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果樹の接木方法を学ぶ住民たち
バングラデシュでの活動は2000年に始まりました。西部のカリガンジ郡、北西部のボダ郡の23ヵ村を活動地とし、首都ダッカで啓発活動や事業の管理を行っています。
両郡での基礎調査の結果、栄養不良人口が多い、教育水準が低い、女性の地位が低い、保健衛生状況が悪い……と、多くの課題が見つかりました。こうした問題を解決すべく、住民が事業の計画段階から参加し、調査結果にもとづいて、さまざまな活動を行っています。中でも、住民の8割以上が従事する農業の改善は、貧困をなくし飢餓をなくすための大きなカギ。家計と健康にやさしい有機農業の推進に力を入れています。

農業訓練センター。研修のほか、住民が集まる意見交換の場でもある

農作業後に住民同士で集まり、有機たい肥にたかるアリの駆除方法などを討論

たい肥のつくり方を学ぶ
カリガンジ、ボダの両地域では、住民のほとんどが土地を持たないか、狭い土地しか持っていません。そのために、借りた土地で小規模な農業を営み、限られた収入で家族の生活を支えています。1960年代から政府により導入され、全国に拡大した近代農法では、化学肥料・農薬や作物の種子を毎年購入しなければなりません。しかし、それらのたび重なる値上げによって費用がかさむのに対し、収穫量は横ばい。さらに世界的な物価高騰の影響も重なり、これら農業を続けるためにかかる費用が、貧しい世帯にとっては大きな負担となっています。また、農薬による健康被害や、土地がやせる、水田の魚がいなくなるなどの環境汚染も深刻でした。
そこでHFWでは、ボダ郡では2005年から、カリガンジ郡では2008年に、農業訓練センターの運営を開始。家計と環境にやさしい有機農業研修のほか、住民の栄養改善・収入創出を目指し、さまざまな事業を行っています。 まずは、誰でも無償で入手できる落葉やミミズ、牛ふんを使った有機たい肥づくりや、植物性の農薬づくりの研修を実施。これまで化学肥料や農薬に頼ってきた住民にとって、突然それらの使用を止めるのは勇気がいるもの。センターで有機農業の実践例を見て学んでもらうことで、そうした不安を払拭します。
さらに、一足先に有機農業に切り替えた畑を訪問したり、センターで訓練を受けた住民自身が研修の講師になったり、意見交換の機会を設けることで、安心感が生まれ、地域の農家間の助け合いの場も生まれています。 今や農業訓練センターは、地域農業の情報発信地。家族の生活を守るための学びの場として、住民に活用されています。
ボダ郡では地域の農家が協同組合を作り、毎週センターで会合を実施。病虫害情報や対策法など、有機農業に関する意見交換を行うだけでなく、HFWに対する研修のリクエストがあがることも。ただし、HFWにリクエストするだけではよくないと、自発的な相互研修も行われています。
これらの会合には、地域で活動するHFWの女性グループ「ウィメン・エンディング・ハンガー(WEH)」や青少年組織「ユース・エンディング・ハンガー(YEH)」のメンバーも参加し、積極的に有機農業を学んでいます。地域から貧困と貧困をなくすために助け合おうという住民たちの強い決意が、センターを中心に地域全体へと広がっています。
毎年のように洪水などの災害に直面。でも、困難に負けない明るい国民性が、国の基盤を支えています。
お祭りを通じて自信をつける女性たち
2011年12月、HFWが支援する女性の自助組織WEHが、カリガンジ郡で毎年恒例の「ピタメラ」を開催……

ダッカ、カリガンジ郡、ボダ郡の3地域で、計約30名のスタッフが、住民と一緒に活動中。