子どもたちの栄養改善と、お母さんたちの経済的自立を支援
2005年から、首都ワガドゥグにほど近いクブリ郡で地域の保健センターを拠点に、その周辺住民の栄養改善と収入向上などを目的とした活動を進めています。
5歳未満児死亡率が高いため、HFWでは、栄養不良の5歳未満児を対象に定期的に栄養粥を提供し治療を行っています。また母親に栄養指導を行い、家庭でも栄養のある食事がとれるようにしています。また、小学校で給食を提供。栄養状態が改善した生徒たちは、集中力もアップして学力がつき、中学校への卒業試験でも国の平均を上回る好成績を残しています。
また、活動地では一日1.9ドル以下で暮らす貧困層が大半のため、十分な食料を購入できるよう現金収入を増やす必要があります。家族の健康のカギを握る母親たちを対象にしたマイクロクレジット事業(小規模貸付)や、ヤギを飼育し、繁殖させて販売する家畜事業も行っています。
ブルキナファソ支部の職員ら
アフリカ西部のサハラ砂漠の南に位置する内陸国
どんな国?
サハラ砂漠の南に位置する内陸国で、乾燥地帯の厳しい気候のなかで国民の大半が自給自足の小規模農家です。雨水に頼る伝統的な農業のため、異常気象による干ばつや不安定な降雨量の影響を受けやすいこと、土壌環境の劣化によって農業の生産性が低いことなどが原因で、常に食料不安にさらされています。一方で、「高潔な人々の国」を指す国名どおり、国民性は穏やかかつ勤勉で、文化に愛着を持った60以上の部族が共存しています。
雨期以外は乾燥が続く。子どもたちの後ろに見えるのは穀物貯蔵庫
活動の背景と課題
内陸国でインフラが未整備のため物流コストがかかり、もともと食料価格が高めです。現金収入が少ない農家では異常気象による作物の不作に直面すると食料調達が困難で、一日1回か2回の食事で、内容も炭水化物に偏るなど栄養不足が生じています。また、活動地では家計に占める食費の割合が約7割と非常に高く、食料価格の高騰や作物の不作が起こると、食事の回数を減らす、質を落とさざるを得ず、特に免疫力の弱い子どもたちは栄養不良に陥るリスクが常にあります。男性優位の社会で女性、子どもの食事が後回しになっており、栄養知識の普及と女性の収入向上が課題です。
杵と臼をつかって雑穀のミレットを脱穀
データで見るブルキナファソ People’s Republic of Burkina Faso
項目 | 内容 |
---|---|
面積 | 27万4200k㎡(日本の約70%) |
人口 | 1865万人 |
主な産業 | 農業(粟、とうもろこし、タロイモ、綿及び牧畜) |
1人あたり国民総所得 | 640米ドル |
5歳未満死亡率(1000人中) | 85人 |
妊産婦死亡率(10万人中) | 371人 |
平均余命 | 60年 |
成人識字率 | 35% |
1日1.9ドル以下で暮らす貧困層の割合 | 44% |
*出典:ユニセフ『世界子供白書』2017、外務省ホームページ
壊れた井戸を修正することで清潔な飲み水を確保
食べるよころびを育む4つの活動~ブルキナファソ~
乳幼児と母親を対象に、栄養改善事業を実施
効果的な提言のためのネットワークの勉強会
紙芝居教材で生活に必要な知識を住民に伝える
若い力を育てる
(活動規模:約40名)
憲法改正が予定されているブルキナファソでは、「食料への権利」が明文化されるよう、青少年が主体となってキャンペーンを実施。メディアや政治家などから注目を集め、効果的な活動を展開しています。
子どもたちが関心を持てるよう寸劇で伝える