5月26日~27日に、日本が議長国となる首脳会議(G7サミット)が三重県・伊勢志摩で開催されます。日本、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア、カナダの首脳、欧州理事会議長及び欧州委員会委員長が集まり、経済課題や外交政策、難民問題、気候変動など、地球規模の課題について議論します。 今回は2016年1月に「持続可能な開発目標(SDGs)」が施行されてから初めて開催されるサミットです。目標達成に向けたG7としての意欲の表明と具体的な体制づくりができるかどうかが一つの焦点になります。
*SDGs:持続可能な開発目標。国際社会の共通目標で2030年の達成をめざす。
詳しく見る 国際連合広報センターのページ
飢餓をなくすことにつながるの?
飢餓を引き起こす一因となる国際的な食料価格の高騰や、温暖化による作物の不作などは、地球規模の課題です。2008年の洞爺湖サミットでは、世界の食料価格の安定を図り農業支援を増やすことなどが議論され、改善につながっていきました。今回、「飢餓をゼロに」を目標の一つに掲げるSDGs達成への枠組みが示されることは、解決に向けた第一歩がふみだされることになるといえます。
NGO/NPOとのかかわりは?
国が直面している課題は、NGO/NPOがその解決のために取り組んでいる分野でもあり、NGO/NPOは日頃から最も影響を受ける人々の声を吸い上げています。G7サミット参加国もNGO/NPOの声を聞く必要性を認識し、2002年から対話が始まりました。2005年以降はサミット開催の準備段階から終了後にわたってNGO/NPOと意見交換する体制が整いました。HFWは日本のNGO/NPOで構成される「G7サミット市民社会プラットフォーム」に加盟。SDGsの国内実施体制について外務省をはじめ関係機関や議員に政策提言を行なっています。
サミットに向けた日本のNGO/NPOの活動
2015年4月:議長国のドイツ首脳とNGO/NPOとの対話の場「Civil G7」に参加(ベルリン) 2015年9月:各国の市民社会組織NGO/NPOとのブリーフィング・セッションに参加(ニューヨーク)
2015年11月:情報共有や連携を促進するためのネットワーク「G7サミット市民社会プラットフォーム」を発足
2016年2月:情報共有と戦略作りを行う市民戦略会議を開催(ローマ)
2016年3月:日本政府とNGO/NPOが対話する「Civil G7」に参加(京都)
2016年5月: NGO/NPO等と政策提言を行う「市民の伊勢・志摩サミット」、参加国の若者がG7の議題について話し合う「youth summit」を開催
私たちにできることは何?
2008年7月の洞爺湖サミットでは、NGO/NPOのネットワークは、世界の貧困の半減を含む世界の課題の解決を求める71万人の市民の提言を七夕の短冊に綴ってもらい福田首相(当時)に届けました。今回はゴール(目標)を連想させるサッカーボールを用いて、SDGsの目標達成を願う多くの人々の声を集め、安倍首相に伝える予定です。政府を動かすためには、多くの人々が関心を持ち、必要な政策の実施を訴える声が高まることが不可欠です。
サミットの成果、どこを見ればわかる?
サミットでは、その成果が最終日に宣言文にまとめられ、後日外務省のホームページ等で見ることができます。サミットに至るまでにNGO/NPOが提言してきたSDGsの実施体制が、どこまで踏み込んだ具体的な内容で盛り込まれたかにご注目ください。NGO/NPOによる提言内容とサミット宣言文に対する評価は、「G7サミット市民社会プラットフォーム」特設サイトでも発表しますのでぜひご覧ください。