
新宿の三角公園で行われた、会場の様子
国際協力を通じて、多様な世代とつながる
日本最大級の国際協力イベント「グローバルフェスタJAPAN2025」が9月28日・29日に東京・西新宿の新宿住友ビル三角広場で開催されました(公式サイト、JANIC紹介ページ)。
外務省や国際協力機構(JICA)をはじめ、約150のNGO・NPO、国際機関、企業、大学などが参加し、「未来をつくる国際協力」をテーマに、SDGs達成に向けた取り組みを紹介しました。
ハンガー・フリー・ワールド(HFW)は、今年もブースを出展し、「支援しなくてよくなる支援」をキーワードに活動を紹介しました。来場者はシニア層から子どもまで幅広く、中高生や大学生など、国際課題を学びに来た若い世代の姿も見られました。会場では、HFW職員が直接来場者に声をかけるなどして、活動の背景や現地の様子を丁寧に説明。学生たちは関心を持って話を聞き、資料を手に取っていました。
一方で、国際協力に関心のある社会人や、かつて啓発インターンとして関わっていた人との嬉しい再会も。会場には国際協力業界の関係者も多く、「久しぶり、今は何してるの?」といった声があちらこちらから聞こえてきました。
「支援しなくてよくなる支援」を伝える展示
展示では、ブルキナファソなどアフリカの活動地での支援内容の中で、食料生産の過程をパネルで紹介。日本では見られない乾燥地帯から、緑になっていく様子は印象的です。自分たちで種をまいて育て、収穫して食べる。そんな営みから、HFWが大切にする「自立を支える支援」の考えを伝えました。
「支援しなくてよくなる支援」というメッセージを掲げ、もらう支援にとどまらず、地域が自らの力で飢餓から脱することの重要性を来場者と共有しました。
来場者の中には、海外出身で「自分の母国で活動する団体を探している」という人や、企業のCSR担当者として「NGOとの連携の可能性を知りたい」と訪れた人も。他の団体とどう違うかといった質問をいただくことも多く、「慢性的な飢餓に取り組み、特に協同組合へ支援している」とお答えしていました。
2025年は「国際協同組合年(IYC2025)」にあたります。ひとりでは脱するのが難しい飢餓でも、地域でまとまって取り組めば飢餓をなくしていくことはできます。協同組合が自立して運営できるよう支援することで、ひいては地域やコミュニティが自立することにつながります。
今回の出展では、理事や事務局スタッフ、ボランティアなど、組織全体が協力して参加しました。普段は外部と接する機会の少ない管理部門の職員もブースに立ち、HFWの活動を直接伝える経験をしました。職員の石川は「初心にかえり、あらためて自分たちの活動を振り返るきっかけになった」と語りました。
見知らぬ人を、知っている誰かへ
グローバルフェスタは一般の人が国際協力を知る、数少ない機会です。
多くの人に活動を、そして現地の人たちを知ってもらうことで悲しい誤解や偏見が生まれないよう、親近感を持っていただけることを願っています。見知らぬものは恐いと感じることもありますが、知ることで世界は変わります。
誰かの暮らしを知ることで、その国が“遠い世界”ではなく“自分の知っている場所”になる。そんな瞬間を増やしていけるよう、HFWはこれからも国際協力の現場と人々をつなぐ場として、このイベントへの出展を続けていく予定です。
ブースに立ち寄って、職員の説明を聞く学生
HFWブースでは、ブルキナファソの食料を自給していくまでの過程を写真で展示
当日は、こんなにたくさんの出展とプログラムの実施がありました