NGOの立場から報告書について語るHFW職員米良
日本の国際協力政策に影響力を持つ人々にHFWをアピールすることができました
5月18日に国連開発計画(UNDP)と国際協力機構(JICA)研究所の共催による、『人間開発報告書2016刊行記念シンポジウム 「すべての人のための人間開発」の実現へ向けて-取り残された人々に光を当てる』が開催され、HFW職員米良が登壇。活動地で実際に人と接して支援を行うNGOとして、数ある団体から選ばれ、報告書の持つ意義とその活用についてや、「誰も取り残さない」ためにHFWが行っている女性と青少年を対象にした支援事例について紹介。日本の国際協力政策に影響力を持つ、あるいは国際協力の現場で活躍する国際機関、研究機関、企業、マスメディア、NGOなど、今後HFWが政策提言活動を行う際に関係が必要な参加者に、HFWの考えや活動を伝えることができました。
基調講演では、2016年度版の主筆のセリム・ジャハン人間開発報告書室長が、持続可能な開発目標(SDGs)で掲げられた「誰一人取り残さない」を受け、本書で、取り残された人々は誰なのか、どこにいるのか、その理由は何かを分析・調査し、誰一人取り残さないために何をすべきか提言していると伝えました。基調講演に続く発表では、米良のほかにロバート・ワトキンス国連開発計画(UNDP)バングラデシュ常駐代表、人間開発報告書諮問委員、勝間靖早稲田大学教授、ゴメズ・オスカルJICA研究所研究員が人間開発報告書の視点から、それぞれの活動に基づき事例を紹介しました。続くパネルディスカッションや質疑応答では活発なやりとりになりました。
※『人間開発報告書』…国連開発計画(UNDP)が毎年発行する報告書。「すべての人はかけがえのない存在であり、等しく価値がある」という考えに基づき、個々の人々の健康や生活の質の向上などをめざした人間中心の開発を提唱。人々の受ける恩恵を尺度にした各国の人間開発指数を発表するとともに、その年のテーマについて深く考察して提言を行っている。120ヵ国以上で発行され、開発にかかわる政府関係者や国際機関、NGOなどを中心に活用されている。
『間開発報告書2016』主筆のセリム・ジャハン人間開発報告書室長
研究機関、企業、学生、マスメディア、NGOなど、関心の高い層から81名(関係者除く)が参加した
参加した方のコメント
大学では事例研究が中心で、文献を読んでいるが、海外で実際に活動している方の話を聞けたのが理解しやすくてよかった。報告書をしっかり読んでいきたい。
報告書では、少数民族や先住民、女性、障がい者といった取り残される人々のデータが上がっているが、たとえば少数民族で女性でさらに障害がある、といった複合的な脆弱性を抱えている人々の存在にしっかり目を向ける必要があるのではないか。