特集

2004.12.01 Special Issue No.6

押さえておこう 国際協力NGOの基礎知識 NGOって何だ?

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INDEX

最近、テレビや新聞でもよく目にするようになったNGOという言葉。
しかし、「NGOって一つの組織じゃないの?」「ボランティアのこと?」というご質問もよくいただきます。 知ってるつもり? のNGO。基礎知識をおさらいしましょう。


言葉の意味 ~国連憲章で登場~

NGOとは、Non-Governmental Organizationの略語で、1945年国際連合憲章で使われたのが最初です。日本語では「非政府組織」や「民間団体」などと訳されています。国家の枠を越え、経済的利益をめざさない、市民が自発的に参加、運営する草の根の団体を意味します。

似た言葉にNPO(Non-Profit Organization=非営利組織)がありますが、NGOは政府の活動、NPOは企業などの営利活動に対する言葉として使われます。日本では、NGO は国際的な活動、NPOは国内の福祉などというイメージを持たれていますが、必ずしも正確ではありません。 しかし、この特集ではHFWも一員である、国際協力を行うNGOについて解説することにします。


歴史 ~インドシナ難民大量流出が契機~

日本の国際協力の始まりは、1938年にキリスト教信者が中国で行った日中戦争の被災者や難民への医療支援です。そして、1950年代から1960年代、公害、同和、原水爆、安保などの社会問題解決に市民が団結したことで、市民活動の環境が整えられます。

日本で国際協力NGOが本格的に活動を始めたのは、1979年からのインドシナ難民大量流出が問題になった時期です。難民救済団体が相次いで設立。その後、支援対象が拡大し、活動の幅も広がったのです。また、団体数も急増。1980年当時は、約50団体でしたが10年後には200団体以上になります(特定非営利活動法人国際協力NGOセンター[JANIC]調査)。欧米のNGOが日本に拠点を置いたり、NGO間のネットワークを構築する団体も見られるようになりました。

1990年代には、環境問題が広く認知され、NGOへの関心はさらに高まります。しかし、バブルが崩壊し、多くの団体で財政状況が悪化。補助金や助成金は増えたものの、会費・寄付金などを得る努力・能力が一層必要となりました。同時に社会から会計の透明性や説明責任が厳しく問われるようにもなりました。

日本では現在、約400団体のNGOが活動しており、1998年に施行された「特定非営利活動促進法」によって特定非営利活動法人として社会的な認知を受ける団体も増えてきました。


活動内容 ~多様な活動スタイル~

日本のNGOは世界各地で、教育、医療、職業訓練、植林、政府や国際機関などへの政策提言や平和構築など多岐に渡る支援活動をしています。主な支援方法は、資金助成、物資供給のほか、人材派遣や人材育成など。支援先に日本人駐在員を置く団体や現地のパートナー団体などを通じて活動する団体があります。

日本国内では、市民に問題を提起したり行動を呼びかけるために、情報提供や教育サポートなど実に多種多様な活動をしています。支援先の産業の発展につながる草の根貿易も着実に広がっています。

国際協力NGOの主な活動分野

開発:貧しい地域における地域開発、農業指導、保健医療、居住環境改善、教育、職業訓練など
環境:植林、森林保護、砂漠化防止、生態系保全など
人権:難民、女性、子ども、障害者、先住・少数民族、在日外国人労働者などの人権擁護
平和:軍備撤廃、地雷廃絶、平和教育など
ネットワーク:NGO間の情報交換や協同など


運営 ~約43.8%が2000万円以下で活動~

『NGOダイレクトリー』第1部に掲載されている226団体の2002年度における総収入額は、約266億7469万円。約43.8%の団体が2000万円以下の年間予算規模で活動しています。そのうち176団体で1539人が有給専従・有給非専従職員として働いています。海外で働いている職員は286人です。

課題 ~「資金不足」と「人材不足」~

非営利活動=ボランティア(無給)というイメージが強い上に、不況が長引く日本では、人件費や経費に資金を充てにくく、活動の安定化や拡大が図れない、職員がすぐに辞めてしまう、という問題を抱えている団体も珍しくありません。会費に代表される安定した財源の確保による組織強化や、職員が経験を積んで生かせる環境作りが必要とされています。

そのためには、多くの市民に支援を得なければなりませんが、広報にまで資金と人材を割けずに悪循環に落ち入りがちです。今後、寄付の使途などの説明責任能力を高め、経費や人件費の必要性にも市民の理解を得ること、その上で寄付を積極的に募ることが急務といえます。

226団体の総収入内訳

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出典:NGOダイレクトリー2004(JANIC)

参考:『NGOダイレクトリー2004』『国際協力NGOガイド2004』(JANIC) 『国際NGOを考える 第9号』(NGO研究会’02)