにも、山村交流活動や森林ボランティアなどで、森づくりに参加する機会もあります。地域の自治体に問い合わせてみてください。

参考:(社)全国木材協同組合連合会
『人と環境にやさしい木のはなし』『環境に優しい木材が欲しい。』。

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間伐材マーク認定製品
間伐材を含む国産材を利用した飲料用容器 『カートカン』(株式会社ポッカコーポレーション)、間伐材を20%使用した『フラットファイル』(コクヨ株式会社)ほか、名刺や封筒など間伐材マークがついた製品も増えている。


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