ウガンダ事務局長にインタビュー
2019年の転換期からウガンダ支部の事務局長を務めるロバート。活動の原点や大切していることについて聞きました。
NGOで働くきっかけは何ですか?
国連機関のコンサルタントとして、ウガンダ北西部の難民キャンプに滞在したことです。私はエアコン付きの車やホテルを使っていたのに対し、難民キャンプの人たちは灼熱の暑さに耐えていました。私には十分な食事があるのに対し、彼らは飢えていました。彼らも同じような生活を望んでいるはずなのにです。その時、自分にできる限りの方法で、こうした人たちの生活を変えるために何かをしたいと決意しました。そして他のNGOでの経験を経て、2019年からHFWのウガンダ支部事務局長として働いています。
養鶏を営む住民とロバート氏(左端)
HFWは、住民のグループ化を進めて、能力強化や収入創出などに取り組んでいますが、活動で大切にしていることは何ですか?
「尊重」です。住民の中には、他の組織や行政から何度も約束を破られたり、高圧的な態度を取られたりして、失望したことがある人がいます。押し付けるのではなく対等なコミュニケーションをとりながら、一緒に解決策を見つけることが必要です。
「尊重」には活動の中心が住民であることも重要です。私たちは、サポートはしますが、彼らに代わって決定することはありません。彼らが協力して考え、行動できるよう「エンパワー」しています。
まさにHFWが掲げるミッション「エンパワー」とバリューのひとつ「尊重」ですね。課題はありますか?
もちろんたくさんあります。外的には気候変動が大きく、農家にとって厳しい状況です。雨が足りずに作物が育たなかったり、逆に多すぎて土壌が流されたりしています。農村部では過疎化やジェンダー格差も深刻です。
HFWの活動では、どう能力強化をすればよいか難しさを感じることがあります。支援を卒業しても「食料への権利」を実現し続けられる力を、住民たちは身に付けなければなりません。それには学校の授業形式ではなく、彼らの生活や習慣に合わせた学びが必要です。
これまでの支援を通じ、収入や栄養面の向上だけでなく、住民が自信を持ち、主体的になってきたと感じています。スキルを身に着けて地方政府に就職した人もいます。今後も、理解度に応じ、ゆっくり進めることを大切にしたいです。
このような活動を支えてくださっている日本のみなさまに感謝いたします。これからもいただいたご寄付は、責任を持って使わせていただきます。