集計結果とお金の使い道 : 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド HUNGER FREE WORLD     

集計結果とお金の使い道

2022年12月から2023年5月末までに行った第22回書損じハガキ回収キャンペーンと2023年6月から2023年11月末までに行った緊急キャンペーンに、あわせて個人9万961名、企業・団体173組のみなさまにご協力いただき、換金額が2億3718 円となりました。多くの方のご協力、誠にありがとうございました。
地域開発、アドボカシー、啓発、青少年育成などの事業(国外・国内)に60%(約1億2000万円)、封筒製作費や料金受取人払いなどの回収キャンペーン経費に40%(約8000万円)を使わせていただきます。

当キャンペーンにより支援する活動のご紹介

~飢餓のない世界を創るために、人々の自立を支援しています~


Pick Up! 飢餓のない“地域をつくる”

バングラデシュ

コロナ禍で生存の危機に瀕した790世帯に緊急食料支援。
活動地の人と物資をいかして実施しました

活動地では、事業の推進役と呼ばれる住民女性56名がHFWの研修を受けて、特に貧しい790世帯の栄養改善につながる啓発活動を行い、相談を受けてきました。その事業の推進役より、対象者がコロナ禍のロックダウンによって収入を失い、生存の危機に陥るとの 報告を受け、HFWは公約された支援を受けられるよう自治体に 迅速に働きかけました。しかし 約80人しか 支援を 受け取れませんでした。そこで2020年5月にHFWとして食料支援を開始。事業の推進役が対象者に地元の店で食品と引き換えられるクーポンを配布する方法にしました。同時に新型コロナウイルス感染症の予防についても伝えました。現在も、家庭菜園の推進や、地元で手に入る栄養価の高い果物の情報を伝えるなど、事業の対象者が再び命の危機に陥らないための活動を続けています。

バングラデシュ事業一覧

緊急食料支援

支援物資を外から持ち込むことなく、地元商店を生かすことで、地域経済にも寄与しました

 


ベナン

活地域全体の持続可能性を上げるため栄養価の高い地場野菜をアピールする農業フェアを開催しました
HFWは、地域住民の栄養改善のため、もともと地元で作られていた、栄養価の高い農作物の普及に努めています。地産地消の仕組みをつくることで、地域経済を活性化し持続性も高くなるからです。2020年には、 活動地であるゼ郡周辺地域の農民たちや行政関係者に対し栄養価の高い作物の生産を促すため、農業フェアを開催しました。2日間で500名以上が参加しました。参加した農家や、ゼ郡の関係者だけでなく、周辺地域の行政担当者にもその意義や可能性について理解してもらい、栄養価の高い地元産の農作物の生産と消費を増やすことを目的としてました。農業フェアに参加した開催地の地区長は、「栄養価の高い地元の作物の生産を、HFWの活動地域やゼ郡全体で強化していって欲しい」と、取り組みの拡大に期待を示しました。また、他の村や郡の代表者からも取り組みへの関心が寄せられました。

ベナン事業一覧

農業フェアの様子

 

地元で採れた豆やナッツを紹介するブースを見て回る参加者

 


ウガンダ

協同組合と若者向けの「農業経営を学び・考える研修」を開催地域の収入向上の鍵となる人材を育成しています
HFWが活動する3地区において、協同組合とHFWの青少年組織ユース・エンディング・ハンガー(YEH)を対象にした「農業経営を学び・考える研修」を8月に行いました。地域の農業の専門家、獣医師、商業の専門家による2日間の講義とワークショップに128名が参加しました。例えば養豚の講義では、参加者から課題として、餌や病気、品種による繁殖法の違いなどに関する知識不足や、豚小屋の建設費が高いこと、さらに窃盗被害などが挙げられました。講師はひとつひとつの課題にアドバイスをしました。また、収穫物を加工して付加価値をつける大切さやビジネス・プランの立て方、共同栽培や市場開拓の重要性なども講義。ワークショップではビジネス・プランも実際に立てました。参加者は今回の学んだことを活用して、自分たちのやり方を改善していきます。加えて、今回参加していない組合員やYEHメンバーにも知識を広め、収入創出事業のリーダーとなっていきます。

ウガンダ事業一覧

グループで話し合う

ビジネス・プランをつくるためにブレインストーミングを行う協同組合の組合員

 


Pick Up! 飢餓を生み出す“しくみを変える”-アドボカシー-

政府や地方自治体に対し、効果的な政策などを提言し、飢餓を生み出す社会構造を変えていくことをめざしています。

ブルキナファソ
国家予算の策定関係者らとの議論や、大統領候補者に「食料への権利」を憲法に含めると国民に約束してもらうためのキャンペーンを展開しました
ベナンの土地法では、土地管理委員会と村落資産管理下の設置が定められていますが、活動地では着手されていませんでした。そこでHFWが住民などからなるアドボカシー委員会を組織し、2018年12月にゼ郡庁長官に申し入れをした結果、2019年3月に土地管理委員会と村落資産管理課が設置されました。これらの組織が機能するよう、HFWは5月にゼ郡の土地担当者と住民代表らと一緒に、成功している近隣の自治体を視察しました。土地の管理に関わる発行文書の手続きの方法など、詳しく話を聞くことができました。さらに7月には、2つの組織の担当と168名の村長、22名の地区評議会など202名と2日間の研修を実施し、地域住民代表と行政との関係構築を能力強化を行いました。
土地法について知識がないために、食物を栽培する土地を手に入れたくても入れられない人や、不正な取引に巻き込まれて土地を失ったり、女性が土地を相続できることを知らずに土地を手放したりする人がいましたが、これらを防げる体制をつくることができました。

ブルキナファソ事業一覧

各国のアドボカシー活動を見る

大統領選に向けた記者会見。テレビ、ラジオを含めたメディアを通じ、今回の大統領選挙が「食料への権利」の観点からも注目すべき機会であることを呼びかけました

HFWは、ブルキナファソ国民2032万人の“食”の保障に違いをつくろうとしています

 


Pick Up! 「飢餓なくす人」が増えるよう“気づきをつくる”-啓発活動-

海外の活動国では、誰もが「食料への権利」を持っていることを伝え、実現のために行動することを訴えています。日本でも、飢餓や世界の食料問題について伝える人を増やし、解決のために行動するよう働きかけています。

日本
「世界食料デー」月間の事務局を務め、他NGOや企業、FAO、横浜市、農林水産省らと、多くの人に行動を呼びかけました
HFWが事務局を務める「世界食料デー」月間では、呼びかけ団体である 他NGO、FAO国連食糧農業機関とともに、10月を中心に啓発活動を行っています。2020年はオンラインイベントを、生産、栄養、食品ロスというテーマで3回にわけて開催しました(第3回は横浜市資源循環局と共催)。同月間が主催するイベントで過去最高となるのべ551名の参加がありました。他にも「世界食料デー」月間に参加する団体がイベントを実施。観光客減少で余ったお菓子を企業に提供してもらい、食料問題を考えるハロウィンイベントといった新たな取り組みもありました。それぞれの取り組みに対し、自分もやってみたいという声も寄せられるなど、行動のきっかけづくりになっています。農林水産省には、庁舎の玄関スクリーンで「世界食料デー」月間のバナーを放映し、同 月間を盛り上げていただきました。

各国の啓発活動を見る

「世界食料デー」月間の活動

上)オンラインイベントの登壇者 
下)「世界食料デー」月間のチラシ

 


Pick Up! 飢餓をなくす“若い力を育てる”-青少年育成-

若者が持っている力を存分に発揮し、自ら飢餓を終わらせることができるようにサポートしています。

バングラデシュ
フードロス削減で食の不均衡をなくそうとSNSキャンペーンを展開。のべ2万人がメッセージに共感し拡散してくれました
YEHがSNS上で「食料を無駄にせず『食料への権利』を実現しよう」キャンペーンを展開しました。2020年の1年間で15万4000人が投稿を閲覧、2万6000人によりメッセージへのいいねの評価や拡散がされました。バングラデシュでは、飢餓に直面する人が多い一方で、裕福な人たちによる宴会等での食べ残しが社会問題になっています。また、技術不足のために加工や運搬の際に食料の無駄が多く出ています。YEHたちは、人々が行動を変え、生産、加工、流通、消費の過程で出るフードロスを極力減らし、適切に分配すれば、すべての人が十分に栄養のある食べ物を得ることができると伝えるため、メッセージを考案。バナーも作成し、「ダメ、食料廃棄!胸を張って食料を大切にしよう!」や「食料は私の権利、無駄にしないで」などと、SNSに発信しました。共感してくれた人によって、メッセージは拡散されています。インターネットを活用した啓発活動とはいえ、コロナ禍で活動が制限された影響もあり、年間100万人の閲覧と10万人による拡散という目標は達成できませんでした。しかし、改善点も見えてきたので、引き続き2021年度も活動を続けています。

各国の青少年育成を見る

SNSに投稿された写真の例。「食料は私の権利」と書かれています

 


Pick Up! 活動をより効果的に-組織運営-

限られた資金と労力で最大の効果が得られ、またみなさまに信頼される団体となるように、組織運営にも 注力しています。2020年は、支部の会計処理を翌月には勘定科目ごとに細かく確認すること 、決算を 待たない年度内の前倒しでの内部監査を実施することなど、会計業務の質の 大幅な改善を実現しました。日本本部では、専門技術を備えたボランティアが活躍しました。イベント運営や「書損じハガキ回収キャンペーン」、広報等 にも多くのボランティアが参加し、質の高い活動を推進する力になっています。

組織運営について詳しく見る

オンライン会議

通信環境を整備し、支部とは頻繁にオンラインで打ち合わせや研修を行うようになり、これまで以上に情報共有や意思疎通がスムーズになりました

ボランティアのみなさん

感染症対策をしながら切手貼り。キャンペーンに参加した生協の組合員のみなさまを招いて活動報告会なども開催しました。事務所に届く書損じハガキ等の仕分けとカウントには、個人・企業など多くのボランティアが活躍しています