きれいな水を、みんなで守る~協同組合、水管理委員会、若者が井戸の管理で協働 : 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド HUNGER FREE WORLD     

活動レポート ウガンダ

2022.06.24 ウガンダ

きれいな水を、みんなで守る~協同組合、水管理委員会、若者が井戸の管理で協働

   

プレゼンテーションを用意するルグジ協同組合の組合員

2月、HFWが活動するウガンダ・ワキソ県の4つの区で、地域にある井戸の管理計画を立てるための会合を開きました。会合には住民でつくる水管理委員会とHFWが支援する協同組合の役員、そしてユース・エンディング・ハンガー(YEH)の若者たちが出席。3つのグループが協力して井戸を管理することが決まり、地域の人々がいつでも清潔な水を得るための一歩を踏み出すことができました。

ワキソ県では従来から、清潔で安全な水を得るのが難しいという問題を抱えてきました。井戸の建設には、行政や他NGO、また以前はHFWも取り組んできました。しかし、どの井戸も、周辺が汚れて衛生状態が悪かったり、部品が盗まれたり、壊れても修繕されず、そのまま使えなくなったりという問題がありました。住民主体を方針に掲げるHFWでも井戸を管理・維持する地域の仕組みづくりに課題を抱えていました。たとえ住民の食生活が改善されても、汚れた水を飲んでいては、下痢や感染症などにかかり、栄養状態が悪化しかねません。

そこでHFWは今回ワキソ県から水・衛生分野改善の協力要請を受け、初めての試みとして、井戸の管理を担う水管理委員会だけでなく協同組合やYEHにも、連携して井戸の管理に当たるよう呼び掛けました。さらに、村で保健衛生の指導に当たるボランティアや地区の代表者ら、幅広い人々の参加も求めました。このため各会合にはさまざまな組織のメンバーが25人ずつ出席し、参加者は4地域で計100人に上りました。

会合では地域の保健ボランティアの人たちが、基本的な保健衛生の知識などを参加者にレクチャーしました。さらに水管理委員会と協同組合、YEHが水質のモニタリングや修繕、協力者集めなどについて、どのように役割を分担するか、どのようなルートでお互いの活動を報告するかなどを議論しました。その結果、お互いの仕事内容を明確化し、具体的に計画に書き入れることができました。

3つの組織にはこれから、協力して管理計画を実施するという新たなチャレンジが待っています。そんな中、さっそく協同組合の仕組みを応用して、井戸の利用者から集金した井戸管理・修繕基金用の口座が開設されました。今後井戸の管理にかかる費用に充てていく予定です。また井戸の管理だけでなく、キャンペーンや奉仕活動などを通じて、井戸の水を清潔に保つことの大切さを、住民に伝える活動にも取り組んでいきます。さらに水管理委員会のメンバーは、水・衛生分野に関する県の調整委員会に参加するなど、行政との連携も目指します。

HFWは今回の会合で、資金提供のほか研修に必要なマニュアルを準備し、一部の研修で講師を務めるなど、「裏方」として活動しました。今後も井戸の管理状況と地域の衛生状況が改善されるよう、引き続き住民の伴走支援とアドバイスを続けます。

講義やグループディスカッションも行った

HFWはワキソ県全体の水・衛生分野調整会合にも参加

今回の取り組みは、組織同士のチームワークと協働に力を入れている点が、非常に興味深かったです。私が村にある井戸の清掃・管理を担うことで、より多くの人が安全できれいな水を得られるようになれば、地域社会への恩返しができるので嬉しいです。

キインバ・カマダさん(若い農家)

井戸の管理のような地域活動は、住民を協同組合の活動に誘う絶好のチャンスでもあります。これからも毎年会合に参加し、水管理委員会やYEHのメンバーとの協力関係を強化していきたいです。

カリナビリ・ファリダさん(協同組合 組合員、農家)

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