HFWの支援からの卒業を目前に研修を実施。組合やマイクロクレジット事業の完全な自主運営に向けて準備を整えています : 飢餓のない世界を創る国際協力NGO ハンガー・フリー・ワールド HUNGER FREE WORLD     

活動レポート ブルキナファソ

2021.10.28 ブルキナファソ

HFWの支援からの卒業を目前に研修を実施。組合やマイクロクレジット事業の完全な自主運営に向けて準備を整えています

   

研修を受ける様子

HFWでは2016年からの5ヵ年計画において、住民が自立し、撤退できる地域を一つ以上つくることを目標に掲げてきました。ブルキナファソでは、2021年末をもって現在の活動地から撤退する計画です。そこで、最後の1年間は、HFWの撤退後も住民自らが協同組合の事業を継続できるよう、組織運営の能力強化に努めています。2021年6月中旬、2回に分けて実施した研修には、ワムテンガ村、ウェドビラ村、ゴムトアガ村、ピシ村の女性組合員が各村から20〜35名ずつ、のべ125名が集まりました。

これまで、HFWは、活動地である4つの村で女性が経済活動を行う組合のマイクロクレジット(小規模貸付)事業を支援してきました。返済が滞ることもなく、事業はスムーズに運営され、組合員の収入向上に貢献してきました。

研修では、組合を運営していくために、内部規約を順守し、スキルと意欲の高い人材が活躍できる環境をつくり、内部の揉め事を解決すること。さらにマイクロクレジットの貸付条項を順守する方法や、組織内での連携を強化するために異なる役割を担うチーム同士が互いの役割を理解するなど、組合を協力して運営していく方法について学びました。今回の研修に参加した女性たちは積極的に研修に参加し、今後、自力で組合を運営していくことに自信をつけたと話しています。

現在HFWは、組合によるマイクロクレジットの自主的な管理をモニタリングしています。また、このモニタリング期間に自主運営が円滑に行われることが確認できたら、HFWがこの活動地からスムーズに撤退できるよう、彼女たちの活動の支えとなる地域の自治体や信用組合とのつながりを強化しています。

 

※現在HFWで使用している「協同組合」という用語には、国際的な協同組合原則にのっとった協同組合(Cooperative)だけでなく、協会(Association)と呼ぶべき状態も含まれています。▼クリックして詳しい説明を読む

現在、協同組合、協会、委員会、住民グループなど各支部の住民組織について、実際にどのような登録をしているかの確認や、用語の定義の整理しています。
参考)
国によって、Cooperative法、Association法、あるいは各種委員会を登録する法など、住民組織化に関する法は多様に存在しています。
その中でもCooperative法は、例えば年次監査の実施、所轄庁への総会議事録や予算等の提出、指定された活動に一定の割合以上の予算を充てるなど、厳しい条件が数多く設けられています。
厳しい条件を満たすほうが、行政と対話しやすくなる、サービスや優遇を受けやすくなるというメリットが一般的には大きくなりますが、構成員を女性に限定したい、管理能力に不安があるなど、それぞれの住民組織の思いや実情にあわせて、組織の種類を選ぶことが大切です。
HFWでは、それぞれの地域や住民に適した形で、持続可能な住民組織化のメカニズムが地域に根付くことをめざします。

 

研修後の集合写真

Messages from Burkina Faso

今回の研修で自分の役割が明確になったので、助かりました。研修で学んだ、定款や内部規約、貸付条項を守ることや、揉め事を解決するための戦略など実用的な知識を活用して、今後は組合の管理を自分たちで担えるよう努力していきます。
また、HFWが撤退プロセスの中で、私たちの意見を尊重してくれたことにも感謝しています。

ウエドラオゴ・ルシエンヌさん(ゴムトアガ村 協同組合員)