自立を見据えて。収益と運営から読み解くルグジ協同組合 - 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド HUNGER FREE WORLD     

活動レポート ウガンダ

2026.08.12 ウガンダ

自立を見据えて。収益と運営から読み解くルグジ協同組合

ルグジ協同組合員と、トラクター

「食べられる毎日」を支えるしくみへ。ウガンダ・ルグジ協同組合の今 

 「以前は、12食しか食べられない日もありました。でも今は、子どもたちに3食食べさせることができます。ウガンダの活動地域では住民たちからこのような声が聞かれるようになりました。収入が増えたことで、子どもの学費や医療費にお金を使えるようになった家庭もあります。 

 ハンガー・フリー・ワールド(HFWはこれまで、ウガンダで「食料への権利」の実現を目指し、農業支援や栄養改善、協同組合の組織力強化などに取り組んできました。2026年には、長年続けてきた活動を住民だけで行えるよう、自立へ向けた最終段階を迎えています 

 ウガンダの首都カンパラ近くの活動地・ワキソ県にある4つの協同組合の中でも、ルグジ協同組合は組織運営能力などの向上に大きな変化が見えました自立までの現在地と併せてご紹介します 

 

大人数なのに、強い団結力ルグジ協同組合とは? 

 ルグジ協同組合は2014年に結成されてからは、現在は426人もの組合員が所属する、HFWの活動地の中でも多くの地域住民が参加する組織です。 

 HFWがこの地域で活動をはじめた当初は、水や衛生環境の改善、栄養指導など、暮らしの基盤づくりが中心でした。その後、住民グループの形成や運営支援を経て、現在は協同組合による自主運営へと段階が進んでいます。 

 ルグジ協同組合では、融資事業を中心に、ヤギや養鶏などの家畜事業、トラクターの貸し出し事業を行っています。農業収入は天候や市場価格の影響を受けやすいため、ひとつの収入源に依存しない、多角的な事業体制づくりが進められてきました。 

 

自立に向けて見えてきた成果 

組織運営能力の向上 

 ルグジ協同組合は、組織運営面での向上が大幅に見られました。 

 まず、会計や記録管理のデジタル化に取り組み、コンピュータースキルやデータ入力を学んできました。活動記録や収支管理を効率的に行えるようになったことで、組合運営の透明性向上にもつながっています。 

 次に、記録管理の徹底がされています。例えば養豚プロジェクトでは、子豚が生まれた際に別の組合員へ引き渡していく仕組みがあります。ルグジでは、その引き渡し先を一覧にして十分に検討し、不公平にならないように運営できるよう管理していました。 

収益源を増やし、利益を生み出す 

 近年は、トラクターや建物など、協同組合が所有する資産を地域に貸し出し、利用料を組合の運営に活かすなど、複数の収入源を持つ体制づくりが進められています。2025年7月には、こうした収入の増加に加え、コスト管理の改善も進んだことで、過去最高水準の利益を達成しました。 

 さらに、ルグジ協同組合では組合員への配当金もほぼ毎年支給されています。多くの協同組合では、十分な利益を確保できず配当に至らないケースもある中、組合員に継続的な還元ができていることは、組合への信頼につながり、組合員が継続して活動に参加する後押しにもなっています。 

家畜を通じた柔軟な返済の仕組み

 融資返済の方法にも工夫があります。例えば、現金収入が不安定な家庭では、家畜を返却することで返済に充てられる仕組みです。こうした取り組みは、現金収入が安定しにくい農村部の状況にあわせた、柔軟な返済方法となっています。

 

収益と運営に残る課題 

融資事業の不安定さ 

 一方で、自立に向けた課題も残っています。 

 特に大きいのが、融資事業の不安定さです。2025年前半には、貸付金の返済が滞るケースが増え、回収率が低迷しました。 

 2026年の収益計画では、高い利息収入や、ほぼ全額に近い返済率が見込まれています。しかし、これまでの実績を考えると、実現には慎重な見方も必要です 

農家を取り巻く状況の変化と組織運営の課題

 ここ数年で農家を取り巻く状況も厳しくなっています。 

 高い収穫が得られる品種の種子を利用する農家が増える一方で、肥料や水などの価格も上昇しています。その結果、支出が増え、貯蓄が減っていく農家も多くなっています。また、組織運営の面では、新規メンバーの増加が伸び悩んでいることも課題のひとつです。その背景には、農家の厳しい経済状況に加え、若者への広報不足があります。

 厳しい状況の中でも、組合員同士が支え合う相互扶助の仕組みは、協同組合の大きな強みです。今後は、その価値をより効果的に発信し、新たなメンバーの参加につなげながら、持続可能な組織運営を実現していくことが課題です。

 

「飢餓をなくす」とは、地域に仕組みを残すこと 

 HFWがめざしてきたのは、支援がある間だけ食べられることではありません。住民自身が収入や知識を得て、地域の中で助け合いながら、「食べられる毎日」を支え続けられる状態をつくることです。 

 2026年内の活動終了まで、残された時間は半年を切りました。HFWはこれからも、地域の人々が自分たちの力で暮らしを支え続けられるよう、最後の伴走を続けていきます。 

組合員が育てているヒヨコ

ルグジ協同組合の総会の様子。総会では、利益の活用方法や組合の運営方針について話し合いました。

ルグジ協同組合の幹部組合員が地域の団体と交流。組合の活動内容や仕組みを紹介しました。

私が報告しました!

槌谷保子  HFWプログラムオフィサー 

大学生の時にHFWのベナン・ブルキナファソ担当インターンで国際協力デビュー。その後、外務省や国連等で国際協力・アフリカと関わり続け、15年ぶりにHFWに舞い戻ってきました!

マイブームは無添加おやつ探し&(たまに)おやつ作り。

事業概要:4つの協同組合の自主運営化

期間:2014〜2026年 対象地域:ウガンダ・ワキソ県

【2026年へ向けて】

これまで2026年に支援を卒業することをめざし、自主運営のため組合メンバーの能力強化を行ってきました。

現在は住民主体で問題解決を進めていけるよう、試行錯誤しながら取り組んでいます。


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