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 現場レポート3:バングラデシュ

8つのNGOが学びあう「バングラデシュ道場」
農業・農村開発NGO協議会(JANARD)は、日本の農業・農村開発NGOが、協力して能力を向上しようというネットワークです。2000年に発足し、35団体が加盟。ワークショップや事業現場への視察などを通じて、互いの成功例や失敗例を学んでいます。 今回、JANARDが企画する研修旅行「バングラデシュ道場(2004年1月5日〜13日、外務省主催)」を、HFWバングラデシュ支部担当職員の米岡がコーディネイトしました。(2004.5.24)

【報告 開発事業部バングラデシュ支部担当 米岡文】
経験を積んだNGO職員が互いに学びあう機会に
 開発手法の研修や有機農園の見学、HFWの事業実施地域の視察などを8泊9日で行いました。参加者は、8団体11名。私以外は長年NGOで活躍されている方ばかりで、互いに経験や知識を積極的に貢献しあう研修となりました。
住民の自立心を高める手法を学ぶ
 インドのNGOである MYRADAから講師を招いてAI(Appreciative Inquiry)という手法のワークショップを行いました。AIは、1987年にアメリカで発表された組織運営手法で、企業や行政だけでなく、開発機関も利用しています。5日間のプログラムを2日間で行う駆け足修でしたが「問題を解決する際には、悪いことよりも、うまくいっていることを見つけて、さらに活用しよう。その過程で、悪いことの多くも解消する」というAIの概念が理解できました。ともすれば支援相手の意欲を無視し、自己満足に始終する危険もある支援活動。AIでは、何りも大切な住民のやる気を高められると、参加者からはすぐにでも取り組みたいという声が聞かれました。
有機農業の成果と課題を見た農場視察
UBINICの種銀行。容器には、それぞれの種の土質、日射量、乾燥などの適性が書き込まれている。見事な有機農場。ネギやニンニクが防虫の働きをする。農薬の弊害が問題になっているバングラデシュにおいて、精力的に有機農業を推進している日本のNGOオイスカとバングラデシュの民間調査研究団体UBINICを訪問しました。成功モデルに力づけられると同時に、課題も学びました。化学肥料から有機肥料に移行すると土質が変わるまでは生産量が落ちます。さらに、連作による収穫減少を避けたり、病害虫を寄せ付けない栽培技術が求められるなど、貧しい農家には取り組みにくいのが現状です。UBINICでは、収穫物の販売先を開拓するほか、生産が安定するまでの2〜3年は農薬購入の経費を生活費に充てて耐えるようアドバイスしています。さらに在来の米1300種以上、野菜3000種以上の種も保管しており、農民が土地に合う種を選べるようにしています。参加者からは、日本の農家や専門家もこのシステムを学ぶべきだと、感嘆の声が上がりました。
HFWの事業を多面的に評価
トイレ普及100%達成を祝う住民。研修参加者も、一緒にパレード。 カリガンジ郡では、HFWの事業を案内しました。同郡では村人とHFWが2003年7月に30%だったトイレの普及率を100%にする目標をつくり、2004年1月に達成。目標を持って取り組んだ結果だと胸を張る住民の姿は、住民参加の好例となったようです。ただ、首都から遠くさらに貧困が深刻な地域での取り組みを紹介できなかったことが残念です。 参加者からは、バナナの葉のような使われていない天然資源を肥料に活用することなど、すぐに取り組める提案もいただき、大変よい機会となりました。
HFWにアドバイス!

●特定非営利活動法人21世紀協会 理事長 池田晶子さん
初めて訪れるバングラデシュという国で、生き生きと農村で働く人々とその人々とともに手を携えて未来を開こうと懸命に活動するHFWを見た。さまざまなプロジェクトが村人の支持を受けて展開されていたが、総合的観点に立った農村経営の視点が欠如していたといわざるを得ない。原因は圧倒的な農業知識の不足だが、もう一つ、最貧層ではなく、成果を上げやすい「やや貧しい層」に援助をつぎ込む姿勢が今後の課題として残る。

●特定非営利活動法人地球の友と歩む会 事務局長 米山敏裕さん
参加者同士で提案やアドバイスをし合い、双方にとって学ぶことが多い研修だった。特にバングラデシュの豊かな自然を活かした資源の有効活用、現地にある研究機関のノウハウは活用できるものばかり。HFWが進めている事業は、どれも先駆的で評価できる(もっと女性グループの運営方法について学びたかったが)。しかし、日本本部とバングラデシュ支部の間で、飢餓根絶に向けたビジョンの共有とプロジェクト目標をさらに明確に行い、モニタリングや評価を定期的に実施していくシステム作りが課題のように思われる。


■ バングラデシュ現場レポート (レポート名/実施時期)

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