今回は海外事業を担当している細井ななさん、寺尾美菜子さん、槌谷保子さんにフォーカスを当てます!
ブルキナファソ:キーパーソンを尊重しながら住民と対話を重ねる
どのような仕事を担当されていますか?
細井:グローバル管理マネージャーという役割で、各事務所の円滑なオペレーションにつながる制度やシステムの管理を担当しています。
寺尾:HFWの活動国のうち、英語圏であるバングラデシュとウガンダを担当しています。海外の支部とやり取りをして、各国の事業を東京の事務所からバックアップしています。
槌谷:私は寺尾さんと同じ業務ですが、フランス語圏のベナンとブルキナファソを担当しています。
なぜHFWは海外支部に駐在員を置いていないのですか?
細井:地域の人たちのエンパワメントを大切にしているので、海外職員の自律性を尊重するという考えでHFWの設立当初から駐在員を派遣しない方針をとっています。
左から 細井なな:グローバル管理マネージャー、寺尾美菜子:プログラムオフィサー、槌谷保子:プログラムオフィサー
仕事にどのような姿勢で取り組んでいますか?
細井:「人が好き」という気持ちが大きいです。「明日をもっと楽しく安らかに」という誰もが持つ純粋な気持ちに従ってみんなが協力する社会ができていくのが地域開発の目的だと思っています。
寺尾:地域の人たちが自分たちの地域の課題に主体的に取り組めるよう支援を行うことが大切と感じています。また、日ごろから現地事務所のスタッフとのコミュニケーションを丁寧に重ねることを大切に考えています。実際に地域の人たちと接している現場のスタッフから、人々がどのように暮らしていて、どのような姿を目指しているのかという現場の様子を教えてもらいながら、活動について考えています。
槌谷:相手にこちらの意図が正確に伝わるように心を砕いています。コミュニケーションの相手と文化的背景が異なるので、こちらの想定とはまったく異なる捉えられ方をすることがあります。エンパワメントは地域の人たちのみならず支部のスタッフにも重要だと思っているので、「彼らはどう思っているのか、どうしたいのか」を引き出せるように質問をなるべく詳細に書く、比喩を使うなどの工夫を行っています。寺尾さんは、メールの文面の冒頭・末尾を工夫して感情が伝わるようにするなどの工夫をしているので参考にしています。
2021年末にブルキナファソ支部が活動してきたクブリ群がHFWの支援を卒業しました。これが成し遂げられた要因は何でしょうか?
細井:私たちは支援活動に取り組むうえで地域のコミュニティの人たちの自立を基準にしています。地域と自立、支援終了のイメージを共有し、徐々にHFWの支援を減らしていくことで、自治体や地域のリーダー、市民組織など地域の人たちが食料への権利を守る活動が継続できると判断できたら、その地域での活動を終了します。ブルキナファソでは学校給食活動をやる体制、マイクロクレジット(小規模貸付)活動など、事業が地域の人たちによる自主運営に任せられると判断されたため支援終了に至りました。
実際に地域住民に動いてもらうために心がけていることはなんですか?
寺尾:みなさんが現状を把握して、「こうしたい!」という気持ちを持つことがまず大切と思います、地域住民の間で話し合いをしてもらうことで、自分たちの現在地を把握してもらい、そこからどう変わっていきたいかについて考えるのが始まりだと思っています。
槌谷:自分の問題として自ら解決するという意識を持ってもらうことが大切だと思います。HFWはあくまで併走しているパートナーでしかなく、エンパワーされたみなさんが課題に向き合って、主体的に変化を手繰り寄せてほしいと思っています。
水澤:国内事業とは異なる海外事業ならではの難しさを感じました。そして皆さんの地域の人たちに寄せる期待や熱い思いが感じられて、今後もHFWの海外事業からますます目が離せないと感じました!
阿部:地域の人たちの自立の達成は理想的なゴールの形であると共に、非常に長い道のりでもあると思います。だからこそ、コミュニケーションを大切にすることでゴールに向けて着実に進んでいく必要があるのだと分かりました!
2023年6月収録。役職名は当時のものです。
文責:フードシステム変革推進チーム学生インターン 水澤