
に いびょーご(現地モレ語で「こんにちは」)!
ブルキナファソ在住の“てんやわんやママ”です。
「“おいしい” ブルキナファソ」をテーマに、
現地の食文化とその魅力をお届けします。
てんやわんやママ
元ブルキナファソ在住 HFWボランティアライター
今回は早速、ブルキナファソのおいしいごはんをお届けしたいと思います。記念すべき最初のブルキナファソ料理は、ザ・定番中の定番「トウ・ソースブルバカ」。
主食は、とうもろこしの粉をお湯とまぜてねったモチモチのトウ。そのトウに、ブルバカの葉と野菜、揚げた魚、スンバラと呼ばれる発酵調味料をまぜたソースをつけて食べます。
いきなり「トウ」、「ブルバカ」、「スンバラ」など、はじめて目にする言葉が出てきて、驚いている方がいるかもしれません。これから詳しい材料や作り方については、写真つきでわかりやすく紹介しますので、ご安心ください。
ブルバカソースの材料
まずは、主食のトウと一緒に食べるソースから。材料は一部日本では手に入りにくいものもありますので、代用案とあわせてご紹介しますね。
ブルバカの葉は日本では手に入りにくいので、モロヘイヤや、手に入りやすい葉野菜と片栗粉で粘り気を出すことで代用できます。
スンバラは「ニレの実」を2〜4日ほど発酵させた調味料。「ブルキナファソ版納豆」とも言える。納豆のようなネバリはないが、匂いは負けていない。スンバラを料理すると、夜まで家中が臭くなってしまいます。
こちらも日本では手に入りにくいので、納豆と味噌を合わせたり、味噌とナンプラーを合わせたりして代用が可能です。
これらを使って、ソースを作っていきます。
ブルバカソースの作り方
→ ブルキナファソは内陸国なので、魚は冷凍された状態で売られていることがほとんどです。凍ったままの魚を骨ごとブツ切りにして、水で内臓を洗い流したら、そのまま熱した油に投入するという、なんともワイルドな揚げ方です。容赦なく油が飛んでくるので、油はねには十分に気をつけてください。揚がったサバは、一旦お皿に置いておきましょう。残った油はあとで使うので、鍋に残しておきます。
→ ブルバカの葉は、あらかじめゴミを取り除き、ボウルで水洗いしておきます。汚れた水を手でしぼり、別の鍋に沸騰したたっぷりのお湯にブルバカの葉をいれていきます。重曹を加えたら、フタをして、しばらくゆでます。
→ ブルバカの葉をゆでている間に、細かく切った野菜を⑴でサバを揚げた油にいれます。
→ トマトペースト、水、スンバラ、揚げたサバを⑶の鍋に加える。
→ ゆでたブルバカの葉を⑷の鍋に加えて、まぜる。重曹を加えたことによって、ブルバカの葉がドロッと、そしてもったりとした感じになっています(これがトウによく絡むんです!)。仕上げにつぶしたニンニクとコショウをいれて、全体をよーくまぜたらブルバカソースの完成!!
こうしてできたソースが、モッチモチのトウと相性抜群!
トウの作り方
トウは、10歳の子どもでも作れるほど、親しみ深い家庭料理です。材料は以下の通りです。
→ 木べらを使って手際よく混ぜていきます。手早く、お鍋にくっついて焦げないように、全体をしっかりと混ぜます。
→ 10分ほどおきます。
→体重をうまく乗せて、リズミカルに混ぜていきます。これだけの量をせっせ、せっせとまぜるには長年の経験と熟練したスキルが必要そうですが、10歳の子どもでもトウが作れちゃうらしいです。
→ お餅のようにくっつきやすいトウを、職人の匠技のように、水にぬらしたヒョウタンのおたまで小分けにします。
こうして、トウ・ソース ブルバカの完成ー!!!
それでは実食!
ブルキナファソには、イスラム教を信仰している方が多くいます。イスラム教徒の場合は、男性の年長者の分を最初に取り分けて、それから女性や子どもたちが食べます。
しかし、訪問した時には年長者が小さな女の子を膝に乗せて、食べさせる光景が…。あれ、女性や子どもは別のところで食べるはずなのに。実はその女の子は、彼の孫。子どもたちがごはんを食べる場所が別に用意されていたのですが、どの国でも孫の存在は特別のようです。おじいちゃんから孫にごはんを食べさせてあげる姿は、日本もブルキナファソも変わらないのではないでしょうか。
他の人たちは、手を使いながら分け合って食べるのがブルキナ流。できたてのトウを手で取るときにはヤケドに注意!端っこの方の少し冷めたところから食べ始めるのがポイントです。
肝心のお味はというと、塩がしっかりと効いたトマトとニンニクの風味に、ほんの少し苦味のあるブルバカの葉がぴったりとマッチしているソース。このソースが、モッチモチのトウと相性抜群。揚げたサバにもよく合い、日本人の口にも合うのではないでしょうか。スンバラの匂いは、ほとんど気になりませんでした。
ごはんが持つパワー
この日は、近所の子どもたちがたくさん集まってきてくれました。でも、みんな公用語のフランス語がわからない上に、外国人を見慣れていないようで、はじめは怯えた様子で固まっていた子どもたちが、ごはんを食べ終えたあと、私のところにわぁーっと集まって、話しかけてきてくれたんです。
最初は外国人の私が手を使って食べるところを、みんな驚いた様子で見ていて。しばらくすると、私が熱々のトウを手で食べるのに苦戦している様子に気づいて、くすくすと笑いはじめて。近くにいた子どもたちが「こうやって食べるんだよ」と言わんばかりの表情(いや、もはや120%のドヤ顔)で、手の使い方を教えてくれるようになって。私は見よう見まねで、みんなのマネをしながら食べて。
気づくと、私が上手に食べられているかどうかを、みんなが気にかけてくれていて。うまく食べられるようになると、顔を見合わせて一緒によろんでくれました。言葉は通じなかったけど、ごはんを食べている間、とにかくそこにはずっと笑顔がありました。
考えてみると、私もこの子たちと同じだということに気がつきました。海外で出会った外国人が「日本食が好き」、「おすしが好き」と言ってくれるとうれしいし、箸を使おうとしていたら、おせっかいなほど一生懸命に持ち方を教えてしまう。へたくそでも、慣れない箸を使って食べようとするその姿勢に、心がほっこりと温かくなって、自然と心の距離が近くなる気がします。食事って、その土地の風土や文化が根付いているものだと思います。だから一緒にごはんを食べるだけで、不思議と仲良くなれちゃうんじゃないかなあ。
「生きるのに必要な栄養を摂る」だけではなく、育ってきた環境や文化、言葉がちがう人と人とをこんなにカンタンにつないで、笑顔に変えてしまうごはんのパワーって、やっぱりすごい。
食べることは人を笑顔にする
ブルキナファソの定番中の定番、トウ・ソース ブルバカをお伝えしました。いかがでしたか?
聞きなれない食材や、見慣れない調理法もあったかと思います。それでも、ごはんを食べる中で垣間見えた、おじいちゃんから孫への愛情、おいしいごはんを食べたときに思わず出てしまう笑顔は、日本もブルキナファソも同じではないでしょうか。
今この瞬間にも、ブルキナファソに暮らすたくさんの人たちが「ごはんパワー」で、笑顔になっているかもしれません
最後まで読んでくださり、ばーるか(現地モレ語で「ありがとう」)!
(2021年5月6日)

トウ・ソースブルバカの完成形

(材料①)サバ、トマト、ピーマン、玉ねぎ、にんにく、トマトペースト、コショウ

(材料②)ブルバカの葉

サバを揚げる

別の鍋でブルバカの葉をゆで、重曹を加える

細かく切ったトマト、ピーマン、玉ねぎを⑴の鍋にいれる

まな板を使わずに、手を使ってリズミカルにテンポよく、器用に切る

トマトペースト、水、スンバラ、揚げたサバを⑶の鍋に加える

「ブルキナファソ版納豆」スンバラ

スンバラを砕いて、すり鉢で粉状になるまでつぶす

現地語で「トゥ オーゴ」と呼ばれるすり鉢で、リズムよく叩く(トントントントン……)

ゆでたブルバカの葉を⑷の鍋に加えて、まぜる

仕上げにつぶしたニンニクとコショウをいれて、全体をよーくまぜる

トウモロコシ粉

鍋に半分くらい水をいれて沸騰させ、とうもろこしの粉を少しずつ加える

フタをして、しばらく待つ

仕上げにもう一度よくまぜる

できあがったトウを小分けにする

フタをして、しばらく待つ

手を使って、分け合って食べるのがブルキナ流

一気に仲良くなった子ども達

ずっと笑顔

積極的になった子どもたち

笑顔にかえてしまうごはんのパワー
写真提供/てんやわんやママ