
組合のみんなで、市場で鶏を売る様子
ウガンダでは首都カンパラ近郊にあるワキソ県で、収入創出のサポートや研修などを通して、4つの協同組合の活動を支援しています。2026年末の支援卒業を目指している住民たち。今回は、協同組合の自主運営化に向けてのどのような活動をしているのか、私、海外事業担当の槌谷より報告します。
自主運営のカギは「収益」
支援卒業後も住民が安定して暮らしていくには、地域の助け合いのしくみである協同組合の自主運営が不可欠です。大きな課題は、HFWが支援している管理費を今後どう自分たちでまかなうかという点。これまで「収入」を増やすことに意識が偏っていた組合メンバーたちも、「支出」を抑えたり、「支出」が少ない活動を優先することができるようになり、少しずつ収益を出せる月も増えてきました。
たとえば、ナッケデ協同組合では、これまでの共同生産をやめ、農業資材の共同購入や各組合員が生産した作物の共同販売に活動形態を変更することを計画しています。活動地域が都市化の波にさらされている影響で、共同生産をするための土地や労働力の確保が資金的にも物理的にも困難になり、共同生産による収益が思うように上がらなくなってきたためです。今後は、共同購入・販売により、それぞれ各組合員が個人で購入・販売するよりも、組合が一括することで、販売相手との交渉力が上がり、利益が増えます。組合としても、これらの活動を通じて、手数料収入が得られるだけでなく、組合としての評判を獲得し、今後の組合員増加につながることを期待しています。
試行錯誤の経験を力に
日々の活動報告を見ていると、住民のみなさんが本気で自立をめざしている様子がひしひしと伝わってきます。時には、「こうすればもっと収益が上がるのでは?」 と私からアドバイスしたくなる場面もあります。しかし、住民が試行錯誤しながら、自分たち活動を決めて、その結果として成果を得ることが、自立支援においては最も重要だと考えています。自主運営化まで道のりは決して平坦ではありませんが、どの組合もそれぞれの地域に合った活動を試している様子を見ると「この先が楽しみだな」と素直に思います。これからも彼らの挑戦を、しっかり見守っていきたいです。
私が報告しました!
槌谷保子 HFWプログラムオフィサー
大学生の時にHFWのベナン・ブルキナファソ担当インターンで国際協力デビュー。その後、外務省や国連等で国際協力・アフリカと関わり続け、15年ぶりにHFWに舞い戻ってきました!
マイブームは無添加おやつ探し&(たまに)おやつ作り。