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 現場レポート4:バングラデシュ

インターン日記  [ 滞在期間:2005年8月9日〜2005年9月23日 ]
2004年10月よりバングラデシュ支部担当のインターンとして活躍してきた羽田良之さん。
2005年8月9日〜9月23日までバングラデシュに滞在し、現地のプロジェクト活動に参加しました!

8月11日:一ヵ月半の滞在が始まる!
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バングラデシュに到着して今日で早3日。担当インターンになって一年近くになりますが、バングラデシュには今回が初めての滞在です。9月23日までの約一ヵ月半、現地の様子や私の体験などをお伝えできればと思います。

リキシャに乗る羽田さん ダッカの名物、リキシャを初体験!
さて、バングラデシュ首都ダッカの市民の主要な交通の足は、自転車で荷車を引く「リキシャ」。 コンクリートで舗装された大通りから水たまりだらけの裏道まで、色鮮やかに装飾されたリキシャは颯爽と走ります。
バングラデシュは目下雨期。私が初めてリキシャに乗り込んだのもスコールの夜でした。ところがそこは雨期真っ只中のバングラデシュ、雨対策はバッチリ!
まず可動式の屋根がついていて、雨が降るとすかさず覆うことができます。また座席にはビニールシートがかぶせてあって、乗客は乗っている間、膝の上にそのシートを広げられる仕組みになっています。
10分の乗車で料金は10タカ(約20円)。2人も乗せて自転車を引っ張るのはただでさえ重労働ですが、降りしきる雨で運転手はびっしょり。悪天候の際の追加料金はないのか、と現地の職員にたずねたところ、2〜4タカを上乗せした「雨料金」を支払っているそうです。
リキシャの上から辺りを見回すと、道路は人と自動車とリキシャが走り乱れています。クラクションがけたたましく鳴り続けるなど、交通ルールはあってないようなものですが、ダッカ市内ではよく見られる光景です。

意外な関係、日本とバングラデシュ
ところで、この「リキシャ」。名前でピンときた方もいるかと思いますが、起源をたどると明治時代に日本で発明されたものなのです。国旗もそうですが(バングラデシュの国旗は日の丸の白地が緑になったもの。ただし赤丸は中央から少しずれている)、日本とは思わぬところでつながっているバングラデシュです。
8月13日:真夜中の結婚式に参加〜ヒンドゥー教
ヒンドゥー教の結婚式
音楽と暗闇の中で繰り広げられる、神秘的なヒンドゥー教の結婚式
バングラデシュでは金曜日が日本の日曜日にあたる休日です。
カレンダーでも、週末であるハズの右端に赤字で書かれているのは金曜日。慣れるには時間がかかりそうです。

バングラデシュに来て初めての祝日、私は現地スタッフの友だちのお兄さんの結婚式に招待されました。なんでも、ヒンドゥー教の結婚式とのこと。ぜひ見てみたい! ということでついていくことにしました。
ちなみに、2001年度の国勢調査によれば、人口の約90パーセントを占めるイスラム教に続き、2番目となる9.2パーセントはヒンドゥー教徒だそうです。
さて、ダッカからバスを乗り継いで約3時間。タンガイルという村に着いたのは、木曜日から金曜日に変わろうかとする夜更け。ヒンドゥー教の結婚式は真夜中からスタートするのです。
てっぺんに鳥の飾りがついた白い背高帽をかぶった花婿と、赤を基調とした特別なサリーを身にまとった花嫁。小気味良いテンポの音楽と暗闇の中での儀式が神秘的でした。
そしてなにより、式でふるまわれた料理が最高! 数種のカレーを右手だけを使ってほおばり、食後の「ドディ」と呼ばれるヨーグルトのようなデザートまで堪能しました。
この日の情景を、羽田さんが詩にしたためました!
花嫁の後を慕う 地味なサリーを巻きつける若い女性
一段上から花婿に小指をひっぱられる花嫁を見遣る 裸足の老女
オレンジの花を振りまく 天使のような女の子
そして
うつむいて歩く 花嫁

花嫁の隣で健気に勤めをこなすあなたの横顔に
男たちの視線が向くのは不思議なことではない
それはバナナの葉に残された儀式のあとの露
8月17日:小学校で給食のおにいさんしてきました!
ダッカからバスで約5時間のところにあるカリガンジ郡に行ってきました。ここは、HFWの活動地域のひとつです。

学校の給食タイム 元気いっぱいの子どもたちと学校給食
カリガンジではシュニケトン・パッシャラという学校を運営しています。生徒の数は保育園・幼稚園を含めて合計197名。遠くの村から通う子どももスクール・リキシャに乗って登校します。朝8時の朝礼から元気いっぱいの子どもたちですが、家でしっかり食べることができず、授業に集中できない子どももいます。
そこでハンガー・フリー・ワールドが提供しているのが学校給食です。メニューは「ケチュリ」という野菜たっぷりのバングラデシュの炊き込み御飯。
学校は8〜11時が低学年、11〜14時が高学年のクラスとして運営されていますが、給食は授業をはさんで食堂で配られます。両方のクラスの配膳を手伝わせてもらったのですが、高学年の子どもたちはよく食べる食べる!

小首をかしげて、「おかわりほしいです」
おもしろいのが、「おかわりいる?」と聞いた時の子どもたちの反応。 「アロ?(ベンガル語で「もう一杯」の意)」と尋ねると、こどもたちはこぞって首を傾げます。 「もうお腹一杯なのかな?」と思ってしまうかもしれませんが、実はこれ、「はい」など肯定を意味する仕草。日本では首を縦に振りますが、バングラデシュでは「ヘーン(バングラ語で「はい」の意)」と首を傾けるのです。
子どもたちがちっちゃな頭をちょこんと横にするのをがかわいくて、思わず多めに配膳。一緒に配膳を手伝った他のインターンにも「本当に子供が好きねぇ」と言われてしまいました。

ちょっと控えめだけど好奇心旺盛で礼儀正しい子どもたち。 「教育は国をつくる」、その言葉通り、綺麗な瞳をした子が大人になって、バングラデシュを支えていくことを願ってやみません。
8月19日:手間隙かかる有機農業、トレーニングに参加(1)
先週末は村人のトレーニングに合流するため、他のNGOのトレーニング施設に2泊3日お邪魔してきました。HFWの活動地域から参加している村人もいます。

養魚事業の様子 有機肥料の講習にて、魚の餌作りにチャレンジ!
バングラデシュは60年代以降、化学肥料を使った農業の深刻な被害を受けています。 その反省からこのNGOでは、完全有機の農業を実践し、そのトレーニングも斡旋しています。
一日目の実習は有機肥料作り。私は養魚事業用の魚の餌作りに参加しました。
4種類の異なる葉っぱ、牛の糞、鶏糞、籾殻、マスタードの油粕など様々なものを混ぜ合わせて 作るのですが、1週間毎に混ぜ合わせるなどの行程を経るため、完成するのは40日後とのこと。 有機農業は手間もかかり、化学肥料の過度の使用により痩せ細った土を「蘇らせる」には 数年間を要します。

豊かな自然を擁するバングラデシュなら実践可能
また、現在の貧困状況を目の前にして、目先の収穫量を増加させる傾向に 走ってしまいがちです。実際、化学肥料の導入時も、また現在、遺伝子組み替え作物の導入を目指す企業・団体も、「収穫量向上が貧困削減につながる」とのスローガンをその時々で掲げています。
しかし、生物の多様性が申し分なく、3期作(※1)をも可能とする肥沃なバングラデシュ。 蛍が乱れ飛ぶ、この豊かな自然を守ることの素晴らしさに村人が気づけば、 手間と時間のかかる有機農業の実践も不可能ではないでしょう!
※1:同じ耕地に1年に3回同じ作物(米など)を栽培し、収穫すること
8月20日:手間隙かかる有機農業、トレーニングに参加(2)
種の保存方法ワークショップ
生き生きとした姿のバングラデシュの女性たち
二日目は種まき用の種の保存方法のワークショップでした。
種を市場で買わなくても済み、また多種多様の種を後世に伝えるために重要な種の保存。
参加者は女性が大半を占めていましたが、盛んに発言する姿に正直驚いてしまいました。バングラデシュでは女性の地位は低く発言権はあまりないと聞かされていたからです。また、女性の多くは十分な教育を受けることが出来ず識字率が低いのが現状です。ワークショップも、実際のところ字の読み書きが要求されます。

今回のトレーニング訪問、村人の自信に満ちた瞳はとても頼もしく映りましたが、 全ての村民が実践するには教育の充実、女性の発言を促す環境を創出すること など解決しなければならない問題がいくつもあることに気づかされました。
8月25日:のんびりとダッカ市内を見学!
YEHメンバーと市内見学
父さんを誇りに思う、という学生の言葉に感動!
YEHのメンバーがダッカ市内を案内してくれました。最初に訪れたのは「独立戦争博物館」。
バングラデシュが1971年12月16日にパキスタンから独立を果たすまでの歴史を多くの迫真の写真を交えて展示しています。
圧倒的な兵力の差を前にして、村の女性までも身の回りの武器を手にして勝ち取った独立。悲惨な状況を物語る写真に胸を打たれましたが、なにより、案内をしてくれた学生が、「父さんは家族の反対を押し切って戦争に参加した。そのことを本当に誇りに思う」と語る姿に感動しました。その学生も初めての来館だったそうです。
ちなみに、1952年2月21日に起こった言語運動(パキスタンのウルドゥー語公用語化に反対した学生にパキスタン軍が発砲した事件)は、現在では国連の世界言語デーに制定されています。

恋人たちが憩う美しい庭
次に訪れたのはオールド・ダッカに位置する「ラルバーグフォート」。
ムガール王朝時代のビビ・パリ廟、モスク、現在は博物館となっている浴場などがその栄華を今に伝えています。
バングラデシュ人の入場料5タカのところ、私たち外国人はその20倍=100タカの入場料を払わなければならず、不平を口にしていました。しかし、門をくぐると、赤と白の花が整然と植えられ、多くのカップルが思い思いの時間を楽しむ、ちょっとダッカっぽくない光景。少し色褪せたピンクの壁が緑によく映え、のんびりした休日を過ごすことができました。

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