海外支部における資金の不正流用について ご意見、ご質問 : 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド HUNGER FREE WORLD     

海外支部における資金の不正流用について ご意見、ご質問

みなさまからのご意見、ご質問

HFWは第一報以降みなさまにご意見とご質問をうかがい、要因分析に欠けている視点がないか、 適正化施策でもっとできることはないか、貴重なご意見をお寄せいただきました。

右側のをクリックしてお読みください。


もっとコミュニケーションが必要ではないでしょうか

正会員 (総会にて)

HFWは、昔はボランティアも職員も一緒に合宿をするなど、もっと和気あいあいとして、関係者のコミュニケーションが盛んであったと思います。

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支部とも信頼関係が強かったのではないでしょうか。これを機会にもっとコミュニケーションを増やして、みんなで取り組もうという雰囲気が高まればよいと思っています。

【HFWより】さまざまな規程やガイドラインを作成し、事業の評価及ぴ整理と集中を進めるなかで、組織が硬直化していた面がありました。改善をしたのに組織に浸透しておらず実効性がなかった、という今回の反省を踏まえ、「相互理解、双方向でのコミュニケーション」を適正化施策(7)「資金を大切に使う組織風土の強化」の視点として取り上げさせていただきました。


お給料は十分でしたか?

カウントボランティア (ボランティアのみなさまへのご説明の場にて)

横領の動機が給与への不満ということが考えられる場合には、ちゃんとお給料が払えるだけの人を雇う、そのためには活動国を減らすということも考えないといけないのではないでしょうか?

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【HFWより】前事務局長が否認しており、給与への不満が動機かはわかりませんでしたが、一般的な社会生活を送るにあたって、生活に困窮して横領をするような給与の支払い状況ではないこと、 給与額にも同意して入職していることを確認いたしました (※)。しかし、求める能力や資質に対して十分な額なのか、あるいは物価上昇などに対応しているのか等、待遇は継続的に見直される必要があります。正当な給与を払えるだけの規模にというご意見は、不正防止及び人権(SR)の観点で必要なことと捉え、今後の検討に生かしてまいります(適正化施策(13)「職員が不満を抱かない組織運営」)。

※詳しくは要因分析「参考:給与への不満は、組織への恨みになるほどの強いものではないと考えています」をお読みください


フォローアップや日々の研修などもしっかりやることが必要です

認定NPO法人 国際協力NGO センター(JANIC) 事務局長 若林秀樹さん

昨年、ハイチでのNGO 職員による買春行為をきっかけに、NGO の性的搾取やハラスメントの問題が世界的なニュースとなりました。日本では、難民キャンプ事業で助成金の目的外使用や近親者を関わらせての資材調達による不正が発覚した団体、助成対象外の事業実施や報告が適切でなかったことが判明した団体がありました。緊急人道支援団体による圏内で起こした事件は、書類送検までされています。このように社会の厳しい目があるなかで、NGOが説明責任をいかに果たしていくかは重要な問題です。

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JANICでは、組織の健全さを測るアカウンタピリティ・セルフチェック(ASC)※1の見直しを計画しています。取得するだけでなく、団体がどのようにASCを日常的に運用しているのかを確認するのが課題です 。
また、JANICの会員には、こういうことを守ってほしいというJANIC憲章(仮称)を準備しています。入会時にサインすることでJANICは、市民社会組織として、説明責任を果たせる団体の集まりだという流れをつくりたいです。

イギリス、オーストラリア等では、先ほどの性的搾取問題にMe Tooムープメント※2が重なって社会問題に発展したため、政府もNGOの取り組み方針を定め、基準を満たしていない団体には資金を出さないことになりました。日本はまだですが、説明責任を果たす基準や仕組みづくりは、HFWもやり、JANICもやり、日本政府もやる、というふうにしなければと思います。

さらにルールや方針を定めても、その趣旨に則った運用がなされなければ意味がありません。先ほどのイギリスのNGOも人道支援の必須基準にサインはしていましたが、それが守られませんでした。規定を職員全員が隅々まで理解して実行しようとする文化がなかったということです。HFWの件も、改善はしたのに徹底できていなかったことが垣間見えます。フォローアップや日々の研修などもしっかりやる必要があります。

HFWの適正化施策については、取引業者の登録制や事務局長の評価は、不正の抑止に一定の効果はあるでしょう。通報制度は、内部だけでなく、さらに外部からも通報できるようにするとよいと思います。
ただし、対策はやろうと思えばキリがありません。問題点をクリアにしたうえで、優先順位を決めて実施するのが当然の流れで、組織の体力を超えて過剰にやりすぎるのではなく、採用した施策を確実に実施していくことが重要かと思います。ビジネスで重要視されている人権の尊重等に適切に対応している企業は、過去に失敗し、社会的批判を浴ぴて学んだことからスタートしたケースが多いようです。改善せざるを得ないなかで目覚ましい対応をして、社会から信頼を得ているのです。
HFWも、個人の善意や税金で活動していますので、組織が適切に運営きれていると思ってもらえるために、今回の対策と進捗状況を広く公開することが大切です。

理事会や総会の議事録や、財務諸表を見れば、どのような団体かある程度わかります。どのくらい情報公開しているかは信頼できる団体の一つの尺度になると思っています。

※1アカウンタピリティ・セルフチェック:JANICにより、NGOが社会からの信頼に足る組織づくりに積極的に取り組むよう作られた認証制度です。これは、1.組織運営基準 2. 事業実施基準 3. 会計基準 4.情報公開の4つの分野で41項目におよぶ必須項目と強化項目をNGO自身が自己審査するものです。2008年に始まり、2012年に改訂。HFWも取得しています。
※2 Me Tooムーブメント:セクシャルハラスメント被害を告発する運動で、2017年から世界的に広がりをみせています。


今回の件は、突き詰めれば人事の失敗ではないでしょうか。
「みんなで」というHFWの個性を大切にして適正化施策を進めてほしいです

特定非営利活動法人 シーズ ・市民活動を支える制度をつくる会(シーズ)代表理事 関口宏聡さん

シーズは、NPO法人制度や寄付税制など の政策提言(アドポカシー)活動と普及活動に取り組む団体です。その一環でNPOの不祥事の調査研究を続けています。NPOの不祥事をきちんと調べ、再発防止に役立てたいという思いで取り組んでいますが、会計不正だけでも、未だ公益法人や学校法人、社会福祉法人等で何億円という単位の不正が報道 ・報告されています。

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もちろん不祥事は企業セクターにもありますが、チェック役である監査役のネット ワーク「日本監査役協会」が組織されている、不祥事の内容と原因、再発防止策をまとめた書籍があるなどしており、NPO側でも参考にして同様の取り組みができないかと考えています。

また、不祥事は今回のような会計分野だけでなく、労務トラブルや人命に関わる事故、個人情報の漏洩など様々なテーマがあります。さらに、それらの不祥事は軽微なものから重大なものまで様々なレベルが存在しています 。そのレベルに応じて妥当な処分や適正化施策が実行されるような相場感も醸成したいと思っています。

「不正をゼロにする」のは私たちもめざしていますが、現実に達成するのは不可能です。不正ゼロ目標が行き過ぎて、本来の社会課題解決が遠のくのは本末転倒ですし、むしろ過度の不正防止施策が不祥事を引き起こすなど逆効果になるケースもあります。行き過ぎた処分や適正化を社会が求めていくようになると、逆に不正を隠蔽しようという作用も働いてしまいます。問われるべきは、不祥事を防ぐように最善の努力をしているか、起きてしまった時に真撃に対応しているか、という姿勢・倫理観だと思っています。

今回のHFW のケースは、防止策が十分でなかったことは問題と言えますが、内部調査で本件を発見していることをはじめ、その後もきちんと情報公開を行い、第三者による調査をしっかりと実施し関係者の処分も行っています。不祥事を起こした団体のなかには、メディアによる報道で発覚する団体や、原因究明等の調査を行わない団体、情報を公開せず隠蔽する団体、責任の所在をうやむやにする団体もあります。
その点でHFW は自ら調査し、自主的に報告し、適正化に取り組んでいることは評価しています。

今回の件は、会計分野で発生していますが、突き詰めれば「人事の失敗」ではないでしょうか。ウガンダの前支部事務局長は、当初は人々のため、公益のために身を捧げようと活動を始めていたのに、本件が発生するまでの、どこかでゆがんでしまったわけです。その兆候を見逃し、初心に戻る機会、引き戻せるチャンスを全て見逃してしまったのは、HFWにとっても、前事務局長にとっても、大変残念に思います。

HFWは、会員の方の声にあったように、元々和気あいあいとした雰囲気があって、みんなで手を動かしながら飢餓という世界的な課題に立ち向かっていて、しかも日本発の団体であるという、NGOのなかでも貴重な個性を持っています。それらを大切に、初心を忘れず、今後の適正化施策を進めてほしいと願います。


多くの人々に情報を発信し、反応を直接受け止めることが貴重な機会となります

IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表、社会的責任向上のためのNPO/NGOネットワーク幹事、特定営利活動法人JEN理事(2018年9月新任) 川北秀人さん

不祥事を起こした組織は、どのように再発防止を進めるべきか。自分自身がまさに実践せねばならない団体を率いることになったため、コメントを述べるには適切ではないかもしれません。しかし、当事者として痛切に感じ、実践しつつあることとして述べたいと思います。

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非営利組織は、自分たちが生産性を高めて得た資金などを、自分たちだけで分配するのではなく、より良い杜会づくりのために再投資します。そんな非営利組織にとって大切なことは、支援してくださる方たちや、支援の対象となる方たちと、「ともに」進めていくことです。
非営利組織において、業務やコミュニケーションに正確さや効率が求められるのは、自分たちの取り組みを大きなしくみへと育てるために、より多くの人々に共感され、信頼され、参加 ・協力してもらうため。だからこそ、現場の様子を発信し、組織の情報を開示し、対話の機会を設ける必要があるのです。株主と役職員のために利益の最大化に努める企業できえ、市場・顧客や従業員にどう貢献できたか、その信頼を得るためにどんな努力をしているかを、ホームページやSNSなどを利用して広く発信しています。また、社内においては、従業員同士のミーティングなどの機会に、その貢献や努力を実感できるよう知恵を絞り、時間やお金をかけています 。
こうやって社会や従業員の反応を直接受け止めることが、「誰にどう貢献することが、成果や信頼に結びつくか」を体感する貴重な機会となります。最後に、ひとりの人間として「『ありがとう』と『ごめんなさい』 は、まっさきに、心の底から」ということを心がけています。ご協力に感謝するとともに、試みが成果に結び付かず、あるいはミスを起こしてしまったときには、率直かつ真撃にお詫びする。そして、原因を確かめ共有する。簡単でない課題に挑むからこそ、感謝と改善には人一倍前向きであり続けましょう。


ご意見・ご質問をお待ちしております。メール:uganda2019@hungerfree.net、電話:03-3261-4700
本部事務局長 石川圭(2019年10月1日新任)、広報・資金調達マネジャー 田中梨佳 宛までお願いいたします。

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