16年目にしてクブリ郡での支援を完了。自治体と住民によって取り組みは継続されます : 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド HUNGER FREE WORLD     

活動レポート ブルキナファソ

2022.08.05 ブルキナファソ

16年目にしてクブリ郡での支援を完了。自治体と住民によって取り組みは継続されます

     

HFWの支援から卒業した4ヵ村の女性組合の代表とHFWブルキナファソの事務局長が宣誓書に調印

2021年末、これまでハンガー・フリー・ワールド(HFW)ブルキナファソ支部が活動してきたクブリ郡の4ヵ村での活動を完了。活動地全体がHFWの支援を卒業するのは初めてのことです。2006年に開始したクブリ郡での活動ですが、2008年から取り組んできた組合の支援と、2018年から3ヵ年計画で取り組んできた貧困世帯を対象とした栄養改善事業を最後に、全事業が地域による自主運営に移行し、HFWの支援から卒業しました。

12月18日、4ヵ村の女性組合がHFWの支援から卒業する調印式を開催しました。多くの地域住民や127名の組合員、行政や地域のリーダーなどが参加。1年間をかけて、支援完了に向けた組合との合意形成や、地域のリーダーや自治体との協力体制を整えるなどの準備をしてきました。そして、多くの参加者が見守る中、マイクロクレジット(小規模貸付)事業の自主継続が宣言されました。これまでも、この事業を通して組合員が起こした事業は地域全体に貢献してきました。今回参列した自治体や地域のリーダーからは、引き続き助言などのサポートを得られる予定です。

2018年に開始した貧困家庭や栄養不良の2歳未満児などを対象とした栄養改善事業は、「世帯の食事多様性スコア」を用いて基礎調査を行い、3ヵ年計画の目標を設定。開始時に4.06だったスコアを、2020年までに半数以上の家庭で5に増やすという目標でした。2020年の評価では目標を達成できず、2021年も弱点の強化に焦点を絞って取り組みました。結果は4.79で目標には達しませんでしたが、事業の対象者は、どのような食材に、どのような栄養が含まれているのかを十分に知り、栄養バランスを意識して食べるようになりました。今後はHFWの支援がなくても、事業を通して得た知識をもとに住民たちの食生活は年々改善されていくことが期待されます。

2022年以降、HFWは引き続き国政へのアドボカシーや、ブルキナファソ全土に向けてラジオを介して行う啓発活動などを継続しつつ、新しい活動地での事業を始動させています。住民が主体的に地域の課題解決に取り組める仕組みを提案し、定着させることに力点を置き、丁寧に事業を計画・遂行していきます。

組合員や自治体の代表者、地域住民が調印式に参列

栄養価の高い食材やその調理法を伝えることで地域の栄養改善に貢献

個別に家庭訪問をしながら生活状況のヒアリングや栄養についての知識を伝えた

Message from Burkina Faso

HFWが15年間、住民に支援と投資をし、能力強化や意識啓発をしてくれたことに感謝しています。HFWが介入してくれたことは私たちにとって幸運で感動的なものでした。HFWが残した有形無形の遺産はかけがえのないものです。HFWの支援完了に際し、取り残されるような気持ちになりますが、今後も住民の幸せのためにHFWが取り組んだ事業を継続していくことを約束します。

レオン・ウエドラオゴ(ゴムトアガ村の農家代表)

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