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 現場レポート:ベナン

担当職員の調査日誌  [ 滞在期間:2006年7月11日〜 ]
開発事業部ベナン準支部担当職員冨田沓子の、現地調査日誌をご紹介します。

Day19 :一路、ブルキナへ(その2) *最終回 バックナンバー: | 1 | 2 | 3

7色に光る夕焼けはまるでオーロラのよう
ブルキナファソへはHFWベナン事務局長ファトゥマトゥの実家がある北部・パラクに行き、そこで一泊。翌朝、一路ブルキナファソを目指します。ベナンからブルキナファソへは、比較的きちんと舗装されている道を通るのですが、国境付近は夜になると危険が伴います。そのため、日中に移動を行うことと、信頼できるドライバーが欠かせません。前回、陸路で国境越えをしたときと同じく、トーゴ人のヴィクトールさんにお願いしました。ヴィクトールさんは、トーゴやベナンの政治を研究している日本の友人が数年来のお付き合いをしている人です。

パラクまでファトゥマトゥが着いてきてくれ、彼女の実家に一泊させてもらった翌朝、出発です。また会えると分かっていても、やっぱりさびしいもの。お別れのときは、いつもつい涙が流れてしまいます。

今回は2人旅であることや、小林さんの渡航の目的に写真の撮影があることもあって、のんびりと国境越えの旅をすることになりました。小林さんから夕日を撮影したい!との希望があったため、国境手前の町に一泊することに。そういえば、最近ゆっくり空を見上げることがなかったな。到着し、一休みしてすぐに宿から足を伸ばし、舗装された道を少し外れたところで陽が落ちていくのを待ちました。刻一刻と変わっていく空を眺めていると、近辺の村の子ども達が集まってきては、興味深そうに小林さんのカメラを覗き込んでいました。「なんで空を撮ってるんだろう?」と不思議に思えたのかも。その日の夕焼けは最高でした。私が撮った写真なので、みんなに伝わるかな? でも、ご覧ください。薄い雲に反射し、オーロラのように透明で七色に光る空。日が暮れて、真っ暗になるまで、ずっと空を見上げていました。

今回で3回目のベナン訪問は、フィールド視察の時間もいつもよりも多く持ち、住民の日々の生活を把握することに努めました。また事務局でも、2007年度の支部設立に向けて、四半期報告の内容改善の指導や、新しい会計ソフトの導入などを行ないました。加えて、ベナン滞在中に急遽助成金の申請書を2つも書かなくてはいけなくなり、徹夜をした日も……。とっても内容の濃い、でもあっという間の現地訪問でした。次回の訪問時は3年目を迎える事業もある中、ベト村が、そこに住む人の生活がどのように変化しているか、HFWの事業成果に重点をみなさんに伝えられればと思います。

Day19 :一路、ブルキナへ(その1)

HFW会員の小林博子さん
長かったベナン滞在ももうすぐ終わり。陸路で次の訪問地であるブルキナファソに入ります。いつもは1人で移動するこの道のりですが、今回は楽しい旅の仲間が一緒です。それはHFW会員で、バングラデシュでは自身の奨学金制度を実施している小林博子さん。ベナンで合流し、一緒にブルキナファソまで旅をします。

小林さんは、かなり元気には自信のある私でも「元気ですね〜」とため息をついてしまうくらいパワフルな女性。69歳になられた今も、写真家として海外を飛び回り、日本では華道の先生として活躍されています。去年単独でベナンを訪問されたのが、小林さんにとってのアフリカ初上陸。その後、HFW活動国の一つウガンダを訪問し、今回が3度目のアフリカ渡航です。小林さんは、前回ベナンに渡航した際に、HFWの事業地を訪問しました。その時に、識字教室がヤシの葉などを利用した簡易なもので作られているため、雨などですぐに壊れてしまい授業ができなくなることがあることを知り、教室を建設する資金を寄付してくださいました。

今回は、教室のお披露目も兼ねて、再度ベト村のメナワ地区を訪れました。小林さんと再会した住民のみんなは大喜び。この教室ができてから、生徒数も増え、今では教室の生徒達が自ら出資して石鹸つくりの事業を始めようという動きもあることを聞くと、小林さんも喜んでいました。支援者の方に自身の目で活動を見てもらうのは、やっぱり大切だなと改めて感じました。また、遠い日本からわざわざ来てくれた人から直接、住民の人達に自助努力の素晴らしさを伝えることでみんなの目の色が変わり、やる気に満ち溢れていくのが感じられました。

Day17 :西アフリカの有機農業


ソンガイ・センターという有機農業の実験場を訪れました。HFWでは、バングラデシュで有機農業を推進する活動を行っています。また、ウガンダでも農業のプロジェクトを開始予定。そのため両国の担当者から、西アフリカではどんな有機農業をやっているのか是非見てきて欲しいといわれ、訪問してきました。

ソンガイ・センターは、ベナンの首都であるポルト・ノボに本部と広い実験場を持っています。私にとって、有機農場を訪問するのは初めてのこと。せっかくなので、お金を払って、センターの職員の方にガイドをお願いしました。

ここはナイジェリア人の神父さんが始めた施設ですが、今では西アフリカ全域から研修生がやってきます。私が訪れた日も、ナイジェリアの農業省のお役人さんや、ガーナのNGO関係者などが視察に来ていました。基本的には、6ヵ月間のスパンで研修生を受け入れているそうです。 ここでは有機農業の手法だけにとどまらず、農業関連の機械工や、食品加工、バイオガス、コンピューターなどを指導しています。伝統的な有機農業の復活ではなく、現代の食糧事情にあった有機農業と、その普及に関する技術を包括的に提供しているところが印象的でした。

中でも興味を引いたのが、マッシュルームの栽培です。HFWの事業地ではキャッサバ加工事業の一環として、今まで捨てていたキャッサバ芋のむき皮を床にして、マッシュルームを栽培する計画があります。それと全く同じアイディアで、食品加工の研修から出るキャッサバ芋のむき皮を使っていました。栽培が行われていたのは、簡単な木材でできた暗室のようなところ。コスト面や、栽培にあたっての注意点など、フィールド担当と一緒に山ほど質問をしました。その他にも、トイレからの汚物を、睡蓮や藻の生える下水を通すことによって肥料に変え再利用するシステムなど、興味深いものが多くありました。

終いにはガイドをしてくれた職員が、「僕の仕事は本当は決まった説明をすることで、質問に答えることじゃない……」とぶつぶつ言い出す始末。そんなに質問多かった?と聞くと、「今までのゲストの中で一番色々質問された」と真顔で答えられてしまいました。さらに、「研修生からもそんなに質問は出ないから、研修費を払うべきなくらい」とまで。研修でなければ得られない程の密度の濃い情報を、これからの事業に活かしていきたいと思います。

Day16 :ベト村に幼稚園がやってくる!?(その2)  

建設中の幼稚園
幼稚園の進捗状況を見るために、再度ベト村へ出かけました。前回、住民が手分けして教室の土盛りの作業をすることになっていたので、その進み具合を見に行きました。

すると、一つの教室の土盛りはすでに完了していました。ベト・フォンボ地区の若者達が責任者だった教室です。実は、このベト・フォンボ地区の若者達は以前からHFWの活動を色々な面で支えてくれていて、幼稚園の敷地の整地を積極的に行ったり、YEHベナンのメンバーと一緒にHIV/AIDS啓発のプログラムを実施したりしました。「自分達で農業のプロジェクトをやりたい」と、HFWベナンに相談しに来たこともありました。ゆくゆくは、YEHベナンの1グループとして、YEHベトができるのでは!とひそかに期待をしています。

もう一つの教室では、ベト村村長さんの息子達5〜6人が作業を進めていました。朝7時頃に建設現場にやってきて1時間程作業をして、畑に行って、夕方また戻ってくると張り切っています。明日までには終らせるんだと、意気込んでシャベルを動かしていました。

最後に残った教室は、ほとんど手が付けられていない状態。アゴンドタン地区の教室です。アゴンドタン地区の住民は、実はHFWと共同でキャッサバ加工を行なっている住民組織のメンバーでもあるので、農作業にキャッサバ加工とすでに大忙し。幼稚園建設のほうに手が回っていない状態でした。それでも、1人の若者がシャベルを持って作業していました。他の人達はどうしたの、と聞くと「みんなは畑仕事に言っている」との答え。20人ほどのメンバーがいるアゴンドタン住民組織は「住民組織が総出でやれば、一日で終るよ」と話し合いで決まり、2〜3日後に全員で作業をすることになっているそうです。それでも、この若者は「自分の手が今は空いていたので、少しでも進めようと思って」、この日現場に来たのだとか。一日でも早い幼稚園の開校を願う、彼の思いでしょう。

3地区3様で、作業は進んでいます。ただ、ここで一つ課題が見えてきました。それは、一つの幼稚園が完成した時に各地区がどのように協力して幼稚園の運営を支えていくかです。実はこの幼稚園の設置場所を決めるとき、どの地区に建てるかでもめたことがありました。それぞれの地区が自分の地区からアクセスの良い土地を選んでは、他の地区が自分のところからは遠いという議論が起こり、やり直し。結局場所を決めるのに数ヵ月かかったのです。

幼児教育の重要性が住民の中に浸透し、村全体が結束して活動していくようになるまでには、多少時間がかかりそうです。個人や隣の人だけが豊かになるのではなく、地域ぐるみで発展していくというビジョンを、再度行う必要があると感じました。

Day14 :ベナンでの活動を支えるパートナー(その2)

建設中の幼稚園
反対に、日本の若者をベナンへ派遣する活動も行なわれています。みなさんも聞いたことがあると思いますが、日本の政府が行なっている青年海外協力隊です。これは、2年ほどの間、日本の若者が専門性を持ったボランティアとして、途上国に派遣される仕組み。バレーボールのコーチや、環境保全、教員、村落開発といった様々な分野でたくさんの日本人が活躍しています。

ベナンに、青年海外協力隊の派遣が始まったのは、ほんの数年前のこと。今回は、その青年海外協力隊の調整員事務所を訪問してきました。 調整員事務所はコトヌの街中にあり大きな門構え。協力隊員が現地に到着して、自らの赴任先に行くまでの研修期間、この事務所内の寮で過ごすそうです。

涼しくクーラーの聞いた部屋に通され、ちょっと優越感。2名の調整員の方が、出迎えてくださいました。私のほうからHFWの活動内容を説明し、協力隊の現在の活動内容を調整員の方からお話しいただきました。HFWの活動も今度ぜひ観に来て欲しいと言うことを伝えました。ベナンでの協力隊員は2003年から始まり、徐々に派遣数も増えてきているとのこと。村落開発や保健の分野で活躍しているそうです。

そういえば数日前に、HFWベナン事務所近くのカラビという町のインターネットカフェでメールをしていたとき、ノートPCを持ったアジア人がいたことを思い出しました。急いでいたので話しかけはしなかったのですが、もしかしたら日本人だったのかも・・・。聞いてみると、カラビに住んでいる隊員が1人いるとのこと。カラビ自体はそんなに大きな町ではないので、またいつかばったり出会えるといいのですが。こうして、1人でも現地を訪問したことがある日本人が増え、メッセンジャーになって、ベナンでの生活を伝えて欲しいなと思います。またHFWでのスタディーツアーなどを通してその機会を提供できればいいなと思います。

Day14 :ベナンでの活動を支えるパートナー(その1)  

建設中の幼稚園
NGOが効果的に活動していくためには、他の団体とうまくパートナーシップを組む必要があります。例えば、日本国内であれば、HFWはJANICという国際協力NGOのネットワークや、農業関連のNGOネットワークJANARD、「ほっとけない 世界のまずしさ」キャンペーンなどに所属し、一緒に活動をしています。目的は様々ですが、専門的な知識や情報を交換する場となります。また、広く活動のメッセージを伝えるために、NGOだけではなく企業など様々な分野の人々と連帯をとって活動することもあります。 HFWベナンの活動を盛り上げるためには、日本国内はもちろん、現地でのパートナーも重要になってきます。

私の滞在中に、このようなパートナー団体をいくつか訪問しました。 日本のNGOの中で、数少ないベナンで活動する団体に『IFE』があります。みなさんもTVなどで知っているかもしれないベナン出身のタレント・ゾマホンさんが代表を務めている団体です。なんと、偶然にもゾマホンさんとHFWベナン事務局長のファトゥマトゥさんは、実はいとこ同士。アフリカで「いとこ」というと血の繋がっていないお世話になっている人や、ものすごく遠い親戚だったりしますが、本当に血の繋がったいとこ同士なのです。

IFEは、ベナンの各地に小学校を建設しています。HFWでは、他団体の経験から学ぶ機会として、IFEが学校を建設した村の訪問を行いました。 学校建設と同時に、IFEではベナンの若者達に日本語を教えるための「ジャパン・ハウス」という日本語学校を運営しています。今回初めて学校を訪問してきました。

HFWのユース組織、ユース・エンディング・ハンガー(YEH)の現地メンバーでもこの日本語学校に通っている人がいます。彼は、YEHの活動を通して、来日したことが一度あり、日本語に興味を持ち、勉強し始めてから3年目になります。今は、中級講座を受講しているそうで、前回、フランス語のできない本部スタッフが現地を訪問したときは、1日通訳代わりで活躍してくれました。HFWベナンの事務局長も、授業を受けることを希望しているのですが、200人以上の生徒が待っているため、なかなか受講に至るまでが難しいそうです。

こんなにたくさんの若者がそれにしても、ベナンの若者の日本語への興味の高さには驚かされます。彼らが日本を知り、よりいっそう国と国の交友関係が深まることを願います。

Day13 :ベト村に幼稚園がやってくる?! (その1)

建設中の幼稚園
ベト村では、今年度の一番大きな事業である幼稚園の建設に取り組んでいます。ところが、4月上旬に建設に着手したものの、雨季などの影響もあり、なかなか思うように工事が進まずにいます。10月の開校予定に向けて、逆算すると工事日程はギリギリ。村の人達が集まって、対策を話し合うことになりました。

工事に関わっているのは現場監督と作業師3人の全部で4人しかいません。整地、砂起こしやセメントに混ぜる水汲みなどは、全て住民が労働力を提供し行なってきました。これからの工事の進み具合も、住民の肩にかかっています。

私がベナンに到着した頃は、壁が建ったばかりでした。あと1〜2ヵ月の間に、屋根を張り、教室内に土を盛り、固めてコンクリートを流す。さらに外壁を整える必要もあるなど、残っている作業は山積みです。しかも、私が訪問していた時期は、ちょうど雨期の真っ只中。農作業が一番忙しい時期です。まだ暗いうちから、畑を耕しに出る人達も少なくない中で、労働力を確保するのは困難を極めました。

結果、屋根の骨組みなど専門的な作業は作業師に任せて、3つある教室の土盛りを1教室ずつ各グループに分担することになりました。結果、名乗り出たのは3グループ。幼稚園が建てられている地区であるアゴンドタン地区の若者、村の中心地ベト・フォンボベト地区の若者、ベト村村長さんの子ども達の3つのグループです。他の地区には負けられない! というちょっとした対抗意識を燃やすこのやり方。吉と出るといいのですが。

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