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 現場レポート1:バングラデシュ

インターン日記  [ 滞在期間:2003年2月6日〜2003年3月7日 ]
高校生からHFWの青少年組織ユース・エンディング・ハンガーで活動していた田島明日丘さん。
2003年2月6日〜2003年3月7日まで、インターンとしてバングラデシュに滞在して、調査活動に参加してきました。

2月7日:首都ダッカに到着
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空から見たバングラデシュ
こんにちは。田島明日丘です。昨夜こちらの時間で22:30頃、首都ダッカに着きました。フライトの時間が変更されたのか、到着時間が早まったようです。ミトン(注:アタウル・ラーマン・ミトンHFWバングラデシュ事務局長)とは無事に会え、宿泊所に着きました。
予定表を送りますが、詳細については、明日ミーティングを持つことになっていますので、多少の変更があるかもしれません。また変更になり次第連絡します。
すべて、組織されていて、とても滞在しやすいようにされており、何も今のところ心配はありません。取り急ぎ連絡させていただきました。
2月10日:帰省ラッシュでごった返すダッカ市内
ダッカの混雑
私はダッカを離れてボダ郡に向けて出発した。自然と共に人々が暮らす美しい村だと聞いているので、とても楽しみだ。
今日から2月16日まで、イスラム教徒の「コロバニイード」という休みに入る。この時期、バングラ国内中が大移動。帰省ラッシュである。コロバニイードは、主に牛や羊、山羊などをアッラーに対して、生け贄としてささげる祭りである。ダッカ市内は、牛の市場が開かれ、何百頭という牛が売り買いされていた。ダッカの通りは帰省するバスと人、そして多くの牛でごった返していた。
ボダは、バングラデシュの北西部ラジャヒ地区にある。5kmにもわたるジョナム川を越えねばならない。以前は、フェリーで行き来していたためにかなり不便だったそうだが、数年前に、日本政府の協力でジョムナ橋が開通したために便利になった(この橋の60%を日本が支援したそう)。ボダについたのは、午前3時を過ぎていた。
2月11日:村人が自分たちにできることを考え始めた
Abdul Bari president
学校が閉鎖されてしまった村の願い
ボダでの第一日目。朝は少し肌寒い。がんばって、水シャワーを浴びる。これも、最初だけがんばれば、すぐ慣れるものである。
Nayadighi村へ行く。先日、HFWがこの村の調査をした時に、この村人たちが、学校が閉鎖されてしまっていて困っていることが分かった。彼らは、自分たちで学校を再開させたいと切実に願っており、HFWに支援してほしいとの依頼が来た。今日、アンジュ(HFWバングラデシュ職員)が訪れ村人との第一日目のミーティングが開かれたのだった。
村人から、学校が閉鎖された背景について説明してもらう。この学校は、2年前まで他のNGOが運営していた。しかし、財政難のため急きょ閉ざされてしまった。当時、遠くからも250人の生徒がこの学校に通っていた。学校の土地は、村人の1人が提供したもので、その提供者は、学校を再開したいと切実に願っていると私たちに訴えた。以前のNGOは、財政的なバックアップをすべて行なっており、村人はすべて無償でサービスを受けていたらしい。2人の女性が立ち上がり、「私たちはここで教師をしていました。この学校がもう一度再開できるなら無給で働きます。自分たちの子どものためにも学校が必要なのです」。

財政的支援はできないと言うアンジュ
私は、彼らのパワーに圧倒された。この村には、電気も水道も通っていないのに、教育が必要であると考えているのだ。アンジュは、HFWがどのようなサポートをしてくれているのか? という村人の問いにこう答えた。
「私たちHFWは、財政的支援はできません。みなさんの地域の学校ですから、みなさんで協力して、この学校を再開させることです。HFWができる支援は、みなさんがどのように学校を運営していくのかを、精神面でサポートしていくことです。みなさんとコミュニケーションをとりながら進めていきます。みなさん、学校の図書や文具などはどうするつもりですか?

村人が自分たちにできることを考え始めた
村人は一瞬黙る。そういったものを用意する余裕は今の我々にはないんだ、という声が出始める。アンジュは「私たちは財政的支援はできません。そのようなものを自分たちでできないのであれば学校を再開させるのはムリですね。この会合も終わりにしましょう」。人々は静まりかえる。
すると1人の男性が立ち上がり「僕は、一人になったとしてもこのこの学校を再開させたい。自分の子どもに教育をうけさせたいのだ」。次々に手が上がる。1人の老人は「私は財政的サポートをします。貧しく、どうしても文具や図書購入がムリな人に対しては、私がサポートしましょう。みんなで学校を再開させましょう」。村人はそれぞれ自分にできることを発言した。この人たちの果てしないパワー。HFWは支援を決めた。

財政的支援だけが、私たちの活動ではない
NGOとしての支援の在り方とは何かを教えてくれた、非常に貴重な経験であった。財政的支援だけが、私たちの活動ではない。HFWが一番大切にしている人々の自立へに対する力づけを実際に肌で感じることができた。アンジュも、このような村人の反応は珍しいと非常に心を動かされた。村人は、このようなHFWの支援の仕方に興味さえ示し、活動について質問を受けた程の反応ぶりだったのだ。
NaladighiのAbdul Bari presidentの言葉が印象的だった。「みなさんが1歩を踏み出すなら、私はその次の2歩、3歩を前進させるために全力を尽くします。でも、初めの1歩は、みなさんが踏み出さなければいけません。そうしなければ何も始まりません。」
2月13日:村の女性にインタビュー
HFWの支援でできた女性の売店で買い物
自信を持つようになった女性
ボダ郡のウィメン・エンディング・ハンガー(WEH)のメンバー2人のインタビューを行った。2人とも共通して感じ取ることができたのは、彼女たちのモチベーションの高さと自信。WEHに参加する前の生活と比較して、収入を得られるようになっただけでなく、生きていく目的やモチベーション、子どもに対する教育についてなどの意識が非常に高くなったということを話してくれた。

HFWに参加していない女性の決意
さらに、この2人のインタビューを終えた後、1人のHFWに全く関わりのない女性の家を訪ねてインタビューを行ったため、その差が歴然としていた。Karnabalaという女性は、42歳で、20年前に夫を亡くしている。2人の娘と3人の息子を育てた。現在、家で一緒に暮らすのは7名。1日1度の食事で、ジャガイモと米のみ。トイレもなく、水を得る手段がなく困っていた。家の中に井戸を掘っているのだが、非常に汚かった。他の場所から水を運ぶと、村人とケンカになり裁判になったこともあるという。収入を得る手段がなく、とにかく食事をきちんとして、生活できる状態にしたいと話してくれた。インタビューの後、HFWの活動について説明し、彼女は、ボダ郡のHFWにコンタクトを取ることを約束した。

ボダ郡は、一見すると、非常にのどかでみどり豊かであり、貧困や飢餓を想像させるものがない。しかし、村人の生活の中に入っていくと、真剣に取り組むべき問題がたくさんあるように感じた。
2月15日:ユース・エンディング・ハンガー(YEH)の活動、大成功
YEHのミーティング風景
活動に誇りを持つYEHメンバー
YEHのメンバーのインタビューを行った。男の子1人と女の子1人。2人ともとてもエネルギッシュで自分の活動に非常に誇りを持っているようだった。自分の住む地元住民の力づけのために活動できていることがとても嬉しいと語ってくれた。
夕方からは、YEHのアンチタバコプログラムに参加し、スピーチを行なった。「スピーチ良かった」とガバメントオフィサーに褒められたのが嬉しかった。YEHのプログラムはとても素晴らしかった。地方の若者や子どもたちが集まって、歌やダンスを披露した。YEHのメンバーによる寸劇も行なわれた。この寸劇は非常によくできており、早婚、タバコの被害、栄養についてなどの様々なメッセージが織り込まれていた。
19:00過ぎには、200人程の人が集まった。プログラムは大成功に終わった。

HFWの知名度の高さに驚く
ボダ郡に滞在して数日、1つの変化に気づく。リキシャに乗る私を村人がじっと見つめている。彼らは、私がHFWであると認識してくれるようになったのだ。「Japan、HFW」という言葉が村人の口から聞かれる。よく観察すると、リキシャの運転手もHFWのTシャツを着ている! とても嬉しくなった。
HFW バングラデシュができてまだ2年。ここまでHFWが根付いてきていることは、とても素晴らしいことだと思う。

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