社会人などを中心に13名が参加
2月24日、飯田橋NATULUK会議室で、ゆうちょ財団助成事業報告会 “ハコモノ支援で終わらせないコミュニティづくりのカギ”を開催しました。HFWがベナン行った学校建設事業をもとに、ハードの支援を住民主体の地域づくりにつなげるHFWの取り組みについて報告しました。
第一部では、まず佐藤が事業の概要と背景、成果を紹介しました。2005年に住民の要望に応えて建設した中高一貫校は、深刻な教室不足に陥り、2016年度に新校舎を増築(詳しいレポートはこちら)。その際、校舎建設という単なるハコモノ支援で終わらせないためにHFWが大事にしたのは、住民に「自分たちの学校」という意識を持ってもらうことと、建設・運営におけるHFW、行政、住民それぞれの役割の明確化、そして行政に任せきりにしないで自分たちが動けば改善できるという成功体験の後押しなど、ソフトの部分でした。その結果、校舎建設中は、住民たちや生徒がボランティアで土運びなどの作業に加わり、完成後は、住民たちがたびたび学校を訪れ運営をサポート。大学入学資格試験の結果も国の平均よりも良い成績を収めるようになりました。教育は本来なら行政が担うべき公的サービスに含まれます。それが不十分な場合、NGOであるHFWが建設をサポートしながら住民の主体的な行動を引き出したことで、教育環境の改善と同時に住民の能力強化を図ることができました。
第二部のトークセッションでは、ベナン訪問から帰国して間もないインターン久野が参加。最新の現地報告をもとに、コミュニティのなかでNGOとして果たすべき役割や、HFWの活動の強味や課題、他地域との比較で見た活動地の状況、青少年たちへの期待などについて話を深めました。
質疑応答のなかでは、NGOが単独で活動するだけでなく、いかに恒常的に行政と関わりを持ちながら活動を行うか、その意義についても語りました。活動地以外にも厳しい経済・教育環境の地域がありますが、学校建設を軸に地域住民の自主性を育てコミュニティをまとめた今回の事例は、他地域にも波及させていくことができると伝えました。
トークセッションでは、ベナンの最新の報告をもとに話を深めた
質疑応答では、行政とNGOの関わりなど、多くの質問が出た
参加者の声
現地の人たち自身が地域をよくしようとする気持ちを持っていることに新鮮な驚きがありました。
下からの援助のメリット、住民自身に学校の存在意義を感じさせられるNGOの強さが支援先にとって非常に大切であることがよくわかりました。
現地からの報告を聞ける機会がたくさんあると、自分も何かしたい、何かしないと、と思えます。