ダンスや劇で「食料への権利」の大切さ伝える 協同組合がコンテスト開催 : 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド HUNGER FREE WORLD     

活動レポート ウガンダ

2022.12.01 ウガンダ

ダンスや劇で「食料への権利」の大切さ伝える 協同組合がコンテスト開催

 

「栄養不良の赤ん坊を夫に勘当されて、村長に助けを求める母親」という劇の一場面

HFWウガンダが支援している4地域の協同組合は10月18日、「世界食料デー」を記念して「食料への権利」を歌やダンス、寸劇などで伝えるイベントを開きました。各地域の有志グループは、赤ちゃんが十分に栄養を摂ることの大切さや新型コロナウイルスへの対応などをテーマにしたパフォーマンスを披露。観客を楽しませると同時に、協同組合の役割や健康的な食生活の大事さなども伝えていました。

ウガンダでは歌やダンスを通じた表現活動や啓発活動が広く行われており、学校教育にも取り入れられています。有志グループが選んだテーマは、新型コロナウイルスや食料生産、農地を巡る住民同士のトラブル、DV、児童虐待など幅広い分野に及びました。さらにグループのメンバーは、テーマを表現するための歌やダンス、寸劇を自分たちで創作して2ヵ月もの間練習を積み、HFWの資金的なサポートを受けて衣装や楽器、小道具なども準備しました。
当日は、4地域から計212名が参加し、組合関係者以外にも多くの住民が会場を訪れました。舞台では色鮮やかな衣装をまとったグループが素晴らしいハーモニーを聞かせ、別のチームは、ドラムに合わせて激しく体を動かすダンスで来場者の目をひきつけました。
また、寸劇には栄養不良の赤ちゃんを夫に虐待される母親や、裕福な住民に土地を奪われた人々が登場し、権利を侵されることの理不尽さを訴えました。ただ堅苦しい場面ばかりではなく、男性2人が大げさに抱き合って喜ぶなど、笑いを誘う演出も。イベントはコンテスト形式で行われ、優勝と準優勝のチームには、賞品としてヤギが贈られました。
イベントは、HFWが支援する協同組合の1つであるナッケデ協同組合が主催し、HFWは客席やステージ、軽食などの資金を支援したほか、パフォーマンスに関する技術支援も行いました。
HFWは今後も、有志グループのメンバーと継続的にミーティングを実施し、住民主導の啓発活動を強化するため、パフォーマンスのレベルアップを図ります。それによって協同組合の活動が活性化し、住民たちが食料への権利の実現を具体的にイメージして行動を起こせるようサポートしていきます。

 

▼イベントの様子(上映時間:2時間33分、言語:現地の言葉・英語)

新型コロナウイルス感染症に関する歌を披露

「裕福な家族に土地を強引に奪われた住民たちが村長に急いで面会を求める」という劇の場面

カブンバ協同組合のグループが披露したダンス

私はカブンバ協同組合有志グループの一員として、パフォーマンスに参加しました。集落には、土地を持たず農業ができないため、協同組合の活動に参加できない若者もいます。歌やダンス、スポーツなどを通じて彼らが力を発揮できるのはとてもいいことですし、若者の力で地域を変えてくれればと願っています。イベントをサポートしてくれたHFWにも感謝しています。

キャンピレ・プロッシー(商人の女性)

飢餓のない世界をつくることの大事さや協同組合の役割について、ダンスや歌で伝えられるとは思いませんでした。全てのパフォーマンスが素晴らしかったし、集落の住民である私たちも多くのことを学べました。全グループに優勝をあげたいです。

地元農家の男性

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