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市川直子さん
1960年東京生まれ。千葉県浦安市在住。大学ではスペイン語を専攻。卒業後は都市銀行に就職、貿易や政府開発援助の取次業務などを経験。2000年秋に退職し、現在は企業での経験や語学力を活かしてカトリック系NGOに非常勤職員として勤務。海外から寄せられる援助申請書の受付・審査会議の準備・各種連絡・送金などの事務を担当
「翻訳」という言葉のかけ橋から見える、それぞれの文化、さまざまな人々
市川直子さん

原文に忠実に、なおかつ縛られずに…それが翻訳のやりがいであり、一生の課題
6年前、当時勤務していた銀行の社内ネット掲示板でHFWのボランティア募集を知り、スペイン語翻訳者として登録。
現在は主にウガンダ関係の英語翻訳を担当されています。

― 翻訳にはどんな醍醐味が?
「醍醐味は、新しい知識や考え方を学べるということです。トリビアではないですが、へぇ〜と思う瞬間が一つの楽しみです。例えば、“VIP latrine” (=Ventilated Improved Pit Latrine)という言葉があります。これは開発途上国でよく作られる簡易トイレのことで、煙突型の通気口を作り、ハエや匂いをトイレのほうでなく通気口のほうへ誘導する仕組み。構造に工夫を凝らし、環境にあった、より衛生的で快適なトイレを考え出しているのです。こういうことが人間の知恵、ちょっと大げさに言えば精神の豊かさなのではないかなと思いました」

― それでは苦労するのは?
原文の意味に忠実に、しかし原文の表現に縛られずに、いかにわかりやすい日本語らしい文章にするか、ということです。本当に難しいものだと感じますが、これはやりがいでもあり一生の課題になりそうです」

― これまでHFWの翻訳をして、最も印象深かったことはどんなことですか?
「2002年末にウガンダの人々の『今年がどんな年だったか』『来年をどんな年にしたいか』というメッセージを訳しました。『学費がなくて大変だった。でも、来年は一生懸命勉強し、将来医者になって、母のような病気で亡くなった人たちを治してあげたい』という内容があって、貧しい暮らしの中で人々が持っているいろいろな思いを、私も一緒に味わうことができました」


当たり前だと思っていることが、どれほど当たり前でないかを知ることが大きな糧に

― 国際協力への関心はいつから持つようになったのですか?
「不思議なことに昔から何となく開発途上国と関わってきました。大学生のときに、栃木県のアジア学院を訪問し、農業研修に来ているアジア・アフリカの人たちと過ごしたことが、きっかけだったかもしれません。私は『国際協力』や『援助』には正直あまり強い思い入れはなく、むしろ単純に、さまざまな人々と関わりながらいろいろなことを受け入れ、学べればよいと思っています。その中で、たとえば『自分が当たり前だと思っていることが、どれほど当たり前でないか』がわかるようになったことは、今の私の大きな糧になっています」

― 現在は、NGOで非常勤職員として勤務するかたわら、開発途上国に関連する本の翻訳プロジェクトにも参加。将来はどのような翻訳家を目指していますか?
「とても遠い道のりですけれど、原文の真意をそのまま、わかりやすく美しい日本語にできる翻訳家になりたいと思っています」



これからも翻訳でHFWを支えていただくとともに、さらなるご活躍を応援しています! (記者ボランティア 杉山悦子)

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