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  - “黒人初の共和国”ハイチ

特集 "黒人初の共和国"ハイチ

INDEX
トークセッション1 〜奴隷制度から独立戦争を経て
トークセッション2 〜クーデターに見舞われた独立後の200年
スラム街の友人たち 佐藤文則氏 講演
HFWハイチの活動紹介 セインティル・ラゲール氏 講演

























講演会の様子1
講演会は101名の参加。
会場は満席に。





講演会の様子2
暑いハイチに贈り物。
日本からの思いを込めて
うちわを製作。

ハイチ支部事務局にて
ハイチ支部事務局にて。
届いたうちわは、保健センターの
待合室で使用してもらいます。



講演会の当日レポート >>
トークセッション 佐藤文則氏×セインティル・ラゲール
〜クーデターに見舞われた独立後の200年


暴力を治めるにはアリスティドが出て行くしかないと思った

西海:佐藤さんは貧困の一因として、政府が長期的なプランを立てられないとおっしゃっていましたが、独立してから200年間にクーデターが33回も起こったというのは、ハイチ特有の問題ですね。では、現在の情勢を教えてください。

セインティル:いまだに政治的な暴力が続いており、アリスティド(前大統領、2004年2月に出国)辞任後、国連軍によって治安維持が行われている状況が続いています。私はすべての立場の人たちが、どのように正しい解決策を見つけたらいいか話し合うことが、いまは必要だと思っています。

佐藤:正直、アリスティドがいなくなった時はほっとしました。首都のひどい騒動を沈静化するには、アリスティドが辞めるしかないと思ったのです。

アリスティド出国から1週間後、反政府側(反アリスティド派)が主催した勝利のデモ行進が行われました。富裕層が多く住む高台の町ペティオンヴィルにから中産階級が住む地域を抜けて、アリスティド支持者の多いスラム地区を避け、大統領府へと行進が行われました。アリスティド政権時には、シテ・ソレイユやラ・サリーヌなどの低地の貧しい地域から、大統領府へとデモ行進は行われていました。ハイチの階級社会の構造が象徴されているように思いました。アリスティド政権は多くの問題を抱えていましたが、貧しい人々が、ある程度は政治に参加できる政権だったのではないかと。それが以前の軍事政権時代に戻ってしまったような、高台の富裕層が復讐を果たしたような複雑な気持ちに襲われました。

その後思い浮かんできたのは、アリスティド派、反アリスティド派にこだわらず、国民が融合していかないと絶対にうまくいかないな、ということ。対峙する両者が集まることがハイチでは一番難しいことです。それでも妥協せず、よく話し合って良い方向へと国を導くことができれば、と思います。

ハイチ人が国家や国民という概念を発達させることが必要

西海:では、ハイチの未来について。ハイチが貧困から脱出するために必要なことは何でしょうか?

セインティル:国家や国民という概念をハイチの人々が発達させる必要があります。ハイチでは人々が同じ権利や利益を得ることができません。国というのはすべての人が教育、保健医療、雇用といったサービスを得られるところであるべきです。

佐藤:安定した腐敗の少ない政権を作ること。特に裁判所や警察の汚職がひどいので、改善してもらいたい。(汚職は)他の国が援助を控えている一因でもあります。

そして重要なのは治安の改善です。国連にも責任があります。(平和維持軍を)7000人を送る約束が、現在4000人です。国連が呼びかけても加盟国が応じなければ派遣はできません。その根底にハイチに対する無関心という悲しい現実があります。 1994年に米軍を中心とした国連軍が介入し、その後6年間も滞在しました。結局、多額のお金を注ぎ込んでも何もできなかった。これは国連の恥、世界にとっての恥だと思います。今回こそは復興に力を入れて欲しいと思います。

また早急に必要なのは、地方を救済する政策。ハイチは農業国です。このままではさらに多くの人びとが仕事を求めてポルトー・プランスに移動します。スラム街は広がるばかりです。都市部への人口集中を避けるために、農業の再生に力を入れて欲しいと思います。

日本でハイチに関心を持つ人を広げていくという支援

西海:日本にいる私たちにできることは何でしょうか?

セインティル:支援として何をしてもらうかはハイチでも国民が話し合う必要がある問題ですね。日本の人々ができる支援としては、ハイチがよい体制を作れるようにすること。特に教育体制の改善、それから経済の改善が必要です。

例えば、もっと多くの小学校を、特に農村部に建設すること。また失業がとても大きな問題になっているので、こうした人々が自立していくようにすることも必要だと思います。

佐藤:今日のような機会を通して、ハイチに関心を持つ人を広げていくのが、ひとつだと思います。ハイチのような日本から遠い開発途上国がメディアに取りあげられる機会は稀です。例えば、ハイチに限らず、あまり取りあげられることがない国々の興味深い記事や特集番組が放送されたときは、「またやってくれ」とメディアに働きかけて下さい。

あと、「サッカーのハイチ代表チームをワールドカップに行かせよう」、と(笑)。これは半分冗談ですけど、サッカー好きのハイチでは、素晴らしいキャンペーンになるのではないかと。ハイチ国民にとって一番必要なのは、ユニティ(団結)ではないかと思います。独立200周年のプライドもなくしている方もいるので、その気持ちを盛り上げるためにも良い方法ではないかと思います。

西海:イラクが多く報道されているようですが、ハイチでもさまざまな問題や内戦のような状況が起こっています。みなさんにも、知るということ、興味を持つということを続けていただきたいと思います。今日の講演会で得た知識を周りの方にもぜひ広めてください。



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