「近代的な農機具が必要」「住民の声、政策に反映を」意見交換会で貧しい人や女性が発言 : 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド HUNGER FREE WORLD     

活動レポート バングラデシュ

2022.05.31 バングラデシュ

「近代的な農機具が必要」「住民の声、政策に反映を」意見交換会で貧しい人や女性が発言

     

飢餓を終わらせるために皆で一緒に取り組むべき課題が話し合われた

HFWは2021年12月、活動地のボダ郡とカリガンジ郡で、必要な食料に住民自身が持続的にアクセスできる「食料への権利」実現に向けた意見交換会を開きました。交換会は両地域として初めて、HFWの事業に関わっていない住民の参加も募り、農家の人々や女性、若者、教師、宗教団体のリーダーら、さまざまな立場の人が出席しました。

会では女性や貧困に苦しむ人々も、自由に発言しました。農業を営むある住民は、生産量を増やすには、近代的な農機具や農業技術の導入が不可欠だと訴えました。さらに別の参加者は、農家が種や肥料を安く入手するための「農家カード」が、政府と「コネ」のある裕福な農家や大規模農家にばかり配られ、本当に支援が必要な小規模農家に行きわたっていないと批判しました。

また政府の関連組織である地域の開発調整委員会に、住民や女性の代表者も参加できるようにして、彼らの声を政策に反映するべきだとの声も聞かれました。

これらの意見は、リーダーの女性ら地域住民が提言として取りまとめ、政府に提出する予定です。HFWも取りまとめをサポートします。

両郡では、意見交換会と同時に「バングラデシュ独立50周年記念式典」も開かれました。会場では住民の企画によって、手作りのお菓子を販売するスイーツ・ビュッフェやレクリエーション、独立戦争に関するポスター展示なども開かれ、2つの会場でのべ700人以上が参加しました。

式典と意見交換会は、2005年にHFWが中心となって設立したアドボカシー団体「ビジョン2021フォーラム」との共催でした。同フォーラムは、独立50周年を迎えて役割を終えたとして、今回の活動をもって解散します。HFWは2022年以降も、両地域が支援から卒業できるよう、住民主導での地域づくりや持続的な組織づくりをサポートしていきます。

住民が企画したスイーツ・ビュッフェ。手作りお菓子が並んだ

農家、女性、若者、教師、宗教団体のリーダーなど、多様な立場の人が参加

Message from Bangladesh

私はたい肥を作り、野菜やお米を育てて販売して家計の半分以上を支えています。しかし女性であるがために、社会から農家として認められていません。意見交換会で自分の意見を考え、そして発言できたことは、地域に一人の人間として認められるきっかけになると感じました。

モノワラ・ベグム(カリガンジ郡 コミュニティリーダー)