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マラウィ準支部における資金の不正流用について(2004年10月22日)
マラウィ現地事務所のコーディネーターであるチャールズ・ガワニ(31歳)が、2001年から2004年にかけて、事業費と運営費の不正流用を行っていました。
HFWは、2004年9月3日に現地事務所アシスタントより内部通報を受け、同アシスタントより9月10日に報告資料を受け取り、分析を行いました。9月13日には理事会にて報告を行い、理事長を委員長とし、理事7名(事務局長含む)と職員3名の計10名で構成される「マラウィ準支部調査委員会」を設置。真相を解明するために内部調査を進めました。 現地調査を実施した結果、不正流用が事実であることが判明。10月22日を持って、チャールズ・ガワニ(以下「元コーディネーター」)を解任しました。現在、全容を明らかにするために全力で調査を継続しています。
1.調査方法
1-1.調査体制
本部事務局長、担当職員の2名が調査にあたっています。同2名を9月21日から10月3日にかけて現地に派遣。現地調査、元コーディネーターの事務所立ち入り禁止の処置、資料を確保して帰国。現在、領収書、帳簿、フロッピーディスクなど880点余りの資料を調査しています。
1-2.調査対象
現地における関係者(支援対象地域の住民、ボランティア、食料などを購入した取引先、事務所が入居するビルの会計士、車両レンタル会社、事業に関係する機関、交通局、銀行)、元コーディネーター本人、現地アシスタントへの調査を行いました。
1-3.調査項目
事務所を開設した2001年2月にさかのぼり調査を行なっています。
- 2001年洪水支援の食料購入について
- 2002年緊急食糧支援の食料購入について
- 2004年緊急食糧支援の食料購入について
- 2004年4月からの野菜栽培プロジェクトについて
- 2003年から2004年にかけての持続可能な食料安全保障プロジェクトの農器具購入、養魚関連、アグロフォレストリー活動のモニタリングと各種トレーニングについて
- 2002年から2003年にかけての青少年組織ユース・エンディング・ハンガー(以下「YEH」)によるエイズプロジェクトについて
- 2003年から2004年にかけてのYEHによるプロジェクト(農村部における学校を離れた人たちのためのHIV/エイズ認識向上キャンペーン)について
- 2003年YEH国内会議について
- 2001年3月から2004年9月にかけての事務所賃貸料と支払い状況について
- 車両レンタル費用について
- 元コーディネーターの実務実態について
- YEHの活動と元コーディネーターとの関係について
2.これまでに判明した内容
不正の方法は、報告書、領収証、見積書の改ざんや偽造による、水増しおよびカラ請求によるものです。
マラウィ準支部の事務所を開設した2001年2月から、本部がマラウィ準支部へ送金した金額は1300万円です。現在、使途不明金はそのうちの350万円程度の規模であると推定されています。使途不明金には、実際に事業実施に使われた経費で本部への報告がない未承認金が混在しており、元コーディネーターが個人的に使用した流用金だけではありません。
▼10月22日現在、報告されていた内容に虚偽あることが判明した事業 ※1ドル=114〜116クワチャ(2004年9月現在)
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事業名
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報告されていた内容
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調査結果
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2001年洪水支援
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トウモロコシの粉4000キログラムと豆1000キログラムを購入
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それぞれ半分程度しか購入されていない
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砂糖、ヨウ素添加塩を購入
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購入されていない
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経口補水塩1万5200クワチャ分購入
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2500クワチャ分しか購入されていない
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2002年緊急食糧支援
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2日間に渡り370世帯に食料を配布
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1日のみの実施。配布世帯数は200世帯以下
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5歳以下の栄養失調状態の子ども244名に栄養食を配布
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購入も配布もされていない
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2日間分の警備員、軽トラックレンタルなどに掛かる費用
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1日の実施にかかる費用のみの支出
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2004年緊急食糧支援
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145世帯に食料を配布
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60世帯程度に配布
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持続可能な食料安全保障プロジェクト
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プロジェクト開始にあたっての住民のニーズアセスメントの実施
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実施されていない
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養魚研修、ウサギ飼育研修、アグロフォレストリー研修、及び灌漑農業に関する専門家によるトレーニングの実施
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実施されていない
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キャッサバ購入のために車両をレンタル
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レンタルされていない
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足踏みポンプを6台購入
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4台を購入
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液状堆肥を作るためのドラム缶4つを購入
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2つを購入
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住民にウサギ100匹を配布
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80匹を配布
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養魚活動用の稚魚2600匹購入
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1210匹を購入
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定期的にモニタリングを実施
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一部の事業実施地については、半年程度行われていない
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野菜栽培プロジェクト(2004年)
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堆肥作りに使用する牛の糞4トン、タバコの灰4トン、キャベツの種44袋、アイリッシュ・ポテトの種2袋を購入
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購入されていない
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4ヵ村で実施
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3ヵ村で実施
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野菜栽培専門家によるトレーニング実施
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実施されていない
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農村部における学校を離れた人たちのためのHIV/エイズ認識向上キャンペーン(2003年〜2004年)
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YEH日本は1000ドルを支援
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YEHマラウィには約500ドルしか渡っていない
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YEHの事務所使用
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YEHチラルズクラブのリーダーの使用を認めず、YEHチラルズクラブのメンバーは事務所訪問を断念
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事務運営(2001年〜2004年)
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車両の使用
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私用で利用。私用の燃料代も経費として請求。請求金額も水増し。
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車両保険代、車両名義変更費用、セキュリティーアラーム装置取り付け費用
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水増し、またはカラ請求
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事務所賃貸料
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水増し請求。見積書は別の物件のものを利用。2004年9月末時点で15万8150クワチャの賃貸料が未払い。
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NGO登録にかかる経費
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NGO登録申請ができなかったため、一部を除いて使用していない
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郵便私書箱利用費、通信費、備品購入費
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水増し請求
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2003年に行った、組織運営並びに開発事業の評価活動を実施
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実施せず。架空の評価を報告
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3.今後の対応
3-1.今後の調査
現在、領収書、帳簿、フロッピーディスクなど880点余りの資料の調査を続けており、他にも不正がないかどうかの調査、聞き取り調査対象者の証言にみられる食い違いの洗い出しと検証、証拠不在分の流用金額の算定などを行っています。2004年11月30日までに、最終的な流用金額を発表します。
なお、元コーディネーターは、不正を行った事実を認めており、不正内容についてもおおむね認めています。
3-2.チャールズ・ガワニへの処分
HFWは、10月22日を持ってチャールズ・ガワニのコーディネーター職を解任しました。また、HFWは元コーディネーターに対し、不正流用金の弁済を求めます。
3-3.実施されなかった事業、不完全に実施された事業、また継続中の事業への対処
実施されなかった事業、不完全に実施された事業、また継続中の事業が存在します。支援対象地域では、支援継続のニーズもあります。 事業実施にあたる人材や資金について考慮し、事業継続・終了の是非や方法を検討し、決定します。
3-4.マラウィ準支部の今後の方向性
全容解明、事業への対処決定を受けて、マラウィ準支部の継続または閉鎖について決定します。
3-5.寄付者のみなさまへの対応
ホームページでの情報の公開、説明会の開催などを通じて、本件について寄付者のみなさまにご説明させていただきます。そして、お寄せいただいたご質問・ご意見に誠意を持って対応させていただきます。
3-6.責任表明
2004年9月13日の理事会において、理事長と事務局長より、本件の全容解明及び対応に責任を持ってあたる意思が表明されました。問題解決後に辞任する意思が表明されましたが、辞任については出席理事全員によって慰留されました。
4.明らかになっている問題点と適正化
なぜ、このような不正が起きたのか、また防げなかったのか。いくつかの問題点が浮かび上がりました。現地事務所の人員体制、会計システムおよび会計指導、採用基準、雇用契約と待遇、本部担当職員および本部の業務量、戦略と能力との整合性について問題があったとのではないか、分析を始めています。さらに全容解明にあたり見えてくる新たな問題点を追加し、分析を行います。
そして、今回のような件がどの活動国でも起こらないよう、これら問題点に対しては、すみやかに適正化施策を検討・立案し、実施します。適切に会計、監査などを実施している支部・準支部についても、さらに見直しと徹底を行い、再発の防止に努めます。
問題点の分析と適正化施策については、2004年11月16日までに公表します。
▼10月22日現在、適正化施策として実施の是非が検討されている項目
- 支援事業対象者に対する、事業内容の情報開示・告知による不正抑止について
- 支部・準支部における、職務権限規程の導入について
- 支部・準支部における、複数による会計業務担当体制について
- 支部・準支部における、理事会並びに監査機関の設置について
- 支部・準支部への日本人駐在及び長期派遣について
- 本部における、海外事業会計機能の強化について
- 支部・準支部における、会計規程の導入について
- 本部・支部・準支部における、内部会計・業務監査及び外部会計監査の徹底について
- YEH各国における、事業会計機能の強化について
- 人材採用基準の作成について
- 現在の準支部運営に関わる人材への当面の手当ての支払いについて
- 現在の準支部運営に関わる人材への評価および雇用契約の可否について
- 職員の増員について
- 各支部・準支部における、業務・会計規程・システムの調査について
- 本部における、外部有識者による監査機関の導入について
5.コンプライアンス(法令・倫理遵守)活動の推進
今回の問題を厳しい教訓に、コンプライアンス(法令・倫理遵守)活動を推進し、高い倫理意識の保持に取り組みます。そして、HFWに働く全ての者が、国際協力に携わる使命を深く自覚するとともに、自らを厳しく律し行動し、みなさまの信頼を回復するよう努めてまいります。倫理意識の向上のために、以下の実施を検討しています。
- 団体倫理規程の導入について
- 倫理研修及び教育の実施について
- 通報・相談制度の導入について
- 不祥事対応危機管理規程の導入について
以 上
注釈1.支部及び準支部の組織について
支部:本部と雇用契約を結んだ事務局長と、その事務局長が採用した職員が業務にあたっています。本部は職員の給与、事務運営費、事業に必要な予算を支給します。
準支部:支部昇格の試用期間・準備段階の組織です。本部は事務運営費並びに事業に必要な予算を支給します(年間100万円から200万円程度の規模)。会計能力・成果を評価し、支部に昇格の判断を行います。(詳細は本部規程「支部・準支部設立基準」)
注釈2.コーディネーターについて
準支部事務所の代表者で、開発事業や各種渉外活動及び現地事務所の管理を行う。本部との雇用関係は結ばず、無給非専従で活動に携わります。
[2004年11月12日追記] 事務所立ち上げ当初は無給非専従ですが、本格的に開発事業を開始する場合は、毎月の手当てを支払います。
注釈3.適正化施策の導入方法について
適正化施策の立案・実施は、本部からの強制的な働きかけで現地での活動を萎縮させないよう、また積極的に適正化を推進するようにするために、各国職員やコーディネーターの参加の元に実施します。
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