ブルキナファソ 地域発展のカギ : 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド HUNGER FREE WORLD     

ブルキナファソ 地域発展のカギ

栄養不良で赤ちゃんの命を落とさせない

ブルキナファソで5歳未満児死亡率が高い背景に、質も量も足りない食事に加え、妊娠中のお母さんの栄養状態が悪く未熟児で生まれる傾向があることや、不衛生な環境で感染症や下痢などを引き起こしやすいことなどがあります。活動地では、もともとは国の事業として乳幼児と妊産婦対象の栄養改善事業が行われていましたが、資金難により拠点となる栄養改善センター(CREN)が閉鎖されてしまいました。「事業がなくなってから、毎年のように赤ちゃんが亡くなるのを見てきました」という住民たちの声をうけ、HFWが建物と経験あるスタッフを再活用する形で2005年に事業を再開しました。週に3回乳幼児たちの体重や身長を測定し、栄養がゆを提供。お母さんには家庭でも実践できるよう、栄養指導を行い、家庭訪問などきめ細かくサポートしました。その結果、2018年までの13年間で保健センター管轄の13ヵ村2219 子どもたちを支援し、1619名が栄養不良から回復しました。HFWの活動地4ヵ村に限れば栄養不良がほとんどいなくなったこと、HFWが事業を継続するなかで、本来の役割を果たすべき保健センターのしくみが強化されたことから、HFWの事業は2018年12月末で終了しました。2019年度からは、行政に運営を委ね、HFWは妊産婦対象の母親教室を実施し、治療が必要な妊産婦がいれば母子保健センターを紹介するという、住民と行政の橋渡しをしています。

母子保健センターで栄養がゆを食べる赤ちゃん

女性たちの収入を増やすことで、家庭内の栄養状態を改善

母親たちは、得た収入を家族の食事のためや生活全般の改善のために使うので、母親に収入があることが家族の健康状態や生活改善のカギとなります。そこで活動地の4ヵ村で小規模な貸付(マイクロクレジット)を実施しています。各村の女性たちはグループを作り、元手をもとに、タマネギや、地元で使われる調味料の販売、精米、地酒づくりなど、それぞれ自分たちでアイデアを出して事業を実施。いずれのグループもこれまで一度も返済が滞ったことはなく、順調に利益を上げています。こうして得た収入は、食費のほか子どもの教育費などにあてることができています。この事業は、同時に女性たちの意欲を引き出し、仲間との連帯感を強めることにもつながっています。HFWのサポートを離れて、自主運営するグループもすでに出て来ています。

タマネギを販売して収益を上げる母親グループ

啓発活動を通じて、住民の生活に変化が

月に1回、事業の担い手たちが、栄養、衛生管理、「食料への権利」などについて啓発集会を開催しています。また、毎年10月の世界食料デーに合わせて、食について考えるイベントを開催。「食料用作物と換金用作物のバランスを考えて生産する」「食料を計画的に備蓄・消費する」「地域に合った穀物を生産・消費する」「環境保護のために、薪などの資源を節約する調理法に変える」など、住民の食への意識がより高まり、日々の生活で学びが実践されています。

(2020.02.26)

「食料への権利」が侵害されている事例を考える