ウガンダのカリャンゴ・カセネネさん【インタビュー】 : 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド HUNGER FREE WORLD     

ウガンダのカリャンゴ・カセネネさん【インタビュー】

笑顔で車椅子に乗るカリャンゴさん

2002年にHFWが実施した基礎調査で、栄養状態、世帯収入、教育や医療などの面で、豊かとはいえないウガンダの中でも平均並みかそれ以下という結果だったワキソ県・ルグジ地区。自身の車いす生活をものともしないカリャンゴさんは、地域住民を巻き込みながら人々の生活を改善するために前進し続けてきました。いくつも役割を持ち、地域で活躍するカリャンゴ・ネルソン・カセネネさんに話を伺いました。


Q.HFWとの最初の関わりを教えてください。

2001年にHFWが学校建設の支援をした当時、地域の準郡長でした。HFWの支援に関する振り返りミーティングに招かれたのが始まりです。

Q.協同組合長以外にもいろいろと取り組まれているそうですが、具体的には何をしているんですか?
小学校の創設者で理事長でもあります。また、準郡長も務めていますが、それだけでは食べていけないので農業と学校の業務も並行して行っています。農業は、5エーカーの土地で2人ほど雇って調理用バナナを育てています。一部は売って私の収入にしますが、大部分は学校の給食用です。

Q.HFWの活動はどのようにご自身の農業に役立っていますか?
ウガンダでは、ほとんどの人が調理用バナナを育てていますが、知識や技術を知らないために、大きな損をしている農家が多いと思います。HFWの研修では、作物の損失や無駄を出さないための知識や技術を学びました。また、適切な農薬の量を知らないと、土地が痩せ、長期的な農業ができなくなりますし、灌漑の知識がないと作物はうまく育たないということも、HFWの研修から学び、実践しています。

Q.学校を始めようと思ったきっかけは?
私自身が小学校の頃、障害があったためにひどい差別やいじめを受けて育ちました。 その経験から、障害者も健常者も平等に教育が受けられる場所があれば良いなとずっと思ってきました。障害者を受け入れる学校を作ることは私の長年の夢だったのです。

Q.今後の目標を教えてください。
協同組合としては地域の作物を集めて販売する直売所を道路沿いで始めることが目標です。小学校では、今後職業訓練を取り入れることが目標です。特に障害のある人が自立するには、手に職をつけることが何より大事です。職業訓練ができる施設を作り、小学校の授業と並行して専門的な技術を学べる場所にしたいです。
 

このようなカリャンゴさんをはじめとする人々の努力と、近年、首都のベッドタウンとしての開発が進んでいる影響もあり、ワキソ県は貧しさを克服しつつあります。そのために、HFWでは同地区での活動を徐々に住民に移譲し、 HFWの支援に頼らず、地域が自立して発展できる日が早く訪れるよう住民の能力強化を進めています。
HFWは、人を育て、「食料への権利」を住民が自らの手で実現できるようにする、終わりのある支援をしています。

以前、理科の授業をするカリャンゴさん

教員免許を持っているカリャンゴさん。写真は10年以上前の屋根と壁だけの簡易的な教室で理科の授業をしている様子

木に囲まれた執務室に座るカリャンゴさん

小学校にあるカリャンゴさんのオフィスは屋外の木々の中。雨が降らない日は快適

学校のトイレに設置されたスロープ

約20年で青空教室は、校舎のある学校に。トイレにはスロープもあり、車椅子の児童も通える


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