活動レポート ニュース&トピックス

2013.04.01 ニュース&トピックス

世界の飢餓を終わらせるために、私たちの食料ロス・廃棄も考えよう。

第一部シンポジウムの様子

イベントレポート「フードロス・チャレンジ・プロジェクト キックオフシンポジウム&ワークショップ」

日時 1月23日(水)13:00~17:00/ 会場 東京大学/ 参加者 約100名/主催 フードロス・チャレンジ・プロジェクト実行委員会

フードロス・チャレンジ・プロジェクトは、日本国内の生活者・企業・行政・NPO・学識者が一緒になって食料ロス・廃棄問題に取り組むプロジェクト。「食べる」ことへの感謝がきちんとある社会へ、仕組みを変えていくことをめざしています。プロジェクトの立ち上げイベントに、企業や行政などで食料ロス・廃棄に取り組む5名が登壇。HFWの儘田も、国際協力NGOの視点から報告しました。


第一部シンポジウム

【国際機関】 大軒恵美子さん(FAO日本事務所/プロジェクト発起人)

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2011年にFAOは、報告書『世界の食料ロスと食料廃棄』で、人が消費するためにつくられた食料の約1/3、量にして年間13億トンほどがロスもしくは廃棄されているという事実を伝えました。それは世界中で報道され、衝撃を与えました。食料ロス・廃棄問題は、国際社会が一丸となって取り組むべき課題のひとつです。

 

【食品メーカー】 杉山弘子さん(アサヤ食品株式会社)

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収穫量の半分が規格外のために捨てられていた大塚人参を、山梨県産のぶどう100%のぶどう酢漬けにして商品化しています。食はその土地の風土と住む人々の想いが詰まって豊かになっていくもの。企業としても、利益を生み出すだけでなく、食本来の素晴らしさを忘れずにいる努力をしていきます。

 

【行政】 野村敏之さん(消費者庁)

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日本で、まだ食べられるのに捨てられる食品(食品ロス)は年間約500万~800万トン。コメの年間収穫量約813万トンに匹敵します。その約半分は家庭から出ているので、個人の取り組みも必要です。また、食品関連事業者全体で、食品ロスを減らすべく商習慣の見直しが進められています。

 

【組織・システム改革】 小田理一郎さん
(有限会社チェンジ・エージェント)

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増え続ける食料需要に、資源・環境の限界から供給は追いつかず、経済の仕組みの悪さから、およそ10億人が飢え、それ以上の人口が肥満・疾病にあえぐ。海外ではこの複雑な課題に、利害関係者が考え方や立場を超えて取り組むことで、成果を挙げはじめています。今こそ日本でも協働の素地をつくるときです。

 

【国際協力NGO】 儘田由香(HFW)
食べものを大切にする気持を、飢餓解決の力に

HFWで働く前は、飲食店でマネージャーをしていました。そこで仕入先の農家の話や食材に関して熱心に話を聞いてくれるお客さんは、ソース一滴でも「もったいないから」と言ってきれいに食べてくれたことが、とても印象に残っています。こうした経験から、食べ物が大切にされない社会は、人と人とのつながりも大切にされない社会ではないかと、個人的に思っています。

もちろん、食料ロス・廃棄が解決されれば、すぐに飢餓が終わるとはいえません。海外での支援も重要です。しかし、先進国に住む私たちの食べ方、食のあり方を変えていくことで食を取り巻く社会や世界を変えていかないと、飢餓は終わらないと考えています。実際に、HFWが活動する西アフリカ・ブルキナファソでは、気候変動による異常気象や国際的な食料価格高騰にも影響された食料品の値上げによって、十分に食料を手に入れられない状況があります。けれども、日本国内でそのことを知る人は、そう多くありません。

そこでHFWでは、身近な食べもののムダから飢餓を考えるワークショップや、生ごみを減らす飲食店とのタイアップ企画などに取り組んでいます。また世界では食料の約1/3がムダになっている現状をかわいらしいポストカードにするなど、忙しい方にも手にとってもらえるツールをつくっています。このようなHFWの取り組みを大きなうねりに変えて、社会や世界の変化につなげていくのが、今回のプロジェクトだと思っています。

日本には、おいしいものを食べたい、家族に安心・安全なものを食べさせたい……という気持ちを持っている人がたくさんいますが、それは日本人だけがもっている想いではないはずです。その気持ちを、世界中の人たちにも向けてもらえたら、解決のための大きな力になると考えています。ぜひ多くの方に興味をもっていただければと思います。


第二部ワークショップ

私と食と社会の結びつきを再認識

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後半には、参加者全員が議論に参加するワークショップが行われ、「あなたにとってのフードロス体験とは」、「フードロスはなぜ生まれるのか」をテーマにグループワーク。どのような問題意識や悩みを抱えているかを話し合いました。解決に向けて、多様な立場の人から考えを聞き、問題意識の共有やお互いの理解を深める場となりました。