集計結果とお金の使い道 : 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド HUNGER FREE WORLD     

集計結果とお金の使い道

2017年12月から2018年5月末までに行った第17回書損じハガキ回収キャンペーンには、個人10万6198名(企業・団体141組)のみなさまにご協力いただき、換金額が1億8400万4178円となりました。この資金で行われる各地の活動をピックアップしてご紹介します。

当キャンペーンにより支援する活動のご紹介

~地域開発、アドボカシー、啓発活動、青少年育成など~約1億2880万円


Pick Up! 飢餓のない“地域をつくる”

バングラデシュ

■基礎調査実施/持続可能な農業推進
基礎調査で活動地の状況が明らかに。事業に反映して生かす
住民の生活状況を正確に把握して事業に反映させるため、前回の調査から10年ぶりとなる基礎調査を実施しました。その結果、主食のコメを1日3食とれていない世帯がカリガンジ郡で半数以上ある、1日に摂取する野菜が平均で2種類以下など、まだまだ厳しい状況が明らかになりました。これらの結果をふまえ、HFWは食料摂取と栄養状態を改善する事業を開始しました。また、調査結果を公開。その内容が全国紙で紹介され、飢餓が解消されたとする政府の見解と異なることから大きな反響を呼び、行政や関係機関より、協力して課題解決に取り組みたいとの意思表示がありました。
また、活動地は住民の大半が小規模農家で、農薬や化学肥料のコストが家計を圧迫し、環境や健康への悪影響が懸念されていました。そこで、専門家を招き、有機たい肥づくりや植物由来の防虫剤づくりなど、コストがかからず環境にもやさしい持続可能な農業を住民に広めています。ハンガー・フリー・ワールドの研修を受けた住民が、さらに地元の他の農家にも教えるなど、取り組みが広まっています。

バングラデシュ事業一覧

丁寧に聞き取り調査をするYEHメンバー

政府の貧困世帯リストをもとに、食事内容や収入、健康など、丁寧な聞き取り調査を実施

持続可能な農業を教える

低コストで環境にやさしい農業を指導


ベナン

■子どもの栄養改善/青少年・成人対象の識字教育 
母親への教育を充実させ、子どもの栄養不良を改善
ベナンでも基礎調査を実施したところ、3歳未満児の3人に1人が栄養不良であることが判明しました。栄養改善事業では、対象の子どもたちに定期的に栄養たっぷりのおかゆを提供するとともに、母親に栄養バランスのよいメニューと消化吸収のよい調理法を教えています。2017年度は乳幼児83名のうち57名が回復しました。
母親の識字率と子どもの死亡率には明らかな相関関係があることがわかっています(世界銀行データ)。ベナンでは成人の識字率が約3割と特に低いため、青少年・成人対象の識字教育を行なっています。2017年度は読み書き・計算と同時に、栄養や健康、衛生についての知識が得られるようプログラムを刷新しました。生活に必要な知識とスキルが身についたことで、お金が管理できるようになり、衛生にも気をつけるようになったとの報告が届いています。今後収入が増え、栄養改善にもつながることが期待できます。

ベナン事業一覧

ベナン栄養改善

3歳未満児の発育状態を計測し栄養状態を確認。発育に応じた栄養改善食を提供している

識字教室の修了証を手にする合格生

修了証を手にする住民たち。179名が受講し、110名が修了した


ブルキナファソ

■乳幼児と妊産婦対象の栄養改善事業/学校給食   
栄養あるおかゆと給食が、子どもたちの心と体を育む
ブルキナファソの基礎調査では、4世帯のうち1世帯は1日に 1回以下の食事しかとれない日があることが判明しました。また、子どもの栄養についての理解が不十分であることもわかりました。母子保健センターでは、栄養不良児を対象に、週に3回栄養がゆを提供しています。母親には家でも実践できるように栄養バランスのよいメニューや消化吸収のよい作り方を指導。2005年の事業開始から2018年3月末までに、1,529名の子どもたちが栄養不良から回復しました。
また、特に貧しい地域の小学校で、学校給食の提供を支援しています。2017年度は540名の生徒に提供することができました。給食が始まる前は、お昼の時間に食事をとらずにお腹をすかせて午後の授業を受けることもしょっちゅうでした。栄養のある給食を提供するようになって、午後の勉強にも集中できるようになりました。
いずれの事業も、将来的に行政と住民たちで運営できるよう、自立運営に向けた体制づくりも進めています。

ブルキナファソ事業一覧

母子保健センターでの栄養改善

母子保健センターで、栄養のあるおかゆを提供。母親に栄養知識と料理法についても教えている

学校給食

栄養のある食材を使って作られた給食を配膳。お腹が満ちて子どもたちは授業に集中できるように


ウガンダ

■協同組合支援/若者のモデル農園運営
農業を通じて食料摂取と栄養状態の改善をめざす
ウガンダの活動地では住民たちが助け合って地域を発展させ、生活を改善できるよう、2013年度に協同組合を結成し活動を支援しています。2017年度はこの協同組合を通じて、3年間で1200世帯の食料摂取と栄養の改善をめざす大規模な事業を開始しました。製粉所建設、農機具の導入などのハード面での支援のほかに、協同組合の運営能力強化やぜい弱層に対するスキル研修などソフト面でもサポートしていきます。これらの事業で、将来的に住民たちの主要な食料であるトウモロコシと豆類の生産量を増やし、収入を向上させ、世帯の食料摂取を改善していくことが期待できます。
また、ウガンダでは若者の人口比率が高いものの、農業で生計を立てていくことが難しいことから、農業離れが進み、若者の失業率の高さにつながっています。そこで、若者たちが農業で十分に収益を上げていけるよう、モデル農園を設立。専門家を招き、最新の農業知識や技術を、実践を通じて学べるよう支援しました。若者自身の生活が改善できるほか、ここで学んだ若者たちが、それぞれの出身の地域の住民にも伝え、波及させていくことも期待できます。

ウガンダ事業一覧

協同組合

協同組合に苗を提供。食料が得られ、販売することで収入も増える

研修の様子

専門家による研修を受ける。モデル農園で実際に作物を植え、収穫し、販売までつなげていく


Pick Up! 飢餓を生み出す“しくみを変える”

政府や国際機関に対し、飢餓の終わりに効果的な政策などを提言し、飢餓を生み出す社会構造を変えていくことをめざしています。
他団体とも協力して、政府や国際機関に対し、飢餓の終わりに効果的な行動を提言し、飢餓を生み出す社会構造を変えていくことをめざしています。
ブルキナファソ
憲法改正のタイミングに合わせ、「食料への権利」を憲法に盛り込んでもらおうと、憲法委員などに働きかけるなど、さまざまな活動をしてきました。その一環として、世界食料デーに、首都の交通量の多い交差点で、「食料への権利」の憲法記載を呼びかけるチラシを1500枚配布。ラジオにも出演し、「食料への権利」が憲法に記載される重要性を主張しました。それらの働きかけの結果、憲法草案には記載されています。年内には国民投票で承認されることが期待できます。
日本
加盟するネットワークを通じて、政府に提言を行いました。世話人を務める市民社会ネットワークfor TICAD(Afri-Can)では、来年横浜で開催される第7回アフリカ開発会議(TICAD)で、アフリカの発展につながる決定がなされるよう、活動地の状況に基づく提言を行っています。また、持続可能な開発目標(SDGs)の実現のために、SDGs市民社会ネットワークを通じ、開発途上国支援で日本が貢献できるよう提言を行っています。

各国のアドボカシー活動を見る

“「食料への権利」を憲法に”と書かれたチラシを配布

青少年組織ユース・エンディング・ハンガーのメンバーを中心に信号待ちの人々にチラシを配布

TICADとSDGsの最新動向を報告

HFWが加盟するネットワークで、TICAD、SDGsの最新動向を報告するイベントを開催。一般の人々の関心を高めた


Pick Up! 「飢餓なくす人」が増えるよう“気づきをつくる”

海外の活動国では、誰もが「食料への権利」を持っていることを伝え、実現のために行動することを訴えています。日本でも、飢餓や世界の食料問題について伝える人を増やし、解決のために行動するよう働きかけています。
ベナン
住民から選ばれた事業の推進役が、住民たちを集め「食料への権利」とは何か、その実現を阻んでいるのは何か、実現のためにどんなことをすればいいのかを伝えました。音楽や紙芝居、寸劇、テレビ、ラジオなどをさまざまな手段で、わかりやすく解説。参加した人が、さらに別の人に伝えるなど、波及効果が生まれています。
日本
学校で講演やワークショップを行うとともに、イベント開催や出展、事務所訪問受け入れなどの機会に、世界の飢餓の現状と解決のための取り組みについて伝え、行動することを呼びかけています。HFWが事務局を務める「世界食料デー」月間の取り組みは10周年を迎えました。企業や行政の協力を得て、10月の「世界食料デー」月間に、さまざまなイベントや情報発信を行っています。これらイベント等の参加者のなかには、自らほかの人に伝えるなど、行動を起こしてくれた人が現れています。

各国の啓発活動を見る

ベナンの啓発集会

地域の人々に「食料への権利」実現のために行動を起こすよう呼びかけている

「世界食料デー」月間キックオフシンポジウム

10月の「世界食料デー」月間で、横浜市との共催イベントを開催。270名に世界の飢餓について伝え、行動を起こすきっかけを提供


Pick Up! 飢餓をなくす“若い力を育てる”

未来の担い手となる若者が持っている力を存分に発揮し、自ら飢餓を終わらせることができるように、ハンガー・フリー・ワールドは、世界5ヵ国で活動する青少年組織ユース・エンディング・ハンガー(YEH)を通じて若者の活動をサポートしています。

バングラデシュ
「食料への権利」を保障する法律の制定を求める署名を開始。インターネット署名や大学での呼びかけなど、若者らしい取り組みで今年の10月までに10万人の署名を集めることを目標にしています。法整備が進むことで、「食料への権利」が実現できる環境が政府によって整えられることが期待できます。

日本
茨城、山梨、愛知の各地で活動するグループがチャリティイベントや啓発イベントで、飢餓をなくすために行動することを訴えました。学校へ出張授業なども行い、「年齢が近くて理解しやすかった」と生徒たちから好評でした。また、2017年度に実施した学生向けファシリテーション研修では、参加した中・高校生ら11名が、自分の学校などで153名に伝える活動をしました。同世代から聞いたことで、刺激されて自ら別の友人に伝える生徒も出てきました。

各国の青少年育成を見る

フォリドプール技術大学での10万人署名

バングラデシュで「食料への権利」を保障する法律の制定を求める署名を開始。大学で大規模な集会を開き、署名を訴えた

ファシリテーション研修2日目

学生向けファシリテーション研修では、世界の食料問題と飢餓について学び、伝え方の研修を受けた。10月の「世界食料デー」月間期間中にそれぞれが実践した


Pick Up! 活動をより効率的にする“組織運営”

限られた資金と労力で最大の効果が得られるように、組織運営にも注力しています。2017年度は、中期目標の実現に向け、より事業を効果的・効率的に行えるよう、海外活動国の支部事務局長を招き、集中的に研修を実施しました。活動のなかで生じた課題を乗り越えるために何が必要か、目標を達成できる組織のマネジメントとは何かを徹底的に話し合いました。さらに、本部職員が海外支部に出張の際には、事業のモニタリングのほか、能力強化の研修や会計の内部監査も行い、中期目標の実現と透明性のある組織運営をめざしています。
日本の本部では、専門技術を備えたボランティアやインターンが活躍しました。イベント運営や「書損じハガキ回収キャンペーン」、広報等にも多くのボランティアが参加し、質の高い活動を推進する力になっています。
また、働き方改革に先駆けて、職場の課題を全員で話し合う「職場をよくする会」を毎年開催しており、成果を出す働き方や組織のあり方について、意見を出し合いました。回を重ねるにつれ、課題の数が減っています。

組織運営について詳しく見る

事務局長会議

中期目標が確実に達成できるよう、支部事務局長たちを招いて、11日間にわたり研修した

ボランティアの活躍

事務所に届く書損じハガキ等の仕分けとカウントには、個人・企業など多くのボランティアが活躍

改善に向けて全員で意見を出し合う

「職場をよくする会」で組織の課題を洗い出し、どう解決したらいいか話し合った


*前述の地域開発、アドボカシー、啓発、青少年育成などの事業(国外・国内)に70%(約1億2880万円)、封筒製作費や料金受取人払いなどの回収キャンペーン経費に30%(約5520万円)を使わせていただきます。