集計結果とお金の使い道 : 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド HUNGER FREE WORLD     

集計結果とお金の使い道

2018年12月から2019年5月末までに行った第18回書損じハガキ回収キャンペーンには、個人12万6603名(企業・団体151組)のみなさまにご協力いただき、換金額が1億9678万1696円となりました。多くの方のご協力、誠にありがとうございました。
この資金で行われる各地の活動をピックアップしてご紹介します。

当キャンペーンにより支援する活動のご紹介

~地域開発、アドボカシー、啓発活動、青少年育成など~約1億3775万円


Pick Up! 飢餓のない“地域をつくる”

バングラデシュ

■持続可能な生活センター運営/弱い立場の女性805名を対象にした栄養改善
農業による食料の確保と収入創出を図るとともに、最も弱い立場の女性を対象にした栄養改善事業を開始
活動地のボダ郡とカリガンジ郡で、生活改善センターを運営しています。住民の大半が小規模農家であるため、生活改善センターを拠点に、専門家を招いて食料となる作物の生産性の向上や、農業による収入向上をめざす研修を行っています。そして、有機たい肥づくりや植物由来の防虫剤づくりなど、コストがかからず環境にもやさしい持続可能な農業を住民に広めています。
また、政府の貧困リストや住民からの聞き取りで、活動地のなかでも特に弱い立場にある女性を特定。805名を対象に、栄養の大切さ、バランスの取れた食事、健康的な調理方法、女性の健康と栄養、家庭と社会で果たす女性の役割などについて伝える活動を始めました。活動を担うのは、住民から選ばれた事業の推進役28名で、研修を実施し、イラスト教材などを使って、効果的に伝えられるようにしました。事業の推進役は、毎月2回ずつ、各村で事業の対象の女性たちに、知識を伝えるとともに、各家庭を訪問して実践を促し、相談にも乗るなど、きめ細かく活動しています。

バングラデシュ事業一覧

農業研修

持続可能な生活センターで、住民たちに有機たい肥の作り方をデモンストレーションしながら教える

研修風景

事業の推進役たちが、専門家の研修を受講。「自分たちの住む地域を良くしたい」という意欲にあふれ熱心に学んだ


ベナン

■子どもの栄養改善/青少年・成人対象の識字教育 
子どもの栄養改善をめざし、親にも必要な教育を実施
ベナンの活動地では3歳未満の栄養不良児が多いことから、対象の子どもたちに、週3回、栄養たっぷりのおかゆを提供しています。また、母親に栄養バランスのよいメニューと消化吸収のよい調理法を教え、家庭での実践を促しています。2018年度は栄養不良児155名のうち、64%にあたる99名が回復しました。
また、母親の識字率と子どもの死亡率には明らかな相関関係があることがわかっています(世界銀行データ)。ベナンでは成人の識字率が約3割と特に低いため、青少年・成人対象の識字教育を行なっています。その際、読み書き・計算を学ぶのと同時に、栄養や健康、衛生についても知識が得られるプログラムを導入しています。定期的に教材を見直し、住民に確実に生活に必要な知識とスキルが身につくようにしています。識字能力や栄養についての知識が得られれば、今後収入が増え、生活の改善と、栄養状態の改善につながることが期待できます。

ベナン事業一覧

ベナンの栄養改善でおかゆを食べる子ども

栄養たっぷりのおかゆは、地元でとれる素材を使い、消化吸収のよい形で調理されている

教材について議論

識字教育で使用する教材について教員らと議論。改善を重ねてわかりやすい内容にする


ブルキナファソ

■貧困家庭の食料と栄養の安全保障/乳幼児と妊産婦対象の栄養改善
農業研修により、食料確保と収入創出をめざす
ブルキナファソの活動地では、86%が農業に携わっていますが、その多くが収入が不十分で、生計を立てていくのが厳しい状態です。そこで、特に貧しい家庭を対象に、農業研修を実施。栄養価が高くて収穫量の多い野菜の育て方や、土壌を改良する肥料づくりなどを教えています。肥料は、わらや牛糞などの手に入りやすくコストをかけずに作れ、環境にもやさしいものを教えています。生産量が上がれば、自宅で消費できる食料が増え、余剰作物を販売し、収入を増やすことも期待できます。
また、2005年から公立の保健センターで行ってきた栄養改善事業(CREN)は、2018年までの13年間で管轄の13ヵ村2219名の子どもを支援し、1619名が栄養不良から回復しました。事業を行うなかで保健センターに本来行政として果たすべき役割を果たすしくみが強化されたこと、ハンガー・フリー・ワールド(HFW)の活動地4ヵ村に限れば栄養不良がほとんどいなくなったことから、2019年度から行政に運営を委ねることになりました。今後は、HFWは妊産婦対象の母親教室を実施し、治療が必要な妊産婦がいれば母子保健センターを紹介するという、住民と行政の橋渡しをしていきます。

ブルキナファソ事業一覧

農業研修

農業研修を実施。栄養価が高く育てやすい野菜について、住民たちに説明をする

保健センターでの栄養改善事業では、おかゆを提供するとともに、母親に消化吸収のよい栄養価の高い食事について伝えた


ウガンダ

■協同組合支援/若者の農業研修
住民の協同組合の能力強化、若者の就農支援
ウガンダの活動地では住民たちが助け合って地域を発展させ、生活を改善できるよう、2013年度に4地域で協同組合を結成し、活動を支援しています。そして、各協同組合を通じて、住民の食料摂取と栄養の改善をめざす事業を継続しています。2018年度は、4つの組合幹部役員100名を対象に、運営のためのリーダーシップと組織運営の研修を実施しました。また、総会を開催して事業計画や会計も承認。住民たちは、事業を実施し、HFWの支援を離れて自主運営できることをめざして活動しています。
また、ウガンダでは若者の人口比率が高いものの、農業で生計を立てていくことが難しいことから、農業離れが進み、若者の失業率の高さにつながっています。そこで、HFWの青少年組織ユース・エンディング・ハンガー(YEH)のメンバー90名を対象に、農業研修を実施しました。農業博士を講師に依頼し、博士の農園を見学しながら、穀物や野菜、果物などの作物栽培と、豚、牛、ヤギ、鶏など家畜飼育方法を学びました。それぞれの家庭で取り入れることができれば、農業による収入の向上が望めます。若者の就農を促し、地域の食料確保と栄養の改善につながっていきます。

ウガンダ事業一覧

研修での議論

組合運営について貪欲に学ぶ住民たち。貯蓄や貸付など会計面で質問が集中した

青少年の農業研修

肥料を扱う方法を専門家にデモンストレーションしてもらいながら教わる若者たち


Pick Up! 飢餓を生み出す“しくみを変える”

政府や国際機関に対し、飢餓の終わりに効果的な政策などを提言し、飢餓を生み出す社会構造を変えていくことをめざしています。
他団体とも協力して、政府や国際機関に対し、飢餓の終わりに効果的な行動を提言し、飢餓を生み出す社会構造を変えていくことをめざしています。
バングラデシュ
全国民に食料を保障する法案が制定され、それに基づく実際的な政策がとられることを求める署名キャンペーンを、若者が中心になって集めました。WEBサイトに署名キャンペーンページを制作するとともに、全国の大学などで説明会したあと署名をしてもらい、1年間で目標の10万を上回る12万名を超える署名を集めることができました。集めた署名は議員に提出。実際の法律に反映されることが期待できます。
ブルキナファソ
ブルキナファソでは全国に食料備蓄庫があり、食料の少なくなる時期に、貧しい人々に安く販売できるようになっているはずでした。ところが実際には、食料庫に食料が入っていなかったり、裕福な人が買ってしまっていたり、と本来の機能を果たしていませんでした。そこで、HFWが地方自治体に何度も申し入れした結果、担当者が更迭されて体制が一新。備蓄庫には食料が保存され、家庭での備蓄が切れる時期に購入できるようになりました。1日に1食しか食べられないという事態も避けることができるようになりました。備蓄庫の整備は、活動地以外の地域の人々にもこの恩恵が及びます。

各国のアドボカシー活動を見る

大学での署名活動。青少年組織YEHメンバーを中心に全国で署名活動を行った

食料備蓄庫から運び出す

食料備蓄庫から安く購入した食料を運び出す住民。HFWはグループ購入も提案し、小分けして必要な分だけ少額で買えるようになった


Pick Up! 「飢餓なくす人」が増えるよう“気づきをつくる”

海外の活動国では、誰もが「食料への権利」を持っていることを伝え、実現のために行動することを訴えています。日本でも、飢餓や世界の食料問題について伝える人を増やし、解決のために行動するよう働きかけています。
ウガンダ
住民たちに「食料への権利」について伝え、その実現のために行動することを呼びかける啓発集会を開催しています。より住民の関心を集め、理解が深まるよう、歌や踊り、寸劇による啓発集会を開催。内容を工夫したことで、狙い通り通常よりも多くの住民が集まり、楽しみながらHFWのメッセージを理解することができました。他地域でも同様の集会を開催し、理解を広めていく予定です。
日本
学校で講演やワークショップを行うとともに、イベント開催や出展、事務所訪問受け入れなどの機会に、世界の飢餓の現状とHFWの活動について伝え、解決のための行動することを呼びかけています。HFWが事務局を務める「世界食料デー」月間2018では多くのイベントを開催。11月に、横浜市との共催でシンポジウムでは362名の参加者があり、私たちの「食」とSDGsについてともに考える機会を持ちました。アンケートで、参加者のうち106名が「飢餓の解決のために行動したい」と答えました。

各国の啓発活動を見る

事前にHFWと打ち合わせをした住民有志メンバーが、歌や踊りを披露

「世界食料デー」月間シンポジウム

多様な立場の登壇者からは、飢餓の解決につながる取り組みなどが発表された/p>


Pick Up! 飢餓をなくす“若い力を育てる”

未来の担い手となる若者が持っている力を存分に発揮し、自ら飢餓を終わらせることができるように、ハンガー・フリー・ワールドは、世界5ヵ国で活動する青少年組織ユース・エンディング・ハンガー(YEH)を通じて若者の活動をサポートしています。

ベナン
すべての人が生まれながらに持つ「食料への権利」について、子どもたちに知ってもらおうと、YEHが中高一貫校でイラストコンテストを開催。食べる喜びや楽しさ、そして食べ物を大切にすることなどを生徒たちは思い思いにイラストに描きました。
自分たちと年齢の近いYEHたちの説明を聞き、手を動かすなかで、「食料への権利」への理解が深まりました。

日本
茨城、東京、山梨、愛知で活動するYEHグループが、ワークショップやゲームなど内容を工夫したイベントで、飢餓をなくすために行動することを呼びかけました。また、8月に実施したファシリテーション研修で学んだ大学生や高校生が、学校などで飢餓や食料問題について伝え、行動を起こすことを呼びかけました。その参加者が、さらに身近な人たちに伝える波及効果も生まれました。

各国の青少年育成を見る

中高一貫校での啓発

優秀作品を選んで賞を授与。生徒たちは真剣に取り組んだ

YEHがワークショップ開催

ワークショップを開催するYEH東京メンバー。メッセージカードを使い、身近な食から、世界の飢餓について考えてもらった


Pick Up! 活動をより効率的にする“組織運営”

限られた資金と労力で最大の効果が得られるように、組織運営にも注力しています。支部の運営体制の強化をしながら、本部の管理部門の改善をしました。また、2018年度は、2016‐2020年の中期目標の中間評価を実施。「地域開発」「アドボカシー」「啓発活動」「青少年育成」の4つの活動は順調ながら、組織運営の課題があきらかになりました。今後は重点課題に注力していきます。
日本の本部では、専門技術を備えたボランティアやインターンが活躍しました。イベント運営や「書損じハガキ回収キャンペーン」、広報等にも多くのボランティアが参加し、質の高い活動を推進する力になっています。
職員は他者評価と自己診断プログラムを受け、さらに能力を強化するための研修を受講しています。

組織運営について詳しく見る

会計研修

支部の会計能力強化のために、会計担当者を招へいして研修を実施した

ボランティアさんたち

事務所に届く書損じハガキ等の仕分けとカウントには、個人・企業など多くのボランティアが活躍

職場をよくしようの会

「職場をよくする会」で組織の課題を洗い出し、どう解決したらいいか話し合った


*前述の地域開発、アドボカシー、啓発、青少年育成などの事業(国外・国内)に70%(約1億3775万円)、封筒製作費や料金受取人払いなどの回収キャンペーン経費に30%(約5903万円)を使わせていただきます。