| 3月3日続き:知らずにヒ素入りの水を飲んでいた村 |
|

事業実施地区では、設置したトイレの横に「トイレをしたら手を洗う」という看板が絵と文字で表示されていた。トイレ設置やヒ素対策における村人への働きかけは、非常に大切だと職員から聞く。HFWでは、井戸やトイレなども村人の一部負担で設置しているため、村人の理解が必要なのだ。今までは井戸を利用していたし、トイレは使用してこなかったのになぜ?? という疑問が出てくる。村人が必要性を感じなければ、事業も成り立たない。よって、村人が納得するまでに長いプロセスを踏むのである。日本にいた時の私は、このような職員の苦労を知らなかった。
別の事業実施地区では、雨水を飲料水にするろ過装置があった。非常に大きなタンクで、6ヵ月分になる。すべて村人が訓練を受けて掃除やメンテナンスなどの管理をする。タンクが設置されている家には、政府設置のポンプ式井戸があったが、赤い印がついていた。ヒ素混入が確認された印で、地域の井戸の99%に付けられている。この家の女性は、数ヵ月前まで井戸の状態を知らなかったと言った。ヒ素って、あのカレー事件のヒ素と同じわけで、それが混入していることも知らず、毎日飲んでいたのだ。恐ろしい話である。この事業の緊急性を感じた。
ダッカに戻ると、長いドライブで疲れたため、ゲストハウスに帰り即、就寝。 |
| 3月4日:スコットランドからの来客 |

溜まっていた事務所の仕事を、今日は片付けなければならない。
昼にスコットランドの来客の対応をした。彼らはスコットランドでさまざまなNGOで活動しており、バングラデシュのNGOを視察する目的で来た。この交換制度をマネージしているスコットランドの団体に、バングラデシュのNGOを統括している組織がHFWを紹介したという。HFWのプロジェクトが非常にうまく行われているという評判から選ばれたそうだ。大学生もいて、短い時間だったが楽しく会話ができた。彼らは事務所で昼食を食べた後、カリガンジ郡に向かった。
私は夜まで事務所で仕事をした。 |
| 3月5日:スラムを訪れる |

スラムを訪れた。ダッカの中心部から少し離れた所に、レンガ工場が立ち並び、その横の河に沿ってスラムが続く。
車から出ると、ものすごい悪臭。硫黄と汚物とゴミ溜めの臭いがミックスしたようで凄まじい。川辺にせり出して竹で組んだ敷地の中に、小さい粗末な部屋が長屋のように連なっている。トイレもあるが、川にせり出した一角をビニールの布で覆い、下に穴が空いているだけ。川に汚物が落とされるわけである。住居の床下も川で一面のゴミ。
私の想像を絶する状況があった。スラムは治安が悪く、昼間でもなかなか入れないが、ミトンと二人だけということと、親切な住人に声をかけてもらえたので、一角を見せてもらった。長屋の入り口に立つと、臭いはさらにひどい。私はたちまちたくさんの子どもたちに囲まれた。ゴミ溜めの川の上で、女性たちは料理を作り、子どもたちが遊んでいる。地方から仕事を求めてきた20家族が生活を共にしているのだ。 |
| 3月5日続き:スラムを訪れる |

部屋は4畳ほどで、ベッドが1つだけ。そこに1家族が住んでいるという。ベッドには、一面のハエ。一歩進むごとに、大量のハエと蚊が襲ってくる。体中がかゆくなる感じ。そして無邪気な子どもがいる。みんなカメラの前で自分を写してくれと頼む。
この状況をどう理解すればいいのか混乱した。正直に言うと、私は臭いとハエと蚊で、10分と部屋に居られなかった。早く出たくて仕方なかった。アンジュがスラムについて話してくれた時、「スラムに住む女性や女の子は非常に危険な立場にあるの。生理が来たと分かれば、ほぼ100%の少女が性的虐待を身内や近隣の住人から受けることになる。あれだけ部屋が連なる所に何十家族も住む訳だから。そういう状況があることをみんな知っているけど、悲惨なことが繰り返されているのよ。人権も何もあったもんじゃない。本当にスラムは深刻な問題をたくさん抱えている」と言っていた。想像すると気持ちが悪くなり、吐き気に襲われた。
その後、地元の人が利用する20人乗りの小船に乗った。河はレンガ工場からの排水で真っ黒。口をハンカチで覆っても、ヘンな悪臭がする。1時間弱で頭がクラクラしてきた。船から降りて、スラムを見渡す。この状況って一体何? 生きるって何??? 私は、訳が分からなくなってしまった。ショックで、短時間では消化できそうにない。 |
| 3月6日:とうとう帰国… |

9:30事務所、10:00-13:30事務所にて仕事、15:00-18:00New Market とアローンで買い物、18:30-20:00荷造り、21:00-22:30HFW職員と最後の夕食、23:30空港に到着、1:35マレーシア航空バングラを離陸 マレーシアのクアラルンプールを経由して、7日の18:45(日本時間)に成田に到着
最後に、バングラ職員からみなさんへのメッセージをお伝えします。
「ぜひとも、バングラデシュを訪れてください。そして、現状を見て、肌で感じ取ってください。私たちは、日本のパートナーを多く必要としています。是非とも私たちの事業を見に来て下さい。」 |