海外での活動 現場レポート

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ベナン・ブルキナファソ職員の交換研修日記

研修期間:2010年1月27日〜

今後の事業の参考のため、ベナンとブルキナファソ職員の交換訪問を実施しました。隣り合っていても風土も政治状況も異なる西アフリカの2つの国。それぞれの国での飢餓のない地域づくりは、各職員の目にどうに映ったのでしょうか。

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2月2日 先生、生徒、保護者のいい連携  ―ベナン職員 マーシャル・トサ

ピシ村小学校の子どもたちと一緒に
ピシ村小学校の子どもたちと一緒に

昨日ベナンを飛び立ったのが、私にとって飛行機初体験でした! しばらく耳鳴りがやみませんでしたが、今朝起きたらようやく止んでいました。と同時に、ブルキナファソの乾燥したアルマタン(季節風)を感じ、違う国に来たことを改めて実感しました。

今日は、HFWブルキナファソが学校給食の支援をしているピシ村小学校を見学しました。校長先生とお会いし、学校給食がどのような効果があったかなど、説明を受けました。もともと170名くらいしかいなかった生徒数が、学校給食を始めたことで270名まで増えたことには驚かされました。話しを聞き終わって、教室を見学している間も、生徒のお母さんたちが、調理場で一生懸命今日の給食を調理していました。お母さんたちが給食の調理は持ちまわりで行っているということ。また、給食を支えるために生徒たちが運営している菜園も、夏休みの間の世話は保護者会のお父さんたちが行っているそうです。しかし、何よりも印象に残ったのは先生たちのチームワークです。菜園、植林、給食の食材管理など学校の活動には、校長先生を含む6名の先生たちがそれぞれ担当を持っています。保護者や地域住民、そして生徒たちと連携をとり、先生たちが責任感をもって取り組んでいる姿には関心させられました。

このように人と人との連携がとてもいいのに、残念なのが水の問題です。菜園から少し離れたところにポンプ式の井戸1基しかないのは、この事業を持続させていく上での大きな障害となるように思えました。ポンプで汲める水の量は限られているため、子どもたちだけで十分な水やりを行うことは難しいのではと思いました。菜園から十分な収穫を得て、学校給食の持続的にしていくには、水の確保に今後投資をしていく必要があると思いました。

また、水は衛生指導においても重要です。HFWベナンが運営する幼稚園では手洗いの指導に力を入れています。このピシ村の小学校でも最近、手洗い場を設置し指導を始めたようですが、まだまだ定着していませんでした。ベナンの幼稚園でも、子どもたちが爪の間まできれいに手洗いをするようになるまでには時間がかかりましたが、今では、子どもたちは家に帰ってからも手洗いを実践し、両親にも促すまでになっています。根気よく指導して、将来、このピシ村小学校の子どもたちが兄弟、地域の人たちに手洗いを促すまでに育ってほしいなと思いました。

HFWベナン支部 会計担当職員 マーシャル・トサ

2月3日 子どもの命を救う事業  ―ベナン職員 ファトゥマトゥ・バトコ・ゾス

ブルキナファソ職員から、地元で手に入るお粥の材料について説明を聞くベナン事務局長ファトゥマトゥ
ブルキナファソ職員から、地元で手に入るお粥の材料について説明を聞くベナン事務局長ファトゥマトゥ

ブルキナファソ訪問の2日目です。ベナンに比べてやはり気温が高く、乾燥していて暑いです。私はベナンでも北部の出身なのでこのような乾燥した環境には慣れていますが、ほかの職員が体調を崩さないか、少し心配です。
今日は、0〜5歳の子どもとそのお母さんを対象とした栄養改善事業を訪問しました。今回の訪問で一番楽しみにしていた事業です。ベナンでは、日本政府からの支援を受けて、12月に母子保健センターの建設に着手しました。今後、子どもの栄養改善を目的にした事業を積極的に展開したいと考えているため、HFWブルキナファソの経験が役立つと考えています。

HFWブルキナファソが行っている栄養改善事業は、国営保健センターで実施されていて、毎週水曜日、子どもたちの体重や身長を測定して、お母さんたちに地元の食材で簡単につくれる栄養粥のつくり方の講習とその提供を行っているそうです。今日は、その体重測定やお粥づくりを見学しました。 センター到着したお母さんたちが、まず青色の冊子を差し出していました。これは、お母さんたちが保管すする保健カード(日本の母子手帳のようなもの)で、子どもたちの体重測定の結果や今までの診察履歴が書き入れられています。このような制度はベナンにはありません。また、センターで保管するカルテはHFWが支給しているということ。今後、HFWベナンが栄養改善事業を実施していくときに、このような管理システムをきちんと作り上げていくことが重要だと感じました。

たくさんのお母さんたちが、子どもたちを負ぶって、この暑い中遠いところから自転車で通ってくる姿を見て、母親の子どもに対する責任感というのはどの国も変わらないのだなということを改めて感じました。でも、食料調達のお金を管理するのは大抵の場合お父さんたちです。お父さんたちが、子どもの栄養状態に関心をもち、問題解決に理解を示すよう啓発をしていくことが、今後必要なのではないかと思いました。

この事業は、HFWの事業の中でも、子どもの命を救うというもっとも重要な役割を果たしている事業だと感じました。もともと、この活動は政府が実施していたものが資金難で打ち切られたと聞きました。活動の重要性が政府にも伝わって、全国すべての保健センターで再び実施されることになることを願っています。それまで、HFWブルキナファソがそのモデルとなっていくよう、しっかりと事業を継続していってほしいと思いました。

HFWベナン支部 事務局長 ファトゥマトゥ・バトコ・ゾス

2月4日 女性たちが小規模ビジネスで連帯 ―ベナン職員 ソランジュ

落花生の皮むきビジネスを行うグループ
落花生の皮むきビジネスを行うグループ

今日はマイクロクレジット(小規模融資)を実施している女性協同組合を訪問しました。HFWベナンでは、活動地域で行っている識字教室や、幼稚園などの運営を自立させていくために、住民グループが行っている収入創出事業を拡大させようと考えています。そのために、実験的にマイクロクレジットを来年度から導入する予定にしています。その参考にもなると、この日の訪問を楽しみにしていました。

ウェドビラ村の女性協同組合のメンバーは、お揃いの洋服を着て私たちを出迎えてくれました。話しを聞いて一番驚いたことは、彼女たちの連帯感です。35名の女性が7名ずつのグループに分かれて、それぞれが融資を受けて活動を実施しているそうですが、収益はグループごとではなく全体で計算し、借りたお金の返済も共同で行っているといいます。たとえば、コメやタマネギの売買を行っているグループの収益は、気候の影響や市場の動向で大きく変動してしまいますが、グループごとに違う事業を行うことで、補完し合えるのです。この仕組みは、HFWとの何度にもおよぶ話し合いの中で、女性たち自身が考え出したというから驚きました。それだけに、彼女たちが事業に対して主体性を強く持ち、常に工夫し、自分たちを向上させていこうという意識が高いことが印象に残りました。

ただ、今後この事業をさらに成功させていくには、識字率を高めることが不可欠だと思います。読み書きができる人が組合に3〜4名しかいないそう。彼女たちが行っている事業の支出や収益をみんなが理解し、情報が全員で共有されることで、より良い運営ができるようになるのではないでしょうか。ベナンでは、読み書きができることは、地域の発展の基礎として欠かせないと思っています。ブルキナファソでも、識字教育とこのマイクロクレジットを連携させることで、その効果を次世代にまで残していくことができるのではないかと思いました。

HFWベナン支部 事業担当職員 ソランジュ・ノアティン・アタクラ

2月5日 自分の言葉で伝えたい ―本部職員 冨田沓子

交換訪問の間、「自分の言葉で伝えられないのはもどかしいね」という声を職員から聞きました。ベナンの職員がブルキナファソにいるときは地元の言語がわかりませんし、ブルキナファソの職員にとってもベナンにいるときは同じです。「ね、ね!」と、私。

私は、職員とは公用語のフランス語で問題なく会話ができても、現地の言語を2ヵ国分マスターすることはできません。なので、私が住民と対話するときは、いつも職員の通訳が入ります。初めのころは、「きちんと訳してくれてるのかな〜?」「どう考えても私が言ったことの3倍くらい話してるぞ……」と不安もありました。でも、密なコミュニケーションを通して徐々に信頼関係を築き、「言ってること」ではなく「伝えていること」を理解し合える関係になった今だからこそ、大船に乗った気持ちで通訳を頼めるのです。言葉の壁が、コミュニケーションの壁にならないということは、母国語が異なる職員同士が一緒に仕事をしていく上で、とても重要なことです。 いつもは私の通訳役をしているHFWベナン事業担当のソランジュが、HFWブルキナファソ事業担当ジョエルの長〜い通訳をもどかしげに聞いているのを見て、「私の苦労がわかるでしょ……」とばかりに、はにかむ私。それを見て、私の心のうちを読み取ったのかソランジュにニヤリと微笑み返されてしまいました。

HFW本部 開発事業部ベナン・ブルキナファソ担当 冨田沓子

2月5日 10日間を振り返って ―ベナン職員 ファトゥマトゥ・バトコ・ゾス

最終日に全員で集合写真
最終日に全員で集合写真

10日間の交換訪問が終わりました。お互いに刺激し合って様々なことを感じ、学びました。また、滞在中は、HFWブルキナファソの職員が毎日家に招いて家庭料理を振舞ってくれ、とても温かい歓迎を受けました。食文化の違いにも驚かされました。

同じ西アフリカの国同士でも、気候や文化について異なる部分がたくさんあります。しかし、農村地域の抱える問題には一定の共通点があり、その解決のための基礎となるべき活動にも共通点があります。今回の交換訪問を通して切にそれを実感しました。例えば識字の普及。どんなに新しい知識を啓発しても、新しい技術を教えても、読み書きができなければそれらの情報を蓄積することはできません。したがって、識字の普及はすべての発展の基礎となると思います。HFWのすべての事業地で、開発事業を支える基盤として不可欠なものであるとを確信しました。また、「飢餓のない世界を創る」ことを目的として活動をするHFWとして、一番弱い立場にある子どもたちの栄養状態を改善し、今後の成長の基礎を守る努力を優先して行うべきと感じました。そういった意味で、ブルキナファソのとっている戦略は、ベナンの活動にとても参考になりました。

ベナンではちょうど、5年間行ってきた事業を振り返り、今後5年間の計画を立てていこうとしているところです。ブルキナファソで得た学びを、自分の国の状況、ニーズに合った形に応用し、今後の活動に取り入れていければと思います。
また、同じ目標を持って日々努力をしている仲間の姿を目の当たりにすることで、大切な使命を預かっている自分の仕事の責任とやりがいを再認識する機会にもなりました。同じ目標を持って活動している仲間たちと協力し、これからも住民の暮らしを豊かにし、一人でも多くの人の命を守る挑戦を続けていきたいと思います。

HFWベナン支部 事務局長 ファトゥマトゥ・バトコ・ゾス

最後に ―本部職員 冨田沓子

HFWでは、今まで活動国の職員同士が、お互いの活動から学び合う機会をなかなか持てていませんでした。HFWの開発事業は、住民が自ら飢餓を終わらせるためのチカラをつけるために、栄養改善、教育、保健衛生、収入創出、ジェンダー平等の推進、環境の6つの分野を組み合わせ、総合的に行っています。そして、それぞれの国で行う事業の形成は、それぞれの国に任されてきました。もちろん、住民参加のもと調査を行って、住民のニーズを反映させた事業を行っていくのですから、国や地域ごとに異なる事業が実施されるのは当たり前です。とはいえ、地域が発展していく中で、共通する点は何なのかを探る取り組みは積極的には行ってきませんでした。今回の2ヵ国間での経験共有の姿を見て、HFWとして、事業実施に関するある程度の基準を持つことも重要なのではないかと強く感じました。

HFWは今年で10周年を迎え、6月には各国の事務局長が来日し、2015年までの中長期計画を見直す会議が開催されます。その際に、今回の交換訪問の成果を共有し、このような機会を今後も継続して設けていくことを提案していければと思っています。

HFW本部 開発事業部ベナン・ブルキナファソ担当職員 冨田沓子

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ベナン、ブルキナファソの職員

ベナン、ブルキナファソの職員

ベナン支部とブルキナファソ支部の職員が、お互いの活動を知り、経験を共有して今後の事業展開の参考にしようと、2010年1月27日〜交換訪問を実施しました。

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