育児休業取得率を公表します
ハンガー・フリー・ワールドでは、新しい家族を迎える職員が安心して仕事を休み、後に復帰できるよう、育児休業を取得しやすい勤務体制を整えてきました。2023年4月より、育児休業取得率の公表が義務化(従業員数1000人以上の企業のみ)されることに先駆けて、本部で働く女性・男性職員の育児休業取得率を公表します。
育児休業取得率
2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | |
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女性 | 100% | 該当者なし | 該当者なし | 該当者なし | 該当者なし | 該当者なし | 100% | 該当者なし |
男性 | 該当者なし | 該当者なし | 100% | 該当者なし | 100% | 該当者なし | 100% | 該当者なし |
厚生労働省の報告によると、2020年度の日本企業における育児休業取得率は女性で83.0%、男性で7.48%。男性は56%以上の人が5日未満しか取得しなかったと報告。
最近よく聞く「男性の育児休業」って実際どうなの??
取得した男性職員に聞いてみました!
育児休業を取ろうと思ったのはなぜですか?
熊坂:取ろうというよりも、取らないという考えがありませんでした。自分の子どもなので。もちろん、育児休業中は収入が下がる不安はありましたが、ずっとではないですよね。それよりも、パパママ教室へ行ったり、育児ブログを見たりして情報収集していると、産後すぐはとにかく大変そうだったので。
米津:もともと取りたいと思っていましたし、他の男性職員も取っていたので、取るのが当然だと思っていました。「産後にうつ病を発症して……」という記事も読むので、妻にはそうなって欲しくないと思っていました。
熊坂:それに、スタート地点が違うとやり方を一から教えてもらわないといけないですよね。何事もそうだけど、後からだと入りにくくなる。
米津:最初からの方が自分ごととして捉えられますよね。後からだとつい「言われたことをやればいいかな」と思ってしまうので。私は育児は「参加するもの」ではなく「自分がやるもの」という意識でいます。
熊坂真輝
管理部門マネージャー 2児(当時4歳、2歳)の父/育児休業2ヵ月(長男)、2ヵ月(次男)
朝食の準備、洗濯物の片づけなどをしてから仕事開始。仕事が終われば、夕飯の片づけ、子どものお風呂、寝かしつけなどを行う。保育園の送り迎えは夫婦一緒に。絵本好きの長男のために、保育園に1時間残って絵本を読むことも。公園で会ったパパさんママさんと情報交換するのが楽しみ。
米津英介
会員・寄付者、総務担当 1児(当時0歳)の父/育児休業2ヵ月
育休中は食材調達と料理を担当。「早い!安い!美味い!」料理のレパートリーを増やし、食事の満足度アップに貢献。育休明けからは子どもの入浴や夕飯の片づけ、週末の夕飯作りなどを担当。妻の一人時間を捻出することも心掛けている。最近は保育園の選考結果が気になりソワソワ。
※ 役職名は取材当時のものです
育児休業中はどのように過ごしていましたか?
熊坂:ミルクをあげたり、ご飯を作ったり、上の子どもを外に遊びに連れて行ったり。2人目はあまり寝なかったので、夜は妻に起きてもらって、明け方からは自分が交代してどうにか乗り越えました。
米津:うちもよく泣かれましたが、私が夜型なので、妻に先に寝てもらって深夜にミルクをあげたり、寝かしつけたりしました。粉ミルクを哺乳瓶に入れるとき、何杯入れたかわからなくなるんですよね……。
熊坂:あるある! 生まれたばかりの頃は「どうしよう」って思ったけど、だんだん「まぁ、少しくらい多くても大丈夫だろう」と。
米津:あとは料理。昼と夜はご飯を作りました。もともとカレーを作るのは得意でしたが、それ以外のレパートリーが少ないことに気付いて。レシピサイトや動画を見ながら、冷蔵庫にある食材で早くおいしく作れるようになりました。
実際に育児休業を取ってみてどうでしたか?
熊坂:すごい大変でした。寝られないってこんなにきついんだなと。夜中、ぐずって全然寝ない、やっと寝たのでベッドに置いて、さっと手を抜こうとした瞬間に泣く……。新聞で虐待などの悲しいニュースを見ることがありますが、紙一重だなと。全部一人でやったら本当につらい。夫婦で一緒に乗り越えられてよかったです。
米津:二人でもこんなにきついのに、一人で育児も家事もやるとなると、本当につらいですよね。私は育児には生まれた直後から関わりたいと思っていたので、叶えることができて満足しています。妻からも「こんなにやってくれるとは思っていなかった」と言ってもらえました。
(男性が「育児休業を数カ月取得したい」と申し出ると「そんなに休んで何やるの?」と言われてしまうこともあるようですが)
熊坂:やることありすぎます!! ただ、ミルクを飲ませれば終わりじゃない。飲ませたら吐かれて、洋服を着替えさせて、ときにはシーツを変えて、洗濯をして……。少なくとも、妻の肩をたたくことはできるはず。
米津:やることが多すぎていくらやっても終わらないです!!例えば、正直なところ掃除はやり切れなかった。
父が寝ている隙に全力で耳を引っ張る息子
育児休業から復帰後の育児や家事の分担はどうしていますか?
熊坂:上の子は私、下の子は妻が見ていることが多いです。病気で保育園を休まないといけないときはお互いの仕事を調整しますが、新型コロナウィルスの影響で緊急事態宣言が出たときはきつかった……。長期間、保育園が休園したり、自宅での保育をお願いされたりしたので。妻と交代で仕事をしてどうにか乗り切りました。
米津:うちは妻がまだ再就職していないので、育児や家事はほとんどやってもらっていますが、時間がなさそうなときは今ある食材でできるものを作ったり、皿洗いをしたり。それと休日は妻が一人の時間をつくれるよう、数時間ほど一人で子どもの世話をしています。平日はあまり時間がとれないので、子どもと一緒に過ごせて楽しいです。
次男の鼻水を拭く
ありがたかった制度やサポートは何ですか?
熊坂:フレックス勤務や在宅勤務はもちろんですが、一番は雰囲気ですかね。「育児休業どうするの?」ではなく「取るんでしょ」という。出勤してパソコンを立ち上げた直後に保育園からお迎えの電話があって、すぐに帰らないといけないこともありましたが、気持ちよく送り出してもらえてありがたかったです。
米津:男性でも女性でも育児休業を取って当然という組織文化がありますよね。職員数は多くないですが、なんとか工夫して引継ぎをしてもらえるので、安心して取得できました。それと、育児休業から復帰したときに、ホワイトボードに「おかえりなさい」と書いてあったことも嬉しかったです。
HFWのような小さな組織で育児休業を取得したいと考えている人へのメッセージをお願いします。
熊坂:やり方次第で意外と何とかなります。あまり考えず、まずは取ってみたらよいと思うし、取った方がよい。考えないといけないのは「どうやって取るか」だと思います。
米津:工夫次第ですよね。この仕事は重要、これはそうでもないなど、取捨選択すれば案外取れると思いますし、取った方がよいと思います。産後の大変な時期をシェアすることで、一番大切な人の気持ちをわかってあげられる。ミルク作っているときに泣かれるとあせるな、とか。妻がどう感じてどう苦労しているか身をもって体験することは、その後の夫婦仲を考えても重要だと思います。
熊坂:いろんな生き方があると思うので、人生の途中でお互いの役割をスイッチすることもあるかもしれません。ずっと仕事だけだとどうしても世界が狭まってしまうので、男性も育児休業を取ることは、個人にとっても社会全体にとっても大切ではないでしょうか。
米津:みんなが働きやすくなるためにも必要なことですよね。これからは共働きが普通になってくる。夫婦によっては男性よりも女性の収入が高かったりするし、男性でも家事や育児をやりたい人もいる。そういういろいろな生き方を自分で選択できる社会になって欲しいです。ちなみに、もし2人目が生まれたらまた育児休業を取りたいので、そのときはよろしくお願いします!
あるあるネタで話がつきない