上のバナーの写真は2023年、HFWが支援しているウガンダの協同組合メンバーが、組合活動の間にランチを囲んでいる様子です。2014年に私がHFWの理事として活動地を訪れた時と、子どもたちの笑顔もおいしそうな料理も変わっていませんね。あの時は、大人も子どももちょっとおめかしして、栄養ワークショップの会場に来てくれました。それぞれの野菜にどんな栄養が含まれるか学んだ後にみんなで食べた食事の味が、どことなく懐かしい感じがしたこと、今も覚えています。
私が視察した時は、ワークショップなどの活動をHFWの職員が主導していましたが、今は組合員が運営できるように能力強化を進めているそう。ひょっとすると私がおしゃべりしたお母さんが、組合活動をリードしているかもしれない。ぜひそうなっていてほしいです。
私たちが大切にしているのは、地域の人が自分たちで、地域の食を守る活動を進められるようになることです。国によっては、活動に人が集まりづらいこともあります。日々の生活に忙しく、共同作業が後回しになってしまうのでしょう。
私が暮らす長野県の山間部でも、地域の活動にたくさんの人、特に若い世代を巻き込むのは難しい。でも、若い世代が自分たち発信でイベントをやったら、若者の参加が増えて行事がすごく盛り上がったんです。周りから「何かやって」と言われるのではなく、自分たちで企画から考えたことには、責任を持って一生懸命に取り組むんですよね。ウガンダだって同じだと思うんです。自分で考えて決める力を身につけてもらうことこそ、私たちの目指す「エンパワーメント」で、「飢餓のない世界」を実現するというビジョンへの第一歩だと考えています。
支援者が住民を「導く」かたちになると、住民は心理的にも経済的にも依存してしまう。HFWの役割は住民の前に立つことではなく、まずは隣で「どんな生活をしたい?」「何をすればいい?」といった問いを投げかけ、考えてもらうこと。そして本人たちが問いを見つけられるようになったら、今度はうしろに回って、困っている時に状況を整理したり、お金の面で初動を支えたりします。主役は彼らで、私たちは黒子。それを肝に銘じ、支援を卒業できるよう根気よく地道な取り組みを続けていきます。
(2024年3月)
2014年のウガンダの活動地訪問の様子。多くの住民のみなさんと交流した