ルグジ協同組合の幹部とスタッフと意見交換
今回のウガンダへの出張はバングラデシュから引き続き、担当地域が昨年10月に変わってから初めての出張でした。まず、基本情報をおさらいしてみましょう。ウガンダはアフリカ東部にある内陸国で、活動地は首都カンパラの近郊にあります。首都周辺はガンダ人が多く、ガンダ語が話されますが、公用語の英語も使われます。
HFWの活動地区には、政府が協同組合形態を推進して以降、登録された多目的な組合がいくつかあります。それ以前からサークルと呼ばれる、貯蓄や貸付をする小規模の互助グループが存在していました。組合員は両方に参加している人もいて、場合によって使い分けているようです。
4協同組合を巡り見えた、嬉しい変化
今回の出張では活動地の4つの協同組合(各300人規模)を訪問し、幹部たちやスタッフ、組合員と意見交換しました。
地域にとって組合は、金融機関へのアクセスが難しい人々にとって信頼できる存在であると同時に、地域のつながりを生み出す場としても機能してきました。
HFWと4組合は組合の自主運営をめざしてきましたが、以前は受動的な姿勢が見られ心配していた面もありました。しかし、2024年の1月に改めて2026年までに支援を終了することを宣言したことで、各組合が主体的に課題を見出し対策を講じる姿勢へと変化したようです。たとえば、収益改善を図る組合は生産から販売への展開を進め、別の組合ではバナナ栽培に取り組むなど、それぞれの課題に適した道を模索し、行動を始めています。
会計業務の委譲と持続可能性
バングラデシュの事業地と同様に、ウガンダでも特に課題となっているのは、会計業務をHFWの支部職員から組合自身に移行することです。外部監査を受けるために普段使っている紙での記録を電子化し正確なデータ入力、英語での県の担当局への書類提出も求められます。
4つもの組合が自主運営へ移行していくことは容易ではありませんが、実際に確認して記録の正確性がわかったので、彼らなら乗り越えられると信じています。
コミュニティを支える人々と今後の展望
協同組合は農業従事者だけでなく職人や加工業を営む人々も参加しており、家庭菜園などを通じた食料自給を奨励しています。こうした多様な人々の活動は、コミュニティへの深い愛着に支えられており、地域ぐるみで飢餓をゼロにする取り組みには欠かせません。今回の出張は、その意義を確かにしてくれるものでした。
今後は現地をよく知る支部と、全体を見ながら支える本部が力を合わせ、2026年の自立に向けて着実に進んでいきたいと思います。
ウガンダ支部のスタッフ、事務所の庭にて。HFWのビジョンなどが書かれているバナーを囲んで。
カブンバ協同組合のスーパーバイザー委員会のアレックスさんが、組合のデモ農園の作物を紹介している様子
キジトさん一家。両親と11人の子ども、その孫たちの大家族で、写真に写っているのはその一部。お父さんのジョージさん(写真右から2番目)は、10年ほど前からトゥンバリ組合員をやっている。組合の口座を利用してコツコツ貯金をし続けており、組合長がその秘訣を聞きにくるほど。2024年に組合から融資を受けて家畜を購入して、すぐに返済する真面目なお人柄。組合の活動が大好きで、妻や子どもにも加入を勧めるほど。息子さんのひとり(写真一番左)は、すでに組合へ加入した。
私が報告しました!
槌谷保子 HFWプログラムオフィサー
大学生の時にHFWのベナン・ブルキナファソ担当インターンで国際協力デビュー。その後、外務省や国連等で国際協力・アフリカと関わり続け、15年ぶりにHFWに舞い戻ってきました!
マイブームは無添加おやつ探し&(たまに)おやつ作り。

