栄養改善事業の完了を前にしてわかった野菜や果物などの消費不足。意識づけで改善を目指します : 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド HUNGER FREE WORLD     

活動レポート ブルキナファソ

2021.07.01 ブルキナファソ

栄養改善事業の完了を前にしてわかった野菜や果物などの消費不足。意識づけで改善を目指します

 

妊産婦が摂取する必要のある食材を示したイラスト教材

2018年から開始した、貧困家庭60世帯、2歳未満児111名、妊婦13名を対象として、食料事情と栄養状態を改善する事業。2020年末時点で、各村の事業の推進役はハンガー・フリー・ワールド(HFW)のサポートがなくても、行政と連携しながら本事業の取り組みの大部分を自主運営できるようになりました。このことから、2021年末、現在活動を行っている4つの村での栄養改善事業を完了します。この最後の1年間に、HFWでは対象家庭でより健康的な食生活を実現するために、評価を通して数値化され明らかになった食生活の課題を、知識の提供や意識づけによって克服することを目指します。

HFWでは、事業を開始する際に基礎調査を行い、課題や実態を踏まえた上で事業を設計し、実施しています。「貧困家庭の食料と栄養の安全保障」事業の場合、2018年に行った「世帯の食事多様性スコア(HDDS:Household Dietary Diversity Score)」を基に3ヵ年の計画と目標が設定されました。2018年の4.06というHDDSを、2020年までに半数以上の家庭で5に増やすという目標です。

これまで、入手しやすい食材を用いた料理教室、栄養についての啓発イベントや、農業研修などを通して対象者が栄養価の高い作物を栽培し、栄養に関する知識を生かして対象者自身が家族の栄養状態を改善する取り組みを継続してきました。しかし、2020年に再びHDDSを調査した結果、スコアは目標に届かず、平均4.5でした。特に果物の消費は対象家庭の10%のみと非常に少なく、ビタミンAが豊富な根菜や芋、野菜の消費量も少ないこと、また、一部の村ではナッツやマメ科の植物の消費が少ないことがわかりました。

このことから2021年は、果物の旬を知るためのカレンダーを用いたり、事業の推進役が各家庭を訪問して伝えたり、不足している食品群ごとに消費を促すためのポスターを制作・配布するなど、さまざまな手法で意識向上を目指しています。特に、比較的安価に得られる根菜、豆類及び果物の消費を確実にすることが2021年度末の目標スコア達成のカギとなっています。

対象家庭がバランスよく多様な食品群をとる習慣を身につけることで、HFWの事業が完了した後も、支援から卒業した人々が良好な栄養状態を維持し、さらには本事業の対象となっていない近隣家庭の人たちにも知識を普及できるよう、行動変容を促していきます。また、HFWの支援に頼らなくても、事業の推進役を中心として、住民たちだけでできるという自信が持てるよう、2021年の1年間で意識づけにも取り組みます。

世帯の食事多様性スコア(HDDS:Household Dietary Diversity Score)の質問票の一部。前日に家族が食べた食品群を回答している。食べた食品群には「1」、食べていない食品群には「0」を記入している

研修時には感染症対策のため手洗いやマスクの着用を徹底

栄養についての伝え方研修を受ける事業の推進役(2018年撮影)

Messages from Burkina Faso

HFWの事業の推進役が開催した栄養についての啓発イベントに参加してから、自分と家族の健康のために、果物や野菜をなるべく多く取るよう心がけています。
健康な体を作るのに豆からできた伝統食のスンバラが良いということは知っていますが、お金が足りないために十分には食べられていません。
(写真は孫と)

エミリン・ウエドラオゴさん(ウェドビラ村の参加者)

HFWで事業の推進役ができて光栄に思っています。たくさんの研修のおかげで、貧困世帯だけでなくボランティアである私たちも農業や、畜産、栄養についてなどの知識を得られました。栄養価の高い作物を育てることもできるようになったし、普段の食事のバランスを考え、栄養バランスの取れた新しいレシピも教わりました。
HFWが私たちの村から撤退すると聞きました。今回の事業の対象者になっていない農家たちが、生産性を上げる方法や知識を教えて欲しいと、私たちに助けを求めてきます。HFWにはあと1、2年とどまり、支援を必要とする全ての人に支援が行き渡るよう支えてほしいです。

ティエンドゥレベオゴ・キャセリンさん(ピシ村の事業の推進役)