東京都が行った都民生活に関する世論調査によると、「市民活動団体に寄付をするとしたら、どのようなことが必要だと思うか」という質問の回答の上位2位は、「寄付したお金が何に使われるかわかること」「寄付先が信頼できる団体だということが確認できること」。第3位の「寄付する金額が少額でもよいこと」を大きく引き離しています。
第1位の「寄付したお金が何に使われるかわかること」に対しては、NGOは支援活動の案内を提供することで応えることができます。では、第2位の「信頼できる組織だということが確認できる」とは、どのようなことなのでしょうか。

ほとんどのNGOは、設立メンバーや身近な人々からの寄付で活動が始まります。個人的なつながりがあって、「あの人なら大丈夫」という“安心”した状況下での寄付です。しかし、活動規模が大きくなると、“安心”が通じる関係だけではなく、インターネットやイベントなどで広く寄付を呼びかけるようになります。また、関係者以外の人からも、寄付をしたいという問合せが増えてきます。
このような状況では、支援事業の予定変更、中断、失敗をはじめ、寄付を予定通り使うことができないケースも発生する可能性も告知し、その上でこのような危険を起こさない意志があり、そのためにどのような対策しているのかという情報が、寄付者に提供される必要があります。
寄付者は、それらの情報を検討して、団体を“信頼”できるか否かを判断するわけです。その情報には、調査結果第1位の「寄付したお金が何に使われるかわかること」を筆頭に、支援活動の成果、財政の安定性、意思決定の公正さ、リスクマネージメント(危機管理)の機能、これまでの事故や失敗とその後の対応、どのような職員が働いているか、外部からの客観的な評価など、さまざまな情報があります。
これだけの情報を公開するのは、人材不足に悩むNGOが多い中、とても大変なことです。しかし、信頼を得てこそ寄付も集めることができると考えれば、業務の優先順位を高める必要があります。

市民のみなさんは、団体が発信する情報を受け取り、寄付をするか判断するだけではなく、信頼できる団体を育てることもできます。信頼できるか判断するために必要な情報を求めること、活動に対し質問や提案をすることなどで、その団体は成長します。注目されていると意識すれば、活動を分かりやすく整理し、無駄がない効率的な運営をしようとより努力をするからです。そして、信頼を得られる団体になれば、寄付も集まり、財政的に安定もすることができます。
“お金”を軸に考えると、寄付をする市民と受け取るNGOは、立場が違うように思います。しかし、双方とも「世界をよりよくしたい」という想いで行動しているのです。その想いをしっかりと“お金”と“情報”に込めて信頼関係を築き、共によりよい国際協力活動を育てることができるのではないでしょうか。
市民活動団体に寄付をするとしたら、 どのようなことが必要だと思うか(2132名対象、3つまで選択) |
1)寄付したお金が何に使われるかわかること 66.5%
2)寄付先が信頼できる団体だということが確認できること 59.5%
3)寄付する金額が少額でもよいこと 30.7%
4)寄付先の団体を選ぶため、市民活動団体に関する情報が入手できること 20.8%
5)寄付が税制上優遇されること 10.7%
6)団体から積極的な呼びかけがあること 7.5%
7)行政が関与する形で寄付できること 6.1%
8)電話やインターネットなどによって手軽に寄付できること 5.5%
9)その他 0.3%
10)特にない 8.0%
11)分からない 10.9%
(東京都ホームページ『都民生活に関する世論調査2002』)
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