集計報告とお金の使い道

2015年12月から2016年5月末までに行った第15回書損じハガキ回収キャンペーンには、個人9万5981名、企業・団体141組のみなさまにご協力いただき、換金額が1億5021万円となりました。この資金で行われる各地の活動をピックアップしてご紹介します。

当キャンペーンにより支援する活動のご紹介

~地域開発、アドボカシー、啓発活動、青少年育成など~約1億151万円


Pick Up! バングラデシュでの事業例
小学校運営/有機農業推進 
-子どもの栄養改善や、低コストで安心な有機農業を推進-

ボダ郡とカリガンジ郡でシュニケトン・パッシャラ小学校を運営。質の高い教育を提供すると同時に、学校給食も提供。栄養バランスのとれた給食は、育ち盛りの子どもたちの心と体を育む大切な一食です。学校では栄養教育にも力を注ぎ、家に帰った子どもたちが親に習ったことを教えるなど、家庭での栄養知識向上にも役立っています。
また、活動地では、ほとんどの住民が農業で生計を立てていますが、農薬や化学肥料の購入費が家計を圧迫。健康被害も出ていました。そこで、ミミズを使ったたい肥づくりや植物性の農薬づくりの研修を実施するなど、有機農業を推進しています。コストがかからず、環境にも人体にもやさしいと好評です。さらに、収穫した作物を、安心、安全な作物として付加価値をつけて売る試みも行なっています。   

バングラデシュ事業一覧

運営する小学校で学校給食を提供。子どもたちに栄養についても教えている

有機農業センターで、低コストで環境にやさしいたい肥づくりを指導


Pick Up! ベナンでの事業例

青少年・成人対象の識字教育/中高一貫校増築 -貧困から抜け出すカギとなる教育を充実-
ベナンでは成人の識字率が約4割と低いため、青少年・成人対象の識字教室事業を行なっています。読み書きの力は日常生活が不便であるばかりでなく、命をも左右します。実際に識字率と5歳未満児死亡率には相関関係があると報告されています。HFWの識字教室では、授業についていけずに脱落する生徒がいないよう、生徒の理解度をチェックしながら丁寧に進めています。
また、活動地の唯一の中高一貫校は、2005年の開校時は生徒数が78名でしたが、今では1000名を超え、深刻な教室不足に。授業を交代制で実施したり、わらぶき校舎を建て増すなどしたりして、住民と教師で工夫していましたが限界を超えたため、新しい校舎を増築することに。住民や生徒たちも、土運びなど簡単な作業を手伝っています。

ベナン事業一覧

識字教室では、日常生活に必要な読み書きと計算を教えている

新校舎増築は、地元住民たちも工事に協力し、完成が予定より早まりそうな見込み


Pick Up! ブルキナファソでの事業例

栄養改善/家畜事業 -子どもの栄養不良を改善。家畜事業で収入創出をめざす-
5歳未満児死亡率の高いブルキナファソでは、母子保健センターで栄養不良児を対象に、週に3回栄養がゆを提供。母親には家でも実践できるように栄養指導を行っています。また、家庭訪問して実践できているかどうか、きめ細かくサポートしています。その結果、2015年度は260人の子どものうち、83%にあたる216名が栄養不良から回復することができました。
  また、ブルキナファソはサハラ砂漠の南に位置する乾燥地帯で、厳しい気候ですが、活動地の住民のほとんどは農業で生計を立てています。農作物の出来不出来が天候で左右されるため、安定した現金収入につながるよう家畜事業を実施。ヤギを飼育し繁殖させて販売することで、収入を増やせるようにしています。2015年度は前年度に大量にヤギが死んだため、その原因を究明し万全の対策を講じて第二期をスタートさせました。現在まで順調に飼育されています。

ブルキナファソ事業一覧

乳幼児の体重と身長を計測。子どもたちの栄養状態を確認する

ヤギには駆虫剤や予防接種なども実施し、病気を防ぐ対策を行っている


Pick Up! ウガンダでの事業例

女性対象の養鶏/干ばつに強い作物栽培 -自分たちで育てた鶏や作物で、食事が改善-
長く続いた内戦やHIV/エイズウィルスの蔓延で一家の働き手を失った女性など、収入を得る手段のない貧しい女性を対象に養鶏事業を実施。2015年度は50名の対象者に成長が早くて病気にも強い鶏を提供しました。鶏が生んだ卵は一家にとって貴重な栄養源になっているほか、余った卵は販売して現金収入に。さらにその代金でヒナを購入して大きく育てて高く売ることができた住民もおり、生活が大きく改善しました。
また、活動地の各地区では住民たちが助け合って地域を発展させ、生活を改善できるよう、協同組合結成を支援。それぞれグループごとに事業を始め、順調に収益を得ています。ルグジ区では、干ばつに強いキャッサバの栽培をサポートしました。これまでの品種よりも早く収穫でき、土中で3年保存できるうえ、病害虫に強く、味もよくて収穫量も多いという優れた特徴をもっています。2014年度に栽培を開始し、収穫を得たナッケデ区の住民からは「以前は1日2食だったが、3食に。収穫量が多いので、余った分を販売して現金収入を得ることができた」と報告がありました。

ウガンダ事業一覧

エサの与え方や鶏小屋の作り方など、飼育方法などを研修してから鶏が提供された

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干ばつに強いキャッサバ種の栽培を支援。2倍の収穫を得た住民は食事の質と量が改善した


Pick Up! 飢餓を生み出す“しくみを変える” -アドボカシー-

他団体とも協力して、政府や国際機関に対し、飢餓の終わりに効果的な行動を提言し、飢餓を生み出す社会構造を変えていくことをめざしています。
2016年1月から始まった国際社会の新たな約束「持続可能な開発目標(SDGs)」は、「飢餓をゼロに」が目標の一つに掲げられています。そのため、SDGsの実現をめざし、2016年に開催されるG7サミットと第6回アフリカ開発会議(TICAD Ⅵ)に向けて、提言活動を行いました。加盟するネットワークを通じて、政府と関係機関に複数回対話の機会を持ち、最も弱い立場にある人々の声を代弁する提言を行いました。TICAD Ⅵの開催地となるケニアでは、現地のNGOネットワークとの関係構築にも尽力しました。
また、提言を後押しする力になるよう、多くの人々の関心を高めるイベントを開催。アフリカの食や音楽やダンスを紹介するなど親しみやすい内容で、大勢の参加者を集め、TICADへの関心を高めることができました。

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国連開発計画(UNDP)アフリカ局長との意見交換の場 に参加。NGOからの提言を伝えた

「みんなのTICADフォーラム」ではオスマン・サンコンさんが登壇。アフリカと日本の架け橋となる活動について話したもらった


Pick Up! 飢餓を取り巻く現状への“気づきをつくる” -啓発活動-

日本では私たちの暮らしや食生活が世界の飢餓とつながっていることを伝え、解決に向け行動を起こすことを呼びかけています。海外の活動国では現状をあきらめずに立ち上がり、飢餓をなくすためにともに行動することを訴えています。
ベナンでは識字率が低いため、生活に必要な知識を伝えるのに、イラストや紙芝居を使ったり、寸劇などを行ったりしています。2015年に実施した歌とダンスによる啓発イベントでは、十分な食料を得て栄養をとることの大切さ、土地を守ることの意義、衛生や識字教育の重要性などを、地元ミュージシャンに歌で伝えてもらいました。300名もの住民が参加し、内容がよくわかったと好評でした。
また、日本でも学校やイベントなどで、講演やワークショップを行い、大勢の人々に飢餓の問題を「自分ごと」としてとらえてもらうよう取り組んでいます。身近な食から世界の飢餓を考えてもらおうと2014年度に開発した教材を使ったお手紙コンテストの入賞校を選出。海外の青少年組織ユース・エンディング・ハンガー(YEH)のメンバーが来日した際に、優秀校を訪問し、講演とワークショップを実施し、300名の生徒たちに世界の飢餓の問題について伝えました。

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地元のミュージシャンたちが歌と踊りを披露。通常の6倍もの住民が集まって内容に耳を傾けた

生徒たちと年齢の近い海外のYEHメンバーが紹介する現地の飢餓の情報は、強く印象に残った


Pick Up! 飢餓をなくす“若い力を育てる” -青少年育成-

未来の担い手となる若者は、飢餓の終わりに向けて大きな役割を果たすことを国際社会から期待されています。HFWは、世界5ヵ国で活動する青少年組織ユース・エンディング・ハンガー(YEH)を通じて若者の活動をサポートしています。
バングラデシュでは、2014年度に大きな反響のあった「食料への権利」の法制化を議論する模擬国会の2回目を開催しました。全国から300名もの若者と、ゲストに著名な経済学者や食料大臣が出席、新聞社やテレビ局の取材が入るなど、前回をしのぐ規模となりました。ゲストとして参加した議員たちからは「食料への権利」法制化に強い関心を持ってくれました。
国内では、各地で活動するグループが独自の企画を実施。東京や茨城では、フードロスの問題から世界の飢餓を考えようと、賞味期限の迫った食材を持ち寄ってみんなでおいしく食べるサルベージ・パーティを実施。 その他、東京ではアカペラチャリティコンサート、山梨では独自に考案した飢餓を考えるゲームでワークショップを実施するなど、若者ならではの活動をしました。

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模擬国会では300名以上の若者たちが参加。ゲストには多数の議員やメディアも参加し、2014年度の1回目をしのぐ規模に

東京のグループでは、賞味期限の迫った食材を持ち寄っておいしく食べるサルベージ・パーティをハロウィンにちなんで開催。食料ロス・廃棄問題について考えた


Pick Up! 活動をより効率的に-組織運営-

各国での活動を効果的に行うため、組織力強化を進めています。日本本部では、専門技術を生かしたボランティアやインターンによって業務の質を向上させ、限られた資金で効果的に活動を推進しています。今まで以上に成果を出すための、2016年度からの中期計画づくりを、高いスキルを備えたコンサルティング会社によるプロボノ(無償コンサルティングサービスの提供)の協力を得ながら進めました。
また、イベント運営や「書損じハガキ回収キャンペーン」、広報等にも多くのボランティアの協力を得ることができました。NGO業界のなかでも先駆的に社会的責任(SR)に取り組み、その活動が評価され、NGO組織強化大賞(立正佼成会一食平和基金、JANIC共同事業)の経営・戦略部門賞を受賞しました。NGO/NPO業界全体への貢献として、HFWのノウハウ提供をはじめ、他団体の運営能力向上のための講演、研修等に人材を提供するなどの協力を行っています。

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組織運営では、大手コンサルティング会社の無償協力を得て、中期計画づくりをすすめた

社会的責任(SR)の取り組みが評価され、経営・戦略部門賞を受賞した


*前述の地域開発、アドボカシー、啓発、青少年育成などの事業(国外・国内)に70%(約1億515万円)、封筒製作費や料金受取人払いなどの回収キャンペーン経費に30%(約4506万円)を使わせていただきます。