バングラデシュ事務局長にインタビュー
バングラデシュ支部の設立前から青少年組織YEH(ユース・エンディング・ハンガー)としてHFWの活動を支え、設立当初からバングラデシュ支部の事務局長を務めるアタウル・ラーマン・ミトン。活動の原点と女性グループへの支援について、考えを聞きました。
バングラデシュの女性グループの活動について教えてください。
HFWバングラデシュは、活動を始めた当初から女性のエンパワーメントに力を入れてきました。女性には彼女たち自身だけでなく、家族、地域の飢餓を終わらせる力があると信じているからです。HFWの今の役割は、女性グループを陰ながら支え、自立的に活動できるようにすることです。それぞれの地域の飢餓を終わらせるために、彼女たちがリーダーシップを発揮できるようにしていくことです。
活動を取りまとめる連合会の役割を担うグループはどのように出てきたのでしょうか?
複数の女性グループが活動を続けてきたなかで、彼女たちから、それぞれの活動を支え合うための連合会を組織することが必要だという意見が出てきました。組織としての力をつけることで、主要なステークホルダーでもある政府とも対話することができます。
カリガンジの女性グループと対話するミトン支部事務局長
HFWと連合会との関係はどのように変化しましたか?
当初はHFWに頼っていて、何をしたらよいか聞いてきていました。いわゆる受益者の立場でしたが、今では自分たちが何をするべきか、何をしたいのかを考え、自ら選択しています。決定権を持つという意味で、真の自立をしてきています。
参加している女性たちに変化はありましたか?
たくさんあります。例えば、ボダは慣習的に女性の地位が低く、社会参加や発言の機会が限られた地域ですが、女性グループの組織化を通して政府と対話をする力をつけて、助成金を得られるまでになりました。HFWは彼女たちを支援しましたが、奇跡を起こしたのは彼女たち自身です。また、忘れてはならないのは、日本からの支援なしには、このような奇跡を起こすことができなかったということです。この場を借りて、支援者やボランティアのみなさん、寄付者のみなさんにお礼を申し上げたいです。
改めて、どのような思いでHFWの活動を始めたのか教えてください。
私は貧困家庭で育ち、5人の兄弟姉妹を慢性的な飢餓で亡くしています。両親が食料や医療が十分ではない村の出身だったからです。そのため、子どもの頃から、誰もが食料を得たり、教育を受けたり、平等に機会を得られる社会が必要だと感じてきました。飢餓のない世界を創ることは、私の人生をかけた目標です。飢餓をなくすには、誰一人取り残さないことが大切です。
2024年度から新しい中期計画が始まりますが、どのようなことにチャレンジしていきたいですか?
コミュニティをエンパワーして、自立した地域をつくっていきたいです。その上で、2030年には今の活動地での支援を終えて、他の地域を支援できるようにしたいです。また、いずれは日本からの支援に100% 依存するのではなく、国内でのパートナーシップを推進することで、バングラデシュ支部をより強い組織にしていきたいです。