集計結果とお金の使い道

2016年12月から2017年5月末までに行った第16回書損じハガキ回収キャンペーンには、個人11万3669名(企業・団体143組)のみなさまにご協力いただき、換金額が1億9166万円となりました。この資金で行われる各地の活動をピックアップしてご紹介します。

当キャンペーンにより支援する活動のご紹介

~地域開発、アドボカシー、啓発活動、青少年育成など~約1億3416万円


Pick Up! バングラデシュでの事業例
小学校運営/有機農業推進
-学校給食提供や、持続可能な有機農業を推進-

ダ郡とカリガンジ郡でシュニケトン・パッシャラ小学校を運営。質の高い教育を提供すると同時に、学校給食も提供しています。2016年度は370名に提供。給食は、栄養バランスのとれたメニューを提供し、子どもたちの健やかな心と体を育んでいます。学校では栄養教育にも力を注ぎ、家に帰った子どもたちが親に習ったこと伝え、家庭での栄養知識の向上につながっています。
また、活動地は、住民の大半が小規模農家で、農薬や化学肥料の購入費が家計を圧迫していました。そこで、有機たい肥づくりや植物由来の防虫剤づくりなどを住民に広めています。コストがかからず、環境にも人体にもやさしいと好評です。ハンガー・フリー・ワールドの研修を受けた住民が、地元の他の農家にも教えるなど、取り組みが広まっています。

バングラデシュ事業一覧

バングラデシュの学校給食

運営する小学校で給食を提供し、子どもたちに栄養についても教えている

バングラデシュ有機農業

有機農業センターで、低コストで環境にやさしい農業を指導


Pick Up! ベナンでの事業例

青少年・成人対象の識字教育/子どもの栄養改善 -5歳未満児の栄養不良を改善-
ベナンでは成人の識字率が約4割と低いため、青少年・成人対象の識字教室事業を行なっています。2016年度は215名が受講し、142名が修了しています。識字教室で習った読み書きと計算の力は、日常生活の向上につながっています。2017年度は栄養の知識や、農家が多い地域で土地の権利を守る知識なども、読み書きと一緒に学んでいく予定です。
また、活動地の栄養不良の5歳未満児を対象に、栄養改善事業を実施しています。住民から選ばれた事業の推進役が、対象の子どもたちに定期的に栄養たっぷりのおかゆを提供し、家庭でも作れるよう、母親に作り方と栄養知識を教えています。2016年度は83名のうち56名が栄養不良から脱しました。

ベナン事業一覧

ベナン識字教育

識字教室では、日常生活に必要な読み書きと計算を教えている

ベナン栄養改善

5歳未満の栄養不良児と母親を対象にしたワークショップ


Pick Up! ブルキナファソでの事業例

幼児と妊産婦対象の栄養改善事業/学校給食   -子どもたちの栄養不良を改善-
5歳未満児死亡率の高いブルキナファソ。母子保健センターで栄養不良児を対象に、週に3回栄養がゆを提供しています。母親には家でも実践できるように栄養バランスのよいメニューや消化吸収のよい作り方の指導。2016年度は対象者157名の子どものうち、107名が栄養不良から回復することができました。
また、特に貧しい地域の学校で、学校給食を提供。2016年度は540名の生徒に提供しました。給食が始まる前は、お昼の時間に食事をとらずにいたり、遠くはなれた自宅まで食べに帰ったりしていました。栄養のある給食を提供するようになって、午後の勉強にも集中できるようになりました。また、お昼の時間を友達や先生とのコミュニケーションにあてられるようにもなり、信頼関係も深まっています。

ブルキナファソ事業一覧

ブルキナファソ栄養改善

母子保健センターでは、栄養不良の乳幼児に、栄養バランスのとれた栄養がゆを提供

ブルキナファソ学校給食

栄養のある食材を使って作られた給食を配膳。食事前には手洗いの習慣も指導している


Pick Up! ウガンダでの事業例

協同組合支援/栄養改善事業 -住民の協同組合の活動が活発に。自主的に栄養改善も-
活動地の各地区では住民たちが助け合って地域を発展させ、生活を改善できるよう、協同組合を結成し活動を支援しています。これまで収入創出活動や養鶏事業などを行ってきました。カブンバ区の協同組合では、以前ハンガー・フリー・ワールドが行った5歳未満児対象の栄養改善事業が成果を上げたのを知った組合員が、まだ事業の対象になっていない子どもたちにも実施すべきと考え、自主的に事業を開始しました。栄養改善のワークショップを開き、好評を得ています。
協同組合の活動のヒントになった栄養改善事業は毎年各地域で順番に実施しており、2016年度はルグジ区の栄養不良の5歳未満児を中心に実施しました。ヤギと栄養価の高い野菜の苗を提供し、飼育法と栽培法の研修を行い、調理法も指導。対象者40名のうち32名が栄養不良から抜け出すことができました。

ウガンダ事業一覧

ウガンダ協同組合

協同組合のワークショップでは、子どもたちに消化吸収のよい調理法や栄養知識を教えた

ウガンダ家畜事業

ヤギ乳は子どもたちにとって栄養価の高い飲み物になっている。繁殖させて販売することも


Pick Up! 飢餓を生み出す“しくみを変える” -アドボカシー-

他団体とも協力して、政府や国際機関に対し、飢餓の終わりに効果的な行動を提言し、飢餓を生み出す社会構造を変えていくことをめざしています。
日本では、2016年度に開催されたG7伊勢志摩サミットで、加盟するネットワークを通じて、政府と関係機関に提言活動を行いました。また、提言を後押しする力になるよう、多くの人々の関心を高めるイベントを開催しました。さらに、初めてアフリカのケニアで開催された第6回アフリカ開発会議(TICAD IV)では、サイドイベントでアフリカ活動国の支部事務局長たちが、飢餓の現状を伝え、改善のための施策を訴えました。
各国国内での活動もおこなっており、バングラデシュでは、独立50年となる2021年に国内の飢餓を終わらせることをめざしたネットワーク「ビジョン2021」の事務局を担当。他NGOなどと活発に活動しています。

各国のアドボカシー活動を見る

G7伊勢志摩サミット

持続可能な開発目標(SDGs)の実現を訴える「17人18脚」。多くのメディアで紹介された

バングラデシュのアドボカシー活動

「ビジョン2021」の会議。バングラデシュ国内の飢餓問題の解消に向けて、さまざまな団体と協力


Pick Up! 飢餓を取り巻く現状への“気づきをつくる” -啓発活動-

日本では私たちの暮らしや食生活が世界の飢餓とつながっていることを伝え、解決に向け行動を起こすことを呼びかけています。海外の活動国では現状をあきらめずに立ち上がり、飢餓をなくすためにともに行動することを訴えています。
ブルキナファソでは、住民から選ばれた事業の推進役が、各家庭を訪問する戸別啓発を実施。住民の農作業のない朝の時間を利用して、丁寧な対話を重ねています。換金作物でなく自分たちの食料となる作物を優先して作る、家庭内のフードロスを減らす、家族計画を立てるなど、住民たちの行動が変わってきたことが確認できています。
また、日本では学校で講演やワークショップを行ったり、イベント開催・出展、事務所訪問を受け入れたりして、世界の飢餓の現状と、それをなくすための取り組みについて伝え、自分たちに何ができるかを考えてもらいました。参加者のなかには、自らほかの人に伝えるなど、行動を起こしてくれた人が出て来ています。

各国の啓発活動を見る

ブルキナファソ戸別訪問啓発

事業の推進役がそれぞれの家庭を個別に訪問し、「食料への権利」について伝える

日本の小学校での授業

小学校でフードロスと世界の飢餓のつながりを考える出張授業を実施。子どもたちから活発な意見が出た


Pick Up! 飢餓をなくす“若い力を育てる” -青少年育成-

未来の担い手となる若者は、飢餓の終わりに向けて大きな役割を果たすことを国際社会から期待されています。ハンガー・フリー・ワールドは、世界5ヵ国で活動する青少年組織ユース・エンディング・ハンガー(YEH)を通じて若者の活動をサポートしています。
ブルキナファソでは、新政権発足後の憲法改正のタイミングに合わせて、ハンガー・フリー・ワールドが飢餓をなくす要となる「食料への権利」が、憲法に記載されるよう活動しています。YEHでは若者ならではの活動で訴えようと、まず手始めに憲法学者を招いた勉強会を実施しました。この勉強会にはYEHだけでなく、地域の若者も参加し、YEHとともに活動するメンバーも増えました。
国内では、東京、茨城、山梨、愛知の各地で活動するグループが独自の企画を実施。チャリティイベントや啓発イベントで飢餓の解消を訴えました。また、G7伊勢志摩サミットに合わせ開催されたG7ユースサミットで、「食料・栄養」の分科会を担当。他の若者たちと一緒に提言をまとめました。

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ブルキナファソ青少年勉強会

ブルキナファソの国内会議で憲法記載の重要性を学ぶ。136名が参加し、新聞でも紹介された

日本の青少年の提言活動

G7ユースサミットで他の若者たちとまとめた提言はJPYS(Japan Youth Platform for Sustainability)を通じて日本政府に届けられた


Pick Up! 活動をより効率的に-組織運営-

各国での活動を効果的に行うため、組織力強化を進めています。2016年度からスタートした2020年までの新たな中期目標を実現させるため、海外活動国では、活動の元になる基礎調査を実施し、指標を定めて一年ごとに評価をしています。評価には「何をしたか」ではなく「どんな良い変化を社会に起こせたか」で測るインパクト評価を導入。NGO業界のなかでも先駆的な取り組みで、客観的な数値で効果を測定し、活動の質の向上につなげていきます。
日本本部では、専門技術を備えたボランティアやインターンが活躍。イベント運営や「書損じハガキ回収キャンペーン」、広報等にも多くのボランティアが参加し、限られた資金で質の高い活動を推進しています。
また、本部職員が海外支部に出張の際には、事業のモニタリングのほか、能力強化の研修や会計の内部監査も行い、中期目標の実現と透明性のある組織運営に尽力しています。

組織運営について詳しく見る

中期計画会議

中期目標の確実な達成のために、何度もミーティングを重ねる

ボランティアたちの協力

事務所に届く書損じハガキ等の仕分けとカウントには、個人のほか企業ボランティアも

出張時のミーティング

日本本部の職員が海外支部へ出張時に研修を実施し、さらなる能力強化を図る


*前述の地域開発、アドボカシー、啓発、青少年育成などの事業(国外・国内)に70%(約1億3416万円)、封筒製作費や料金受取人払いなどの回収キャンペーン経費に30%(約5750万円)を使わせていただきます。