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■ 星野和政さん
食材を捨てる瞬間にも、飢えてる人がいる“食”を通じて、世界とつながっていたい ご飯粒を「なぜ捨てるのですか」 飲食業界で日本の“食”に携わってきた星野さんが、世界の食糧問題について取り組み始めたのは、1995年。ある在日ネパール人の一言がきっかけだったそうです。 当時星野さんが店長を務めていたレストランのオーナーから、在日外国人が母国料理を披露する定期交流会を、NGOが企画しているので、協力して欲しいと話がありました。困っている人の役に立つのなら、という思いで、店舗をあげて協力することに。「ボランティアのみなさんのお手伝いだから、気楽な気持ちで協力しました」(星野さん)。 あるイベントの日。調理を手伝っていた店のスタッフが、冷凍ご飯を包んでいたラップをゴミ箱へ捨てました。それを見ていたネパール人の方が、こう質問したそうです。「隅にご飯粒がついているのに、なぜ捨てるのですか」。飲食店では、食材は捨てないのが基本ですが、手間を省いて人件費を抑えるために、多少の無駄には目をつぶることがよくあります。「でも、どう説明しようが、食べ物を捨てる理由にはならないんです。心に包丁を刺された気分でした」。 この時から、星野さんは、日本では多くの食べ物が捨てられている一方で、食べられない人がいることを、多くの人に伝えなければという責任感を持ったといいます。 食材の大切さを忘れて、飲食店は生き残れるか
大量購入の契約で安く米を仕入れている、ある大手外食チェーンは、必要がなくても課せられたノルマ分の米を炊くそうです。コストを下げるために、食材を捨てるのです。「利益を上げればいいという姿勢には疑問を感じます。食べ物が大切にされない社会で、飲食店は生き残れるのかと。“いただきます”“ごちそうさまでした”と、作り手に感謝し、“食”を大切にする文化を育まなければと思います」。飲食業の未来と同じように、地球の未来も持続可能かどうか考える必要があります。日本には世界中から食材が集まってきますが、その裏には安い賃金で働く人、固有の食材や収穫法が失われていく地域、農薬で破壊される自然もあります。「仕方なく食べ物を残すとしても、飢えている人がいることや世界で何が起きているかを知って残すことが大切です」。 食材や地球環境にこだわり有機栽培の野菜を使いたくても、仕入れが不安定なために、100%の使用は経営的に難しいそうです。それでも、世界の問題を視野に入れながら、現実的に飲食店を運営している星野さん。星野さんは、チャリティカレーパーティへの長年の協力をはじめ、店長を務める店舗での、ポスター掲示や募金箱の設置などで、HFWを支援。ほかにも、「心と体に優しい日」と題して、有機栽培の食材をふんだんに使った料理と音楽を楽しむイベントを実施中です。 「悩みはありますが、間違った方向ではないという確信があります」。
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