ブルキナファソ 地域発展のカギ

栄養不良で赤ちゃんの命を落とさせない

ブルキナファソで5歳未満児死亡率が高い背景に、質も量も足りない食事に加え、妊娠中のお母さんの栄養状態が悪く未熟児で生まれる傾向があることや、不衛生な環境で感染症や下痢などを引き起こしやすいことなどがあります。活動地では、もともとは国の事業として乳幼児と妊産婦対象の栄養改善事業が行われていましたが、資金難により拠点となる栄養改善センター(CREN)が閉鎖されてしまいました。「事業がなくなってから、毎年のように赤ちゃんが亡くなるのを見てきました」という住民たちの声をうけ、HFWが建物と経験あるスタッフを再活用する形で2005年に事業を再開しました。週に3回乳幼児たちの体重や身長を測定し、栄養がゆを提供。お母さんには家庭でも実践できるよう、栄養指導を行っています。家庭訪問などきめ細かくサポートした結果、2015年度は260名のうち216名の子どもたちが栄養不良から脱することができました。

母子保健センターで栄養がゆを食べる赤ちゃん

学校給食で、子どもたちの健康を守り、学力を伸ばす

活動地の小学校3校で学校給食を開始。子どもたちの健康を守り、教育の機会を拡充することが目的です。これまでは、家に帰って昼ごはんを食べることができない生徒たちは学校に残り、空腹のまま午後の授業を受けていました。給食が始まると、空腹が満たされて生徒たちの集中力はアップし、昼休みを予習・復習にあてられるようになりました。勉強時間が増えた結果、学力が向上。2012年の中学への進級試験では、合格率の全国平均が64%のところ、目標にしていた100%を達成。6年生51名全員が卒業証書を手にしました。さらには半数以上の生徒が、成績優秀者として学費免除で中学校に進学できました。給食開始当初と比べて生徒数は倍になり、給食が地域の教育促進にも一役買っています。給食作りにはお母さんたちがボランティアで参加したり各生徒の家庭から給食の食材が寄付されたりするなど、地域の人々も給食を支えています。

全員が卒業証書を手にできた

女性たちの収入を増やすことで、家庭内の栄養状態を改善

母親たちは、得た収入を家族の食事のためや生活全般の改善のために使うので、母親に収入があることが家族の健康状態や生活改善のカギとなります。そこで活動地の4ヵ村で小規模な貸付(マイクロクレジット)を実施しています。各村の女性たちはグループを作り、元手をもとに、タマネギや、地元で使われる調味料の販売、精米、地酒づくりなど、それぞれ自分たちでアイデアを出して事業を実施。いずれのグループもこれまで一度も返済が滞ったことはなく、順調に利益を上げています。こうして得た収入は、食費のほか子どもの教育費などにあてることができています。この事業は、同時に女性たちの意欲を引き出し、仲間との連帯感を強めることにもつながっています。HFWのサポートを離れて、自主運営するグループもすでに出て来ています。

タマネギを販売して収益を上げる母親グループ

啓発活動を通じて、住民の生活に変化が

月に1回、事業の担い手たちが、栄養、衛生管理、食料への権利などについて啓発集会を開催しています。また、毎年10月の世界食料デーに合わせて、食について考えるイベントを開催。「食料用作物と換金用作物のバランスを考えて生産する」「食料を計画的に備蓄・消費する」「地域に合った穀物を生産・消費する」「環境保護のために、薪などの資源を節約する調理法に変える」など、住民の食への意識がより高まり、日々の生活で学びが実践されています。「食料への権利」の概念についても、住民のなかにどんどん浸透しています。

(2016.06.30)

「食料への権利」が侵害されている事例を考える