仏・国家功労勲章を受章したベナン事務局長にインタビュー : 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド HUNGER FREE WORLD     

仏・国家功労勲章を受章したベナン事務局長にインタビュー

ベナン支部事務局長 ファトゥマトゥ・バトコ・ゾス

ベナン支部の設立前から青少年組織YEH(ユース・エンディング・ハンガー)としてHFWの活動を支え、現在はベナン支部の事務局長を務めるファトゥマトゥ・バトコ・ゾス。2022年には、フランス政府から功績のあった外国人に贈られる「国家功労勲章」を受章しました。受章の感想や活動への思いを聞きました。

勲章を受章した気持ちはいかがですか?

これまでベナンの発展を第一に考えて仕事をしてきました。その成果を評価してくれたフランス政府に感謝します。そして励みになります。これからもこの勲章にふさわしい存在であり続けなければと、気が引き締まる思いです。

20年以上前、活動を始めた当時と何が変わりましたか?

当時はまだベナンにHFWの支部はなく、ユース・エンディング・ハンガー(YEH)として各国のYEHとともに活動していました。日本で行われた初めてのYEHの会議では、日本の若者の円滑な会議運営に感動しました。その後、私たちのYEHの活動が評価され、本部の勧めでHFWのベナン支部を立ち上げたことで、活動の幅が広がり、より大きな実績を残すことができました。

ベナンのフランス大使館で行われた授章式

活動のなかで、印象に残っているエピソードはありますか?

HFWベナン支部の活動では、栄養改善事業で子ども300人とその家族の健康状態や衛生習慣を改善。戦争で傷ついた同じ西アフリカのリベリア、シエラレオネの女性たちとの交流、研修がきっかけで、平和を意識し、活動に取り入れたことも印象的な出来事です。

女性のエンパワーメントにも注力していますが、その意義や、女性という立場で開発に携わる意義は何ですか?

国の人口の半分以上を占める女性は、国の発展のために考慮されなければならない重要なグループです。識字率は向上しつつありますが、今も65%の女性は読み書きができず、一生懸命に働いても十分に評価されません。女性の能力を強化し、地域や家庭の意思決定に参加させることは、ベナンに質の高い前進をもたらすでしょう。女性がコンプレックスを取り払い、自信を持つことが重要です。

今後はどのような活動をしていきますか?

女性と若者が主体性を発揮して活動に参加し、自分たちのエンパワーメントを実現することが大切です。そして、地域、ベナン、西アフリカの発展に責任を持てるような活動を続けていきます。

栄養改善事業に参加し、子どもに栄養改善メニューを食べさせるお母さん

2011年にはWANEP(西アフリカ平和構築ネットワーク)ベナン支部の理事長に就任し、ベナンのNGOの顔として国内外の有識者と関係を築いた(前列右から2番目)

ファトゥマトゥ・バトコ・ゾス
1991年ベナン国立アボメイ・カラヴィ大学卒業。青少年組織ユース・エンディング・ハンガーのリーダー、米国系国際NGO勤務を経て、2002年よりHFWベナン支部の設立準備に従事。2004年入職、2007年よりベナン支部事務局長。

※ UNESCO Institute for Statistics (2022). 15歳以上の女性の非識字率。