特集

2009.12.01 Special Issue No.26

見えない“水” 輸入で成り立つ日本の食 ~世界の水危機と飢餓~2

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INDEX

日本の食は、世界の水問題につながっている

このように、地球上の水は限られているにもかかわらず、人口は増え続け、人々の食生活は変化し、その需要をまかなうだけの食料と、使われる水の量もどんどん増えています。そんな中、日本は必要な水の多くを海外に依存しています。世界の水危機は、決して他人事ではありません。


世界の水を節約するには

水需要の多くは食料のためのもの。まずは農業用水を節約する工夫が必要です。水を節約しながら農作物を生産できるよう、各地の状況にあった技術開発や支援を行っていくことが求められます。

そして、先進国で一位二位を争うほど食料自給率が低い日本の食のあり方を変えていくことも重要です。農林水産省によれば日本は年間約1900万トンもの食料を廃棄しています。大量の食料を輸入して大量に捨てているので、食べ物の無駄を減らせば、食料と同時に輸入している世界の水を節約することができます。

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川魚はバングラデシュの人々の貴重なタンパク源


私たちにできること

私たち一人ひとりが、どのくらいバーチャルウォーターを使っているのか、毎日の献立や外食がどのくらいの見えない水を消費するのか、意識しながら暮らすことも大切です。もちろん、バーチャルウォーターを多く使っている食べ物を調べて、それらをすべて食べないようにすることは現実的ではありません。

でも、食べ物の裏側には水があるということを意識して、できるだけ国産のものを選ぶ、食べられる分だけ買って食べ残しをしないなど、世界の水を節約できる食生活を心掛けることからはじめることは、できるはずです。

毎日のお米ひとつぶも大切に食べる―。それが、食べ物だけではなく“水”を世界の人と分かち合うことにつながります。


無理な灌漑に頼らない農業を

HFWが活動するバングラデシュでは、国を挙げて近代農業が推進され、大規模な灌漑による米作が奨励されました。しかし、地下水のくみ上げすぎによる塩害や枯渇など、さまざまな問題が起きています。

そこで、HFWでは、無理な灌漑に頼らない有機農業を広めています。大量の水を使う米だけをつくるのではなく、その地域に合った作物を組み合わせて育てるようにしています。また、たい肥を使って土の保水力を高めるよう土壌改善を行い、大規模な灌漑を行わなくても十分な収穫が得られるよう工夫し、水の使いすぎを防いでいます。

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畑用に、雨水を貯めるため池を設置


「見えない水」を知ろう!
日々の食生活で、どのくらいの水を使っているのか、計算してみませんか?

仮想水計算機
米やパンなどの主食、お肉や野菜、くだものなど種類別、重量別にバーチャルウォーター量を計算できる環境省のサイト。